PayPay ~改悪後の使い方~

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Photo by Khwanchai

 これまで、何度かルール改訂(改悪)を行ってきたPayPay。2023年5月、他社クレカの紐づけ廃止などを発表したことによって、「利用者獲得の段階から利益回収の段階に入った」などと言われ、多くの批判が出たことから、当所発表されたいくつかの改悪の内、一番話題となった他社クレカとの紐づけ廃止について、その時期が大幅に延長されました。

 ただ、他社クレカとの紐づけ廃止については、かなり遠くに先送りされたとは言え、改悪の日は確実にやってきますので、今回発表された改悪内容を整理し、その後PayPayをどのように使っていったら良いのか、少し考えてみました。

 2023年6月22日 「他社のクレジットカードの取り扱いの停止について2025年1月に延期」されました(公式のお知らせ)。制度の変更はずいんぶと先になりました。
 ただし、ポイント付与の計算方法や「まとめて支払い」については当初予定通り実施されました。

 なお、2023年8月から「PayPayあと払い」の名称が無くなり、「クレジット(旧あと払い)」などの表記になりました。もともと実質的にPayPayカードと同じでしたから、その方がややこしくないとは思いますが...。

改悪の概要

 話題となった改悪内容をざっと概括します。

他社クレジットカードの紐づけ廃止

 かなり先の話になってしまいましたが、この点が一番大きく話題になったので、まずは、この点について説明します。

 2025年1月からPayPayカード(ゴールドを含む、以下同じ)以外のカードを利用した支払いができなくなります。
 また、延期前に発表されていた改悪内容からすると、すで登録されている他社カード(PayPayカード以外のカード)があったとしても、登録が解除されてしまうことになるでしょう。

 「PayPayからのお知らせ

 つまり、2025年1月からはPayPayによる支払い方法としては、以下のパターンになります。

支払い方法 その1 残高にチャージして支払う

 PayPay残高に一旦チャージして支払う方法です。チャージ方法は、銀行口座、現金(セブン銀行、ローソン銀行ATM)、PayPayカード、クレジット(旧あと払い)、などがあります。(PayPay残高にチャージする
 基本的に1000円以上1円単位でチャージできます。(チャージ可能な最小金額

 「クレジット(旧あと払い)」は直接支払うことも、一旦残高へのチャージしてから支払うこともできます。

 ちなみに、2022年2月以降、PayPayカードは他のクレカのようにカード追加で登録することはできず、クレジット(旧あと払い)にしか登録できませんので、PayPayカードからチャージできるのはそれ以前に既に登録済みのPayPayカードのみだと思います。

 いずれにしても、現金や銀行口座はもちろん、「クレジット(旧あと払い)」、PayPayカードの場合も、チャージによるポイント付与はありませんこちらの特典対象外項目を参照)ので、ポイント還元率で言えば、残高払いの場合の基本還元率は支払時の0.5%のみです。

 残高払いの利点は、銀行口座や現金からのチャージした場合に、PayPay銀行に無料で払い出せる、ということでしょうか。

支払い方法 その2 クレジット(旧あと払い)

 もう一つの方法は「クレジット(旧あと払い)」で直接支払う方法です。(クレジット(旧あと払い))
 実質的な中身としては、PayPayに紐づけたPayPayカードから支払うのと同じです。

 基本のポイント還元率は1.0%で、残高払いよりも有利です。

 これまでのクレカ払いとの違いは、「クレジット(旧あと払い)」を利用することによって、PayPayステップのカウント対象になり、さらには「クレジット(旧あと払い)」に登録済みPayPayカードであれば単体で使ってもPayPayステップにカウントされるなどの特典があります。

 すでにPayPayカード(リアルカード)を持っている場合は、そのカードをクレジット(旧あと払い)に登録することで、持っていない場合には、クレジット(旧あと払い)の利用を新規に申し込むことで利用できるようになります。

 クレジット(旧あと払い)の新規申込みは、実質的にPayPayカードの発行申込みなので、審査があり、審査に通ると利用が可能となると同時にバーチャルカードが発行されます。申込時にリアルカードの発行を希望することもできます。

 これまで、PayPayポイントは「残高払い」でしか利用することができなかったのですが、2023年12月6日からクレジット(旧あと払い)とポイントを併用することが可能になるとのことです。(PayPayからのお知らせ
 これによって、多少使い勝手は良くなりそうですが、利用するポイント数の指定などはできなさそうです。

 なお、すでにクレジットカードとして登録の済みのPayPayカードであれば、引き続きカードからの支払いが可能だと思います。しかし、他社のクレカとは異なり、その方法だとポイントは付与されませんし、PayPayステップの対象にもならないので、PayPayカードを普通のクレカとして使い、「クレジット(旧あと払い)」として使わないというのはデメリットしかないと思います。

ポイント付与計算方法の変更

 改悪内容の2つ目は、ポイント付与計算方法の変更です。2023年7月1日利用分から変更になりました。
 公式ページの書き方では分かりにくいかも知れませんが、要するに、これまで決済金額100円につき1ポイント付与されていたのが、200円につき2ポイントになりますよ、ということです。

 公式のお知らせは、こちらの「PayPayステップの条件変更について」というところをご覧ください。

 さらにPayPayカードについても、同じようなお知らせが出ているので、PayPayカードを利用した場合のポイント付与についても同じ計算方法になるのだろうと思います。

 一見すると改訂前も後も同じ1%の還元のように見えますが、改訂後の方が実質的な還元は減ります

 何か変わるのかと言うと、ポイント付与される際の端数切捨てが増える = ポイントの取りこぼしが増える = 実質的なポイント付与が減る ということです。
 具体的には、これまで99円以下の支払いが切り捨てられていたのが、さらに拡大して199円以下の支払い部分は切り捨てられる、ポイントが付与されない、ということです。
 このあたりのことについては、こちらの過去記事を参考にしてください。

 また、クレジット(旧あと払い)とPayPayポイントを併用できるようになるのに伴い、ポイントの計算方法もクレジット部分とポイント部分で分けて計算されるようになります。
 それぞれでポイント還元率が異なる(クレジット部分は1.0%ポイント部分は0.5%)形です。
 詳しくは、こちらのお知らせをご覧ください。

「まとめて支払い」での残高チャージに手数料

 改悪内容の3つ目です。ソフトバンク、ワイモバイルユーザーに限っての話なので詳しくは割愛しますが、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOのユーザーであれば、通信費の支払いとあわせてPayPayの残高にチャージすることが可能なのですが、毎月2回目以降のチャージに手数料が必要になる、という話です。9月1日から変更されました。(詳しくは公式のお知らせを)

 この「まとめて支払い」については、PayPayカードで支払う場合にはポイント還元は無いのですが、他社のカードで支払う場合には他社の規定によることになり、多くのクレカでポイントが付与されるようです。

 今回はこの点に一定の制限を加えようということなのでしょう。

PayPayステップについて

 ここまでの中で何度か「PayPayステップ」に言及していますので、PayPayステップについてあらためて触れておきます。

 要するに、ある月のPayPayの利用内容が一定の条件をクリアすると、翌月のポイント還元率が+0.5%上乗せされるというものです。PayPayカードをクレジット(旧あと払い)に登録していれば、PayPayだけでなくPayPayカードのポイント還元率もアップします。

 その条件とは、ひと月に、1回200円以上の支払いを30回以上、かつ合計10万円以上の利用、です。
 PayPayカードをあと払いに登録していれば、PayPayカード単体での利用も含めてカウントされるとは言え、なかなか簡単ではありません。

 ここまでやって、全体で最高1.5%のポイント還元ですから、PayPayのヘビーユーザー以外にはあまりうれしい制度では無いように思います。

 PayPayステップについて、詳しくは、こちらの公式ページをご覧ください。

改悪の影響

 今回の改悪によって、何がどう影響するのか。

 ポイント付与計算方法の変更については、単純にポイントの取りこぼしが増えるということです。

 もう一つが、他社のクレカを使えなくなる、つまりPayPayポイント以外のポイントを貯めたることができない、など柔軟性がなくなります。

 PayPayポイントは、クレジット(旧あと払い)と併用できることで、使い勝手は良くなると思いますが、お得度で言えば、大きくは改善しません。併用できるとは言え、あまりお得な使い方とは言えません。できるならば、もっとお得に使えるポイントを貯めたいところです。

 ですが、今回の改悪によって、すべてPayPayに縛られるということになります。
 それが本来の姿だだろと言われれば、それまでですが。

 一方で、ある意味、しくみとしてはシンプルになるとも言えます。
 残高で支払うか、「クレジット(旧あと払い)」で支払うか、還元率を上げたければPayPayステップを頑張ってね、ということです。
 難しいことを考えずに便利に使えればそれで良い、という人にとっては、あまり変わらない、むしろ分かりやすくなったと言えるかも知れません。

 各社のポイントの使い勝手の違いについては、こちらの過去記事を参照してください。

 また、ポイントのお得な使い方については、こちらの記事をご覧ください。

PayPayとどう付き合うか

 PayPayの最大の利点は、利用店舗の多さだと思います。
 現金以外はPayPayしか使えないという小規模店舗をよく見かけました。

 ただし、私の身の回りの体感ですが、そうした店舗も少し減ってきたように思います。以前はPayPayしか使えなかったけれど、他のコード決済も使えたり、クレジットカードが使えるようになったというお店をちょいちょい見かけます。

 ですので、PayPayしか使えないという場合以外は、PayPayを使わない、というのが一つです。
 他のコード決済や電子マネー、クレカを使う。
 若しくは、何かのキャンペーンなどがあるときにはPayPayを使う。

 PayPayを使う際には、PayPayカードを発行してもよい(若しくはすでに持っている)のであれば「クレジット(旧あと払い)」を使う。
 クレカを増やしたくないというのであれば、現金か銀行口座からチャージして利用する。ポイント還元率は落ちますが、たまにしか使わないのであれば、それもありかと。

 少しづつPayPayポイントが貯まっていくと思いますが、ポイントは、クレジット(旧あと払い)もしくは残高払いで使うか、「PayPay資産運用」で現金化するか、S&P500や全世界株式などに投資しておくか。
 PayPayポイントには有効期限がありませんので、慌てて使う必要はありませんが。

 ざっとこんな感じでしょうか。

 ちなみに、PayPayポイントの現金化についてはこちらの記事を、コード決済の比較についてはこちらの記事を参考にしてください。

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