これまで、何度かルール改訂(改悪)を行ってきたPayPay。特に8月1日からのクレカの紐づけ廃止などの改訂によって、「利用者獲得の段階から利益回収の段階に入った」、と言われていますが、この8月の改悪後、PayPayをどのように使っていったら良いのか、考えてみました。
今回(2023年7月、8月)改悪の概要
今回の改悪内容をざっと概括します。
他社クレジットカードの紐づけ廃止
2023年8月1日からPayPayカード(ゴールドを含む、以下同じ)以外のカードを利用した支払いができなくなります。
7月初旬から、クレジットカードの新規登録自体ができなくなります。
すで登録されている他社カード(PayPayカード以外のカード)は、8月1日に登録が解除されてしまうということです。
つまり、8月1日からはPayPayによる支払い方法としては、以下のパターンになります。

支払い方法 その1 残高にチャージして支払う
PayPay残高に一旦チャージして支払う方法です。チャージ方法は、銀行口座、現金(セブン銀行、ローソン銀行ATM)、PayPayカード、PayPayあと払い、などがあります。(PayPay残高にチャージする)
基本的に1000円以上1円単位でチャージできます。(チャージ可能な最小金額)
「あと払い」は直接支払うことも、一旦残高へのチャージしてから支払うこともできます。
「あと払い」からチャージするというのは日本語として奇妙な感じですが、内容的には「あと払い」に登録したPayPayカードからチャージするという意味です。
7月初旬以降クレカの新規登録自体できなくなりますが、PayPayカードについてはすでに2022年2月をもって他のクレカのようには登録できず、あと払いに登録する必要があるので、PayPayカードからチャージできるのは既に登録済みのPayPayカードのみだと思います。
いずれにしても、「あと払い」、PayPayカードともにチャージによるポイント付与はありません(こちらの特典対象外項目を参照)ので、ポイント還元率で言えば、残高払いの場合の基本還元率は支払時の0.5%のみです。
残高払いの利点は、PayPayポイントが使える、銀行口座や現金からのチャージした場合に、PayPay銀行に無料で払い出せる、ということでしょうか。
支払い方法 その2 PayPayあと払い
もう一つの方法は「PayPayあと払い」で直接支払う方法です。(PayPayあと払い)
実質的な中身としては、PayPayに紐づけたPayPayカードから支払うのと同じです。
基本のポイント還元率は1.0%で、残高払いよりも有利です。
これまでのクレカ支払いとの違いは、「あと払い」を利用することによって、PayPayステップのカウント対象になったり、「あと払い」に登録済みのPayPayカードであれば単体で使ってもPayPayステップにカウントされるなどの特典があります。
すでにPayPayカード(リアルカード)を持っている場合は、そのカードをあと払いに登録、持っていない場合には、あと払いの利用を新規に申し込むことによって利用できるようになります。
あと払いの新規申込みは、実質的にPayPayカードの発行申込みなので、審査があり、審査に通ると後払いの利用が可能となると同時にバーチャルカードが発行されます。申込時にリアルカードの発行を希望することもできます。
なお、すでにクレジットカードとして登録の済みPayPayカードであれば、引き続きカードからの支払いが可能だと思いますが、それだとポイントは付与されませんし、PayPayステップの対象にもならないので、「あと払い」を使わないというのはデメリットしかないと思います。
ポイント付与計算方法の変更
改悪内容の2つ目は、ポイント付与計算方法の変更です。2023年7月1日利用分から変更になるということです。
公式ページの書き方では分かりにくいかも知れませんが、要するに、これまで決済金額100円につき1ポイント付与されていたのが、200円につき2ポイントになりますよ、ということです。
公式のお知らせは、こちらの「PayPayステップの条件変更について」というところをご覧ください。
さらにPayPayカードについても、同じようなお知らせが出ているので、PayPayカードを利用した場合のポイント付与についても同じ計算方法になるのだろうと思います。
一見すると改訂前も後も同じ1%の還元のように見えますが、改訂後の方が実質的な還元は減ります。
何か変わるのかと言うと、ポイント付与される際の端数切捨てが増える = ポイントの取りこぼしが増える = 実質的なポイント付与が減る ということです。
具体的には、これまで99円以下の支払いが切り捨てられていたのが、さらに拡大して199円以下の支払い部分は切り捨てられる、ポイントが付与されない、ということです。
このあたりのことについては、こちらの過去記事を参考にしてください。
「まとめて支払い」での残高チャージに手数料
改悪内容の3つ目です。ソフトバンク、ワイモバイルユーザーに限っての話なので詳しくは割愛しますが、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOのユーザーであれば、通信費の支払いとあわせてPayPayの残高にチャージすることが可能なのですが、毎月2回目以降のチャージに手数料が必要になる、という話です。(詳しくは公式のお知らせを)
この「まとめて支払い」については、PayPayカードで支払う場合にはポイント還元は無いのですが、他社のカードで支払う場合には他社の規定によることになり、多くのクレカでポイントが付与されるようです。
今回はこの点に一定の制限を加えようということなのでしょう。
PayPayステップについて
ここまでの中で何度か「PayPayステップ」に言及していますので、PayPayステップについてあらためて触れておきます。
要するに、ある月のPayPayの利用内容が一定の条件をクリアすると、翌月のポイント還元率が+0.5%上乗せされるというものです。PayPayカードをあと払いに登録していれば、PayPayだけでなくPayPayカードのポイント還元率もアップします。
その条件とは、ひと月に、1回300円以上(2023年7月1日からは200円以上)の支払いを30回以上、かつ合計10万円以上の利用、です。
PayPayカードをあと払いに登録していれば、PayPayカード単体での利用も含めてカウントされるとは言え、なかなか簡単ではありません。
ここまでやって、全体で最高1.5%のポイント還元ですから、PayPayのヘビーユーザー以外にはあまりうれしい制度では無いように思います。
PayPayステップについて、詳しくは、こちらの公式ページをご覧ください。
改悪の影響
今回の改悪によって、何がどう影響するのか。
ポイント付与計算方法の変更については、単純にポイントの取りこぼしが増えるということです。
もう一つが、他の高還元のクレカを使えなくなる、PayPayポイント以外のポイントを貯めたることができない、など柔軟性がなくなります。
例えば、エポスゴールドから「MIX M」にチャージして、それをPayPayに登録すれば、特に難しいことをしなくとも1.5%の還元が得られます。
また、以前から言っていますようにPayPayポイントは、あまり使い勝手が良くないので、他のクレカなどを紐づければ、他のポイントをためることができます。
こういったことができなくなり、すべてPayPayに縛られるということになります。
しかし、ある意味、しくみとしてはシンプルになるとも言えます。
残高で支払うか、「あと払い」で支払うか、還元率を上げたければPayPayステップを頑張ってね、ということです。
難しいことを考えずに便利に使えればそれで良い、という人にとっては、あまり変わらない、むしろ分かりやすくなったと言えるかも知れません。
ただ、PayPayポイントの使い勝手はもう少し何とかしてほしいと思います。
PayPayとどう付き合うか
PayPayの最大の利点は、利用店舗の多さだと思います。
現金以外はPayPayしか使えないという小規模店舗をよく見かけました。
ただし、私の身の回りの体感ですが、そうした店舗も少し減ってきたように思います。以前はPayPayしか使えなかったけれど、他のコード決済も使えたり、クレジットカードが使えるようになったというお店をちょいちょい見かけます。
ですので、PayPayしか使えないという場合以外は、PayPayを使わない、というのが一つです。
他のコード決済やクレカを使う。
若しくは、何かのキャンペーンなどがあるときにはPayPayを使う。
PayPayを使う際には、PayPayカードを発行してもよい(若しくはすでに持っている)のであれば「PayPayあと払い」を使う。
クレカを増やしたくないというのであれば、現金か銀行口座からチャージして利用する。ポイント還元率は落ちますが、たまにしか使わないのであれば、それもありかと。
少しづつPayPayポイントが貯まっていくと思いますが、ポイントは、残高払いで使うか、「PayPay資産運用」で現金化するか。
PayPayポイントには有効期限がありませんので、慌てることはないと思います。
ざっとこんな感じでしょうか。
ちなみに、PayPayポイントの現金化についてはこちらの記事を、コード決済の比較についてはこちらの記事を参考にしてください。
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