スマホ決済(コード決済)
  ~代表的な4つの決済を使ってみて~

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photo by Christiann Koepke

 これまで私は、電子マネーやスマホ決済(コード決済)はおろか、クレジットカードもできるだけ使わない、という主義でした。
 しかし、前回のマイナポイントのキャンペーンで止む無くpaypayを使いだしてから、スマホ決済を含む、キャッシュレス決済が何と便利かつお得、ということに気づき、色々使いだしました。

 今回は、まず、スマホ決済の代表格、paypayd払いauPAY楽天ペイ について、大まかな違いを整理してみました。
 一見似ているようで、使い勝手などに結構な違いがあります。

 なお、スマホ決済ではそれぞれポイントが貯まりますが、それぞれのポイントの使い勝手については別の記事にしましたので、こちらもぜひ参考にしてみて下さい。

 また、2022年12月にauPAYが大きく改悪されましたが、その対応策について記事にしていますので、参考にご覧ください。

(2023.6.22)ニュース等でも取り上げられているようにpaypay2025年1月から大きく仕様変更し、他社クレジットカードの紐づけができなくなる見込みです。すでに紐づいているカードも解除されます。まだ先の話ですが、これが実施されれば、大きく使い勝手が下がります。(こちらの公式ページの説明を参照)

前提

 ・対象は、paypayd払いauPAY楽天ペイ の4つ
 ・携帯、スマホのキャリアとの契約は考慮しない
 ・ポイントアッププログラムの類(利用履歴に応じたランクアップなどの仕組み)も考慮しない
 ・細かな部分は省略し、できるだけ基本的なところ中心に整理(したつもり)
  おおよその違いをざっくり理解いただければ、というイメージです。

 また、スマホ決済の仕組みやポイントの付与条件などは頻繁に改訂されます。
 気づいた時点でできるだけ更新は行いますが、ルールもかなり複雑で、気づかない点や勘違いしている点も多々あるかも知れません。
 現時点で私が理解している範囲と言う点はご了承ください。

全体の概要

各スマホ決済の概要を項目ごとに表にしてみました。こんな感じ。



以下、各視点ごとにざっと比較してみます。

チャージして支払う

現金・銀行口座によるチャージ

 どのスマホ決済も、現金でのチャージに対応しています。
 ただし、対応している銀行、ATM、レジ等には若干違いがあります。

 銀行からのチャージですが、
 楽天ペイは、チャージできるのは、楽天銀行のみです。
 paypayd払いauPAY は複数の銀行に対応しています。具体的にどの銀行に対応しているかは、それぞれで様々な感じです。(詳しくは各公式HPで確認下さい)。
 ちなみに、銀行の登録には、アプリで一度本人確認の手続きをしておく必要があります。

 また、どのスマホ決済も、セブン銀行などコンビニのATMなどからもチャージすることができます。
 少しずつ違いがありますが、詳細は全体概要でお示した一覧表をご覧ください。

 現金・銀行口座によるチャージは手数料は無料ですが、チャージによるポイント付与も無し、です。
 チャージした分から支払う(残高払い)際に0.5%(楽天ペイのみ1%)のポイントを貰えます。

クレジットカードによるチャージ

 楽天ペイは、楽天カードのみチャージ可能。
 paypayは、paypayカード(旧ヤフージャパンカードを含む)のみチャージ可能。(paypayあと払いという方法でもチャージ可能ですが、実質的にpaypayカードからのチャージと同じです)
 auPAYは、次に説明する「クレカ払い」に対応していない代わりに、多くのクレジットカードからチャージできます(ブランドにより対応、非対応の差はあります)。ただし、2023.4.1から、auPAYカード以外のクレカからチャージする場合の上限が5万円/月に引き下げられました。
 d払いは、そもそもクレジットカードからチャージできません

 ポイントの付与については、別項目でも触れますが、paypayは、クレカ(paypayカード)からチャージしてもチャージ分のポイントは 付きません。残高払いした際にポイント(基本還元率は0.5%)がもらえるだけです。paypayステップの条件を達成することで、0.5%の上乗せが可能ですが、ハードルは高いです。(paypayステップとは

 また、auPAYは、多くのクレカに対応していますが、チャージはできるけれどクレカのポイント付与対象外というクレカも沢山あります。この点もご注意を。

 楽天ペイは、楽天カードからのチャージで0.5%の還元、楽天ペイの利用で+1.0%の還元です。

クレジットカード払い

 紐づけしたクレジットカードから決済した金額が引き落とされる決済方法です。
 ポイント付与についても、各カード会社からカード利用に対応したポイントがもらえます。
 つまり、クレジットカードをそのまま使うのと同じです。
 スマホ決済には対応しているけど、クレカは非対応というような店舗で重宝します。

 paypayは、VISAとMastercardにのみ対応しています。
 (2023年8月1日から他社クレジットカードによるクレカ払いが利用できなくなります。)
 d払い楽天ペイは、VISA、Mastercard、JCB、AmericanExpress いずれにも対応しています。 
 au PAYは、クレジットカード払いができません
 基本的にチャージして支払うというスタイルです。

 また、paypayには、クレカ払いとは別に「paypayあと払い」という方法があります。
 実質的にpaypayカードによるクレカ払いと同じです。(「paypayあと払い」とは
 paypayカードは新規にクレカ払いに設定することはできず、paypayカードを支払い元にしたい場合にはpaypayあと払いを利用するという形になります。(こちらのpaypayカードのQ&Aを参照)
 paypayあと払いで支払うとpaypayカードの引き落とし口座から引き落とされます。

 なお、2023年8月から、「PayPayあと払い」の名称が無くなり、「PayPayカード」や「クレジット」というような表記になるようですね。もともと実質的にPayPayカードと同じでしたから、その方がややこしくないと思いますが...。

 ちなみに、楽天ペイは、支払い元のクレジットカードの削除のアプリには見当たりませんが、「お支払元の設定」「新しいカードの登録」と進んで、会員情報の管理内の「お支払い方法」の管理から、追加も削除も行えます。非常に分かりにくいですね。

ポイント還元率

 2022年から各社で行われたルール改訂により、高還元を狙うのは難しくなりました。容易に1.5%の還元が得られるのは、楽天ペイ(楽天カードが必要)だけとなりました。ただし、その楽天も対象外店舗が増えてきました。
 順番に見ていきます。

 paypayについては、paypayあと払いを利用し、さらにpaypayステップの条件をクリアすれば、1.5%還元になりますが、条件クリアのハードルは高いです。
 papayカードを使ってチャージしてもチャージ分のポイントはつかないので、残高払いでのポイントのみ(基本元率0.5%)となります。paypayあと払いで支払った場合には1.0%の還元率となり、paypayのヘビーユーザーでなければ、ここまでです。
 また、ポイントの計算方法も会計毎に200円につき1%という形に変更になるので、ポイントの取りこぼしも多くなりそうです。(こちらのpaypayからのお知らせを参照)

 このため、他社の高還元率クレジットカードがある場合はそのクレカの還元をもらった方が有利になります。(ただし、2025年1月からは他社クレカを利用した決済ができなくなります。)

 
 d払いは、クレカ払いでdカードを支払元にすることで1.0%還元(基本0.5%+アップ分0.5%)となります。
(2022年12月10日からdカードを紐づけたクレカ払いのポイント還元率が引き下げられています。詳しくはこちら

 dカードそのものの還元率は1%で、一見するとd払いでdカードを使っても同じに見えますが、dカード単体で使うと100円ごとに1ポイントの計算、d払いだと200円ごとに2ポイントの計算になるので、dカード単体で使った方がポイントの面ではお得です。
(このあたりのポイント計算の損得については、こちらの記事も参考にしてください。)

 また、dカード以外のクレカでクレカ払いすると、d払いのポイント還元対象外となり、クレカのポイントのみとなります。

  
 auPAYは、還元率1.0%のクレカからチャージして支払うことで1.5%還元となりますが、auPAYにチャージして1.0%以上の還元が得られるクレカは多くありません。

 2022年12月1日からauPAYカードからauPAYへのチャージでポイントが付与されなったため、auPAYカードでチャージしても、支払いによる0.5%の還元のみになります。(こちらのauPAYカードのお知らせを参照)

 対応策としてauPAY以外のカードからチャージするという方法が考えられます。
 ただし、auPAYにチャージはできるけれどもポイント付与の対象外というカードも結構あるのでご注意を(例えば楽天カード、リクルートカードなどはチャージはできますが、それぞれ楽天ポイント、リクルートポイントは付与されません)。
 具多的な対応策については、こちらの記事にまとめましたので、ご覧ください。
 また、2023.4.1からauPAYカード以外のクレカからのチャージ上限が5万円/月となり、さらに使い勝手が悪くなりました。


 楽天ペイは、クレカ払いでなく、楽天カードでチャージして支払うことで1.5%還元となります。
 また、d払いと同じく、他社クレジットカードを紐づけてのクレカ払いもできます。ポイント還元もd払いと同じくクレカのポイントのみです。
 ただし、auPAY、d払い、paypayの改悪を受けて楽天ペイがどうなるかは不明です。楽天だけが1.5%還元を維持するとは考えにくいですが。  ただ、PayPayの改悪発表がかなり不評だったので、逆に攻めてくるか。

 なお、楽天ペイは、ポイント付与対象外店舗がかなり多い点は注意が必要です。

 楽天ペイでの支払いで1.0%のポイント付与というのがキャンペーンの扱いで、対象外店舗ではこの1.0%が付与されませんから、楽天カードによるチャージの0.5%還元となってしまいます。

 ブランドによって特定の店舗だけが対象外の場合と、すべての店舗で対象がの場合があります。例えば、メジャーなところでは、DAISOは全店でポイント付与対象外のようですね。
 JR東日本グループの店舗(駅構内の売店、飲食店など)は、他のコード決済でもポイント付与対象外になっていますが、楽天ペイの場合は対象が非常に多いという点に注意しましょう。決済できたとしてもポイントがその分のポイントは付与されませんから。

支払い方法の組合せとポイント利用

 楽天ペイは、クレカ払い、残高(キャッシュ)払い、ポイント利用を組み合わせて利用できます。
 ただし、クレカ払いで、キャッシュやポイントを利用する場合は、数量を指定できますが、残高(キャッシュ)払いでポイントを理由する場合は、利用するポイント数を指定できないなど、一定制約はあります。

 d払いは、クレカ払いでも残高払いでもポイントの利用ができます。
2023年8月28日のアプリのアップデートにより、1ポイント単位で利用ポイントが設定できるようになりました。docomoからのお知らせ
 ただし、クレカ払いと残高を組み合わせることはできません。

 auPAYは、支払い方法が残高払いのみなので、ポイントも残高にチャージして使うという形です。
 シンプルです。さらに、100ポイント以上であれば1ポイント単位でのチャージできるように改善されました。(auPAYのお知らせを参照)

 paypayは、これまでポイントの併用が困難でした。paypayポイントはポイントという名称になりましたが(以前はボーナスという名称)、残高の一種という扱いでした。
 しかしながら、2023年12月上旬からクレジット(旧あと払い)とポイントを併用することが可能になるとのことです。(PayPayのプレスリリース
 これによって、多少使い勝手は良くなると思いますが、利用するポイント数の指定などはできなさそうです。

 各ポイントの利用に関しては、こちらの記事も参考にしてください。

現金の払い出し

 どのスマホ決済も現金(銀行口座やATMから)をしたチャージ残高は銀行口座やセブンイレブンATMから払い出すことができるのですが、色々制限があったり、手数料がかかったりします。
 ただ、paypayマネー(本人確認済みでチャージした現金)をpaypay銀行へ払い出す場合や、auPAYにチャージした現金を「自動払出」auじぶん銀行に払い出す場合は手数料は無料です。

 また、au PAYの場合、入金した現金の残高だけでなく、Pontaポイントを残高にチャージしてこれをauじぶん銀行に払い出すこともできます。
 チャージしたPontaポイントをコンビニのATMから払い出すことも可能ですが(auPAYのお知らせ)、コンビニATMからの出金には手数料が220円必要です。

利用可能店舗

 利用可能な店舗は、公式の発表を比べた限りでは、楽天が一番多く、あとは横並びということのようですが(ただ、公表されているデータが古いですし、具体的な数え方も不明なので単純には比較できなです)、実感としては、paypayが使える店舗が一番多く感じます。
 スマホ決済が使えるお店でpaypayが使えないというところは、あまり記憶にありません。現金か若しくはpaypay、というお店はよく見かける気がします。

使い勝手がよい、お得なのは、どのスマホ決済か?

 結論は、身も蓋もありませんが、その人の使い方、環境による、ということになります。

 どのスマホ決済も関連サービス(クレカやスマホなどのキャリア契約など)を使う方が有利になります。
 また、しばしば各社で行われるキャンペーンは、関連サービス(携帯キャリアやクレカ)の契約・利用の有無でキャンペーン対象になるかどうか、特典の差などがあることも多いです
 関連サービスの利用も含めて整理すると収拾がつかなくなるので、今回はその点は考慮しませんでしたが、実際の利用ではそこも含めて考える必要があります。

 また、何を重視するかにもよります。
 ポイント還元は別に重視しないので、便利に使いたいというだけなら、おそらく利用店舗が一番多いであろうpaypayか、もしくは自分が良く行く店舗で使える決済と言うことなると思います。

 で、MVNO(格安sim)を使い、dカードを持っていない(auPAYカード、楽天カードは持ってる)、auじぶん銀行に口座のある、私の場合は、4つを以下のように使い分けています。

 その時々のキャンペーンやクーポンなどを見て、お得に使えるものがあればそれを使う。
 期間限定ポイントがあって早く使いたい場合は、そのポイントを消化できる決済を使う。
 何もなければ、あおぞら銀行の6%還元のキャンペーン中(7月末まで)は、d払い又はpaypayであおぞら銀行のVisaデビットカードを使う。
という感じでしょうか。(2023年7月のあおぞら銀行キャンペーン終了後どうするかは、現在思案中。)

 d払いやpaypayが使えない店舗では、Visa LINE Pay プリペイドカードを使います。タッチ決済で2%のポイント還元です。実際に使ってみてどうなのか、記事にしましたので、こちらもご覧ください。
 ただこちらも、ニュースによれば、LINEポイントがpaypayポイントに統合される予定なので、近いうちに改悪されそうな気がしますが。

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