ポイント還元率のはなし

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Image by Tumisu from Pixabay

 前回のスマホ決済(コード決済)でもそうですが、クレジットカードのお得度を比べるのにも簡単に「ポイント還元率」と言いますが、単純に率だけでは比較できない、というお話を今回はしたいと思います。

(2023.8.8) 楽天カードが、2023年11月請求分から計算方法を変更(改悪する)というのがかなり話題になったこともあり、今回の記事内容について気づかれた、あるいは知ってたけどあらためて意識したという方も多いのではないでしょうか。
 各クレジットカードの計算方法については、最後の項を参照ください。

なぜ同じ還元率なのにポイントに差が生じるのか?

 クレジットカードの場合でお話を進めます。
 なぜ、率だけで単純に比較できないか、それは、計算方法がそれぞれカードによって異なる場合があるからです。

 一つは、還元するポイント計算をいつ(どの期間で)するのか。
 決済(買い物)の都度なのか、1か月の利用額をまとめてするのか。

 もう一つは、利用額いくらを単位にポイントを付与するのか。
 例えば、100円で1ポイントなのか200円で2ポイントなのか。
 どちらも同じ1%です。

 これによって何がどう違ってくるのか。 端数処理が変わってきます

例えば

4つのクレジットカード

 具体例で見てみます。下のような4つの種類のクレジットカードがあるとします。
 同じ1%で比較してみます。

 Aカード 決裁毎100円につき1ポイント のポイント付与
 Bカード 決裁毎200円につき2ポイント のポイント付与
 Cカード ひと月の利用合計額1000円につき10ポイント のポイント付与
 Dカード ひと月の利用合計額100円につき1ポイント のポイント付与

 どれも1%の還元率です。

 これらのカードを使って、ある月に、390円、590円、790円 と3回の買い物をした場合を見てみます。

結果は

 Aカードは、100円の倍数ごとに1ポイントもらえるので、300円分について3ポイント(90円は端数としてカット)、500円分の5ポイント、700円分の7ポイントで
 合計 3+5+7= 15ポイント もらえます。

 Bカードでは、200円の倍数ごとの計算になるので、200円分の2ポイント(190円が端数カット)、400円分の4ポイント、600円分の6ポイントで
 合計 2+4+6= 12ポイント になります。

 Cカードでは、利用合計額 390+590+790= 1770円 に対して、1000円ごとなので、1000円以下の端数770円はカット で、
 合計 10ポイント しかもらえません。

 Dカードは、利用合計額 1770円 の100円単位ですから、70円だけが端数処理されて、1700円に対して、100円につき1ポイントなので、
 合計 17ポイント もらえることになります。

 結構、差がつきました。
 差のつきやすい極端な例を出したのでこのような結果になりましたが、場合によっては結構違いがでるということが分かると思います。

実際には?

 実際には、このような端数処理ギリギリに近い金額ばかりで買い物をすることはないでしょうし、たまに大きな買い物をするだけという場合は、ほとんど気にしなくてよいと思います。

 あと何かにチャージして使うという場合、例えば、クレカから何かのプリペイドカードにチャージして使うような場合、端数処理されない切りの良い金額でチャージすれば良いので、この問題は生じません。
 ただし、そのチャージがクレカのポイント付与の対象かどうかは注意が必要ですが。

 また、いくら端数処理で差が出ると言っても、そのために還元率1%のカードが1.5%のカードを逆転するというケースもほとんどないと思うので、お得度で言えば還元率が高いカードの方が有利です。

 ちなみに、リクルートカードは、基本還元率が1.2%と年会費無料のカードとしては高還元で、計算も1か月の利用合計額に対してポイント付与されるので、なかなか優秀だと思います。
 詳しくはこちらで記事にしていますので、参考にしてみて下さい。

最後に

 各カードの公式ページを見ても、どのようにポイント還元の計算をしているのかはわかりにくいですし、そんな細かいことまで気にしていいられない、という意見もあるでしょうけれど、このような違いが生じる場合がある、ということは知っておいて損はないと思います。
 複雑な部分もあったり、制度も時々変わったりするので追いかけるのは大変ですが。

 例えば、計算方法が変わる場合もあったり(auPAYカードは、2020年に200円ごと2ポイントから100円ごと1ポイントに変更になりました)、

 三井住友カードは、ひと月の利用額合計に対して200円に1ポイント(つまり0.5%)の基本還元率ですが、セブンイレブンやローソン、マクドナルドなどのほか、対象店舗でタッチ決済すると5%のポイントです。
 さらに、2023年7月1日からApple Pay、Google Payで利用する場合、還元率がアップして合計7%のポイント付与となります。

 つまり、対象店舗で利用する場合、カード差し込み、カードのタッチ決済、スマホのタッチ決済でポイント還元率が変わってきます。詳しくは、下の公式ページをご覧ください。

 三井住友カードの公式ページ


各クレジットカードの計算方法

 参考までに、私が調べた限りですが、
 利用の都度計算するのが、dカード、auPAYカード、イオンカード(200円単位)、ライフカード、PayPayカード(2023年7月1日から200円単位) などで、
 月間利用合計額で計算するのが、三井住友カード(200円単位)、セゾンカード(1000円単位)、楽天カード(2023年9月まで)(注)、リクルートカード、オリコカード、など でした。
 あくまでも以前に私が調べた限りですので、参考程度に。 実際の利用では再度ご確認を。

(注)楽天カードについては、これまで「月間利用合計額」で計算されていましたが、2023年11月請求分から、計算方法を変更するとの発表がありました。楽天カードは月末締め(楽天市場利用分を除く)ですので、10月利用分から「利用の都度計算」に変更(改悪)されます。
 (楽天カードからのお知らせ

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