ポイントのお得な使い方と注意点

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UnsplashのErik Mcleanが撮影した写真

 以前、各共通ポイントの使い勝手の違いについて記事にしましたが、今回は、使いやすいかどうかはさておき、「お得」という観点に絞って、ポイントの使い方について整理してみました。

 ポイントをどう貯めるのか、と言うことに注目されがちですが、どう使うのかということも一度考えてみてはどうでしょうか。どんな使い方があるのか、ざっと見ていきましょう。
 まとめで特にお得な使い方3つをあげました。

 あまり細かいところまで入り込むと記事が長くなり、分からなくなってしまいそうなので、今回は全体を概括するような内容としました。


 2024.3.7 ウエルシアがWAON POINT中心のサービスに移行するとのことです。Tポイントを利用したウエル活が2024年8月で終了します。詳しくは本文の該当箇所をご覧ください。


あまりお得ではない使い方

 最初はあまりお得ではない使い方から。

提携店舗での支払い

 ポイント利用ができる店舗で何か商品を購入した際に、代金の一部または全部をポイントで支払う、と言う方法です。(後ほど説明するいわゆる「ウエル活」などは別です)

 一般的な利用方法ですが、商品の購入代金をポイントではなくクレジットカードなどで払えば、支払った分にポイントが付与されるところ、その機会を捨てることになります。
 例えば、1,000円の商品を還元率1%のクレジットカードで支払えば、10円分のポイントを獲得できますが、全額ポイントで支払うと得られるポイントはゼロです。僅かな差かもしれませんが、その分損することには違いありません。

 もちろん直接商品購入などに充てるしかないポイントもあります。
 その店舗のみで発行している独自ポイントなどの多くはそうでしょう。
 また、例えば、AmazonポイントもAmazon内での商品購入にしか利用できません。
 こうしたポイントは、それ以外に利用しようがないので、仕方ありません。

 ちなみに、楽天市場での買い物の場合は、ポイントを利用したときも、1%のポイントが付与されます(楽天市場のQ&A)が、楽天カードを利用した分の特典(ポイントの上乗せ)はありません(楽天市場のQ&A)。ですので、楽天市場の買い物でもポイントを利用するのではなく、楽天カードを利用した方がお得です。
 楽天ポイントは、期間限定ポイントを除き、後に説明するカード代金の支払いに充当するのが無難です。

電子マネー、コード決裁などで利用

 ポイントを電子マネーやコード決裁などの残高にチャージしたり、コード決裁の設定でポイント利用したりという使い方です。この方法も、お得という点ではあまり得ではないということになります。
 この方法のおすすめは、期間限定の楽天ポイントくらいでしょうか。

 例えば、PontaポイントはauPAY残高にチャージできますし、auPAYでの支払いで0.5%のポイントが付くので、購入代金にポイントを当てるよりはましですが、auPAYにチャージしてポイントの付くクレジットカードがあれば、それでチャージした方がチャージ分のポイントも貰えるのでその方がお得です。

 PayPayポイントは、はなから残高扱いなので、コード決裁のPayPayで利用するしかありません。
 2023年12月6日からクレジット(旧あと払い)とポイントが併用できるようになり(PayPayからのお知らせ)、以前よりは使いやすくなったと思いますが、ポイント還元率としては、ポイント利用分は以前と同じ0.5%です。

 dポイントも、d払いで利用できますが、ポイントで支払った分は差し引かれて残りの金額に対してポイントが付与されるので、d払いでポイントを利用するのはお得とは言えません。

 LINEポイントも、LINE PayやVisa LINE Payプリペイドカードで使えますが、d払いと同じくその分はポイント付与の計算からは除外されます。LINEポイントは、PayPayポイントに交換できるので、その方がまだ良さそうです。

 楽天ポイントは、楽天ペイで利用すると1%のポイントが付与されますが、楽天カードでチャージするか、楽天ギフトカードでチャージする方がさらにポイントの上乗せができるので、楽天ペイでの利用はお得なポイントの使い方ではありません。
 ただし、5と0のつく日に限っては、楽天ペイでのポイント払いが+1%となる「ポイント払いの日」なので、この場合はありかと思います。(ただし、2024年1月のキャンペーンをもって終了です。
 また、期間限定ポイントは、あまり良い使い方が無いので、期間限定ポイントだけは楽天ペイで使うのが良いと思います。
 利用ポイントを指定すれば、期間限定ポイントから優先して使ってくれます。

 WAON POINTは、電子マネーWAONにチャージして使うことができ、イオングループの店舗であれば1%のポイント還元を受けられますが、イオンカードセレクトでオートチャージすれば、さらに0.5%のポイント還元がありますので、それに比べるとお得度は今一つ。

 Vポイントは、Vポイントアプリにチャージして使うことで、Visaのタッチ決裁やiD決裁で使えますが、やはり代金をポイントで支払うのと同じで、あまりお得とは言えません。

ポイントの価値を高めて使う

 お得という点で言えば、かなりお得な方法です。あまり汎用性はありません(入手できる商品や利用できる場所が限定されます)が。
 ある条件のもとで、ポイントの価値を高めて商品を購入する方法です。

 例えば、通常1ポイント=1円の価値で使えるのが、特定の日や特定サービスに限り、1円以上の価値で使える場合です。マイルで航空券を購入したり、いわゆる「ウエル活」などがこれに当たります。有名どころでは以下のようなものがあります。

マイルで航空券を購入

 飛行機を利用される方に限りますが、かなりお得な利用方法です。

 JALマイルANAマイルで「特別航空券」を購入すると、普通に購入するよりも安く買うことができます。
 具体的には、シーズンや行き先などによって変動するので明確には言えませんが、おおよそ1マイル=2~5円相当の価値になると言われています。

 マイルを直接貯めていない場合でも、JALマイルやANAマイルは、様々なポイントから交換できますし、直接交換できない場合も、他のポイントに一旦交換してこれを経由することで交換できる場合もあります。

 ただし、多くの場合、JALマイルやANAマイルへの交換レートは、1対1ではなく、30%から50%、高くても70%という感じなので、交換の際には目減りしてしまいます。
 ですので、この辺の所も加味して、交換の是非、交換ルートなども考えましょう。

 なお、マイルから他のポイントや電子マネーに等価交換できたりしますが、航空券に利用するのに比べるとお得はありませんので、使い道としてはマイルの有効期限が迫っていて飛行機に乗る予定もないという場合だけでしょう。

ウエル活

 ドラッグストアのウエルシアで、毎月20日にポイントを利用すると、1.5倍の価値で使えるというものです。最低200ポイント以上の利用からになります。
 例えば、200ポイントなら300円のものが買えるということになります。ですので、割引で言うと約33%引きです。

 Tポイントに加えて、WAON POINTも同じように使えます。
 なお、使えるのはどちらか一方のポイントのみです。両方のポイントを組み合わせて使うことはできません。

 ただし、ドラッグストアの商品は、グループあるいは店舗によって大きく値段が違う場合があるので、無理に何でもかんでもウエルシアで買うというのはどうかと思いますが。

 ちなみに、買い物をしたときに貯まるポイントも、Tポイント、WAON POINT ダブルで貯まります。(ダブルで貯めるためにはウエルシアでの会員登録が必要)

 2024年5月1日からウエルシアのポイントサービスが大きく変更になります。
 公式ページに大きく書いていますように、「WAON POINT中心のサービスに移行します」。
 具体的には、普段の買い物でのポイント還元率が、WAON POINTは還元率1%のままですが、Tポイント(Vポイント)は0.5%になります。
 また、ポイント2倍デーなどでもらえるボーナスポイントはWAON POINTのみとなります。
 2024年9月からは、毎月20日のお客様感謝デーでも、Tポイント(Vポイント)は使えなくなり、WAON POINTのみとなります

 なお、今のところTポイント(Vポイント)からWAON POINTへ等価交換することができますが、これがいつまでの続くのかは不明です。

 ちなみに、同じ読みでカタカナの「WAONポイント」というものがあります。同じくイオン系列のポイントサービスですが、使い方・貯まり方が少し違います。
 また他社ポイントから「WAONポイント」へ交換するルートはありますが、「WAON POINT」へ交換できるルートはほとんどありません。同じ発音なのに異なるポイント、ホントにややこしいです。

auPAYマーケット

 通常のPontaポイントをポイント交換所でauPAYマーケット限定ポイントに交換することで、1.5倍まで増やすことができます。

 ただし、「auスマートパスプレミアム」という有料の会員であり、かつ、前月にauPAYマーケットで合計1,000円以上の買い物をした場合が1.5倍の対象です。
 有料会員というだけでは1.2倍、有料会員でなければ1.1倍というレートになります。

(2024.4.26)2024年7月1日から、ポイント交換のルールが変わります。スマプレ会員かどうかだけでなく、au、UQモバイルの契約者かどうか、auPAYカード(ゴールド)を持っているかどうか、という条件の組合せで1.5倍になるかどうか交換上限いくらまでか、が決まります。
 詳しくは、こちら「お得なポイント交換所 条件変更のお知らせ」を参照ください。

 auスマートパスプレミアムは、Amazonプライムのau版という感じでしょうか。auの通信契約は関係なく、月額税込548円で誰でも入会できます。

 auPAYマーケットは、品ぞろえ価格など全体的に見て、やはりAmazonや楽天市場などには見劣りする気がします。あくまで私が利用した感覚ですが。
 ただ、一度買い物をすると、割引クーポンをちょいちょい送ってくるので、それ込みで考えると、自分がいつも買う商品が安く手に入るのであれば、auPAYマーケットを利用するのも悪くはないと思います。

ポン活など

 ローソンでは、ポイントで交換できる「お試し引換券」を利用すると、対象の商品について通常価格に比べて、3割から4割引き以上で商品を手に入れることができます。アプリまたはローソン店内のLoppiを利用します。「ポン活」と言いますが、Pontaポイントだけでなくdポイントも使えます。

 ただし、対象の商品は毎月変わり、種類も多くありませんし、数にも限りがあります。さらに、引換券は手に入っても対象商品自体がその店舗に無いという場合もあります。

 また、ファミリーマートでも同様のものとして「お試しクーポン」というのがあります。一時期無くなっていましたが、また復活したようです(2023.10)。

 こちらも、対象は限られたの商品になりますが、安く手に入り、ファミペイで連携しているポイントであれば、Tポイントdポイント楽天ポイント、いずれも使えます。

 ということで、いずれも期間限定ポイントが使えるのはメリットですが、機会があればやってみるのも良い、くらいでしょうか。

現金化など

 ポイントを現金化する、あるいは実質的に現金化に相当する使い方をするものです。

現金化

 ポイントを現金化することで、汎用性は高まりますし、ポイントの有効期限も関係無くなります。
 使い方が自由になります。その現金をポイント還元率の高い、有利な支払方法に充てれば、お得にもなります。
 ただし、お得度だけで言えば、マイルで航空機利用やウエル活などには及ばないでしょうけれど。

 ポイントの現金化する方法については、こちらの過去記事を参照ください。

 また、過去記事でも書いているように、現金化には特定の証券会社や銀行の口座が必要ですし、わずかとは言え一定のコストやリスクを伴うものがほとんどです(その時の相場によっては損をぜずにかえって得をするという場合もありますが)。
 現金に確実に等価交換できるのはPontaポイントくらいです。
 (TポイントもJRキューポ経由でPontaポイントに交換できます)

 その辺りも含めて、現金化するのがよいか考える必要があります。

クレジットカードの代金に充当

 現金化の過去記事でも「実質現金化」ということで触れていますが、等価交換した現金と同じ価値となります。

 つまり、クレジットカードの代金は、銀行からの引落としとなりますので、本来は現金を使わざる得ないところをポイントで払うことによって、その分現金が浮いてくる、つまり現金化相当ということです。

 そう考えると、無理に現金化するよりは、こちらの方が目減りするリスクも無く確実とも言えます。

 ただし、すべてのクレジットカードでこの方法が出来るわけではありません
 例えば、楽天カード三井住友カードなどは可能ですが、dカードはiD利用分のみ可能、PayPayカードなどはできません。
 イオンカードは最近になって利用できるようになったようです。(イオンカードのFAQ

 ちなみに、楽天カードは充当手続きができる日程が決まっており、請求されているカード利用分に充てるようなイメージ(期間限定ポイントは使えません)ですが、三井住友カードの場合は先に充当するポイントの設定をしておき、あとからカード利用分に当てられていくようなイメージです。

投資に使う

 投資をされている方が対象になりますが、貯まったポイントを投資に回すという方法です。
 投資した商品をすぐに売却して現金化するのではなく、そのまま投資するというものです。

 現金で投資する代わりにポイントを使うという点では、現金化と同じ価値とも言えますが、投資に興味がないのであれば、無理に投資する必要はないので、あまり得した感じはしないでしょう。

 逆に言うと、投資をしている人ならば、有効な使い方かも知れません。
 特にPayPayポイントは、PayPay資産運用で「つみたて還元プログラム」を利用すれば、0.5%のポイント還元があるので、ポイントの利用方法としては他の証券会社よりも有利ですが、注意点もあります。

 PayPay資産運用については、こちらの記事も参考にして下さい。


 どのポイントがどのサービス、証券会社で利用できるかは、ある程度限られていますが、ポイントを投資で利用する方法は、大きく2種類になります。一つは、現金の代わりに投資商品(株や投資信託など)を購入する方法、もう一つはポイントのまま運用するという方法です。

 前者は、多くの投資対象(商品)を選ぶことができ、現金と併用できるなどのメリットがありますが、運用益が出た場合には課税されます。

 後者は、選べる投資対象(商品)がかなり限定されますが、一方で証券口座が必要ない、運用でポイントが増えてもポイントなので課税されない、というメリットがあります。

 現金化の過去記事でも少し触れていますので、参考にご覧ください。

他社ポイントに交換

 最終的な出口、利用方法からは外れますが、場合によっては他社ポイントに交換する方が、使いやすい、お得、ということもあります。

 特に、キャンペーンなどで交換時にポイントが増量されるという場合もあるので、そうしたものは狙い目です。

 例えば、dポイントについては、ここ数年、年に2回ほど、他社からのポイント交換で10~15%増量というキャンペーンが行われています。
 ポイ活界隈では、これに備えてポイントを貯めているという方も多いようです。

(2024.4.13) 2024年2月14日から、セゾンの永久不滅ポイントからdポイントへの交換レートが下がってしまいました。セゾンカードからのお知らせ
 これまでポイ活界隈では、様々なポイントを永久不滅ポイントに交換・集約し、dポイントの交換増量キャンペーンを待って増量を狙うという手法を活用する方が多かったようですが、今後どういうルートで交換するか。
 一応、永久不滅ポイント → JRキューポ → Gポイント → リクルートポイント → dポイント というルートを辿ることで、目減りさせずに交換が可能なようですが、かなり手間も日数もかかりそうです。

 なお、増量対象となる交換元のポイントの種類は結構あるのですが、毎回すべて同じというわけではありません。ポイントによっては、前回は増量対象だったのに今回は違う、という場合もあるので、御注意下さい。

まとめ

 お得という点で、使い方をまとめると

 飛行機を利用するなら、JALマイルやANAマイルで(もしくはこれらに交換して)特別航空券を購入する。

 ウエルシアをよく利用し、T(V)ポイント(2024年8月まで)やWAON POINT、もしくはこれらに交換できるポイントがあるならウエル活。(PontaポイントならauPAYマーケットもあり?)

 汎用性を求めるなら、dポイントの増量キャンペーン今後の動向は不安ですが)を狙って、ポイントを貯めておき(ポイントの交換ルートは考えておく必要がありますが)、dポイントに交換後は現金化。(増量分があるので、多少のコストは我慢)

 というのが特にお得な利用方法になるかと思います。こうした使い方ができるポイントへの交換ルートに乗らないポイントもあるので、その点はご注意を。

 見方を変えて、メジャーなポイントの種類別でざっと見てみると
 PayPayポイント、LINEポイントを除き、下に示したポイントは直接間接含め、どれもマイルへ交換が可能ですがこれを除いた使い方としては、

 楽天ポイントは、楽天カード利用分への充当。5と0のつく日や期間限定ポイントは、楽天ペイで利用。
 dポイントは、やはり現金化でしょうか、面倒ならお得ではありませんが、提携店舗もしくはd払いでの利用。
 Pontaポイントは、現金化が簡単です。ポン活で欲しいものがあれば別ですが。
 T(V)ポイントは、ウエル活(2024年8月まで)、または少々手間がかかりますが、dポイントへの交換ルートにのせる、もしくはPontaポイント経由で現金化 など、三井住友カードの利用代金に充当することもできます。
 WAON POINTは、Tポイントと同様の使い方。もしくはイオンカードの支払いに充当もできます。
 PayPayポイントは、PayPayで利用するのが手っ取り早いですが、もしくはPayPay資産運用を利用して現金化するか、投資に回すか。
 LINEポイントも、LINE PayまたはLINE内でのサービスに使うか、PayPayポイントに交換するかしありません。LINE Payで使うとその分ポイント付与対象外になるので、PayPayに交換して利用する方がまだ良さそうではあります。
 いずれにしても、Visa LINE Payプリペイドカードは、ポイントを貯めるという点では簡単に2%還元が得られて優秀なのですが、ポイント利用の面が弱いのが残念です。

 以上ですが、
 使い勝手という観点で言うとどうなのか、と言うことについては、こちらの過去記事を参考にしてください。

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