「paypay資産運用」~ポイント現金化も可能?~

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 2023年4月8日から、paypay証券のサービスの一つ「paypay資産運用」において、paypayポイントを使ってETFや投資信託の買付けができるようになりました。(プレスリリース
 paypayポイントで、これまでの「ポイント運用」に加えて、「ポイント投資」ができるようになったということです。
ポイントの現金化全般についてや、「ポイント運用」と「ポイント投資」違いなどについては、こちらの過去記事もご参照ください。)

 これによって、これまで私が散々「使い勝手が悪い」と言ってきたpaypayポイント現金化の道が開けるのでしょうか。少し調べてみました。


 実際にPayPay資産運用でPayPayポイントを現金化してみました。
 こちらの記事もあわせてご覧ください。


(2023.9.5)2023年9月4日から、PayPay資産運用において「つみたて還元プログラム」というキャンペーンがはじまりましたので、追記しました。
(2023.10.17)さらに、残高だけでなく、クレジット(旧あと払い)でも積み立てのできる「クレジットつみたて」も始まりました。クレジットカードで投信積立のできる他社サービスに相当するものです。
(2023.12.28)新NISAの取り扱い開始を受けて、2023年12月30日から取り扱い銘柄が大幅に追加されました。この中には国内債券を対象とした投資信託も含まれています。

なぜpaypayポイントは使い勝手が悪いか

 私が「paypayポイントは使い勝手が悪い」と考える(あくまで私個人の考え方ですが)その理由ですが、一言で言うと、paypay残高の一部という扱いだから(下で説明するように2023年12月6日からは少し状況が変わりますが)、ということに尽きます。
 PayPay残高はいくつかの種類に分かれますが、詳しくはこちらをご覧ください。

 paypay残高の一部であるがために、他の共通ポイントのようにポイント加盟店で使うという使い方ができません。すなわち、paypay以外の支払い手段と組み合わせることができません
 マイルに交換したり、ウエル活のようなお得な利用方法で使うということもできません。

 ただし、これまでは、paypayで利用する場合も「残高払い」以外の方法では使えませんでしたが、2023年12月6日からクレジット(旧あと払い)とポイントを併用することが可能になるとのことです。(PayPayからのお知らせ
 これによって、多少使い勝手は良くなると思いますが、利用するポイント数の指定などはできなさそうです。

(ちなみに、これまでも、Yahoo!ショッピングについては、paypay残高とクレジットカードの併用が可能でした。こちらを参照ください。)

 このようなPayPayポイントですが、これまではポイントを現金化することも、クレカ利用の引き落とし額に充当するようなこともできませんでした。
 それがこの「PayPay資産運用」よって、現金が可能になりましたが、実際の使い勝手はどうでしょう。

「paypay資産運用」の概要

 「paypay資産運用」概要は、こちらの公式の紹介ページの通りです。

 「paypay証券アプリ」を利用するのではなく、「paypayアプリ」内から「paypay証券ミニアプリ」を利用します。ややこしいですが、注意してください。
 paypayアプリの機能一覧から「資産運用」というボタンをタップして開始します。

 「paypay証券アプリ」と「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」の違いについては、こちらの公式ページをご覧ください。

 「PayPay資産運用」の特長をいくつか挙げると、

・100円以上1円単位で取引できる
・24時間いつでも取引可能
・現金を証券口座に入金するのではなく、PayPayマネーを使って取引する
・PayPayポイントも利用できる
 (つまりPayPay残高のうち、PayPayマネーとPayPayポイントが利用できるということです)
・出金はPayPayマネーへのチャージとなる
・取引にかかる手数料はETFはスプレッド、投資信託は信託財産留保額などによる
・取り扱い銘柄が少なく(ETFが21、投資信託が21)、中身は海外の株式などが対象

PayPayポイントの現金化

 PayPayポイントを現金化する流れをざっと説明すると

1.「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」で適当なETF、株や投信信託を購入する
 PayPayポイントを「使う」設定にするのを忘れないように。
 銘柄は、レバレッジのかかったものなど値動きが激しいものは避けましょう。

2.購入した商品(ETF、株や投信信託)を売却する
 現金化が目的であれば、価格の変動リスクを小さくするため、できるだけ早く売却しましょう。
 ETFや株はリアルタイムで取引きできますが、投資信託の売却は翌営業日以降になります。

3.売却代金がPayPayマネーとしてPayPay残高にチャージされるので、これを銀行に払い出す
 PayPayアプリの下部にある「ウォレット」をタップして操作します。
 無料で払い出しできるのはPayPay銀行だけです。PayPay銀行以外の銀行に払い出す場合は、100円の手数料が必要ですので注意しましょう。
 なお、PayPay資産運用を利用したり、残高を銀行に払い出したりするには、事前に本人確認を済ませておく必要があります。
 具体的な手順はこちらをご覧ください。
 

注意点

 「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」を利用して現金化するにあたっての注意点は次のようなところです。

購入対象商品(投資信託)のリスクが高め

 「PayPay資産運用」は、普通の証券会社に比べ対象銘柄が非常に少なく(2023年12月30日にはかなり増加しますが)、特に投資信託は国内債券を対象としたような価格変動の少ない商品を選べません。また、海外の株式などを内容とする場合は、商品そのものの変動に加えて、為替リスクもあります。

 もちろん価格変動は、下落だけでなく上昇の可能性もあるので、損の可能性だけでなく儲かる可能性もあるのですが、ポイントの現金化が目的であれば、リスクは小さい方が良いです。

 ETFや株なら取引時間内であればリアルタイムで取引きできるので、うまく取引きすればリスクは抑えられますが、今度はコスト(手数料)が結構かかります。

(2023.11.28) 対象銘柄を確認していたら、以前よりもさらに増えていて、よく見てみると、日経225ETFと日経インバースETFが対象になっていました。これらは日経平均の値動きに対して相反する方向に動きます。つまり、両方を購入することで、価格変動のリスクを相殺することが可能です。ただし、多少の価格乖離はあります。
 日興フロッギーでdポイントを現金化する際にこの手法を実際に使っていますので、詳しくはこちらの記事を参照してください。

 PayPay資産運用ではやったことはありませんが、同じことができるのではないかと思います。

(2023.12.27)日興フロッギーと異なり、PayPay資産運用のETFは、リアルタイムで取引が可能です(むしろこちらが本来)。取引き時間内であれば、購入してすぐさま売却が可能です。ポイントを投資した場合も同じです。ですので、両建てする意味はありません

ETFや個別株の取引きコストが高め

 投資信託であれば、購入手数料は無料、銘柄を選べば売却手数料(信託財産留保額)もかかりませんが、リアルタイムで取引できないので、上記の通り価格変動リスクがあります。

 一方で、ETFや株は、リアルタイムでうまく取引きすれば、価格変動リスクは抑えられますが、今度はコスト(手数料)の問題がでてきます。

 例えば、米国ETFの手数料(スプレッド)は、買い、売りそれぞれで、日本時間23:30 ~ 6:00(夏時間:22:30 ~ 5:00)は0.5%、これ以外の時間帯の場合は0.7% です。
 日本ETFの場合は、立会時間内であれば0.5%、これ以外の時間帯は1.0%です。
 つまり、売り買いあわせて1%から最大2.0%の手数料がかかることになり、少々高めです。

スプレッド
 投資商品によって、手数料と言う形で別に取られるのではなく、売値と買値に差を設けてあり、それが実質的な手数料となる場合も多いです。PayPay資産運用のETFにおいても、提示される価格(売値、買値)と基準価格との間に上記のような差が設けられています。

PayPay銀行以外への払い出しには手数料が必要

 売却代金はPayPayマネーとして、PayPay残高にチャージされますが、これをPayPay銀行以外の銀行に払い出す場合には、100円の手数料が必要になります。
 普段からPayPay銀行を利用されている方なら問題ないのでしょうが、他の証券会社に比べて使い勝手は悪いです。

その他

 ポイントの現金化とは直接関係ありませんが、「PayPay資産運用」に使えるのは、PayPay残高のうちPayPayマネー、PayPayポイントです。PayPayライトマネーやPayPayボーナスライトは利用できません。
 つまり、PayPayカード、PayPayあと払いでチャージした残高は利用できないということです。

つみたて還元プログラム

 2023年9月4日から開始されたキャンペーンです。終了日未定のキャンペーンという扱いです。
 キャンペーンページはこちらです。

 内容は、PayPay資産運用において、投資信託のつみたてを行った場合に、0.5%のポイント還元がある、というものです。
 ポイント付与上限は250円ですので、5万円までの投資信託の購入が対象です。

 他の証券会社でクレジットカードによる積み立てでポイント還元というサービスがありますが、丁度それに似通っています。毎月5万円の投信積み立てで0.5%のポイント還元、というわけです。

 さらに、2023年10月16日からは、クレジット(旧あと払い)による積み立てもできるようになりました。クレジットつみたてという名称です。
 こちらは、ポイント還元率0.7%、上限5万円です。

 両方あわせて毎月10万円まで積み立てが可能です。

 ポイント還元率は、楽天証券(一般的な銘柄の場合)やSBI証券で一般カードで積み立てをする場合よりやや有利ですが、auカブコム証券やマネックス証券、楽天ギフトカードをお得に購入して楽天キャッシュにチャージした場合などには及びません。

 注意が必要なのは、「投資信託」「つみたて」が対象であるという点です。
 個別株やETFは対象外です。投資信託でもスポット購入は対象外です。積み立てが対象です。

最後に

 「注意点」で書いたように、投資信託は国内債券などの変動リスクの小さい商品が選べない(ただし、2023年12月30日から選べるようになります)、ETFや株はコストが高め、PayPay銀行以外の銀行への払い出しには手数料が必要です。
 ですが、日興フロッギーと同じように日経225と日経インバースのETFを利用すること価格変動リスクを抑えることができれば、手数料のコストを覚悟して、リアルタイムでうまく取引きすれば、現金化するメリットはそれなりにありそうです。
(今後は、国内債券投資信託を使っても良いかも知れません)

 一方で、普段の買い物でPayPayで使ってしまうのが簡単ではあります。2023年12月上旬から「クレジット(旧あと払い)」で併用できるようになったので、使い勝手もよくなりました。ただし、お得という面ではあまりお得な使い方ではありませんが。
(0.5%とは言え利用する際にポイント付与されるのはまだマシと言えますが、一番良いのは、カード利用分の支払いに充当できればお得なのですが、それはできない)

 そう考えてくると、無理にポイントを使ったり、現金化したりせず、適当な商品、例えば、VTやVTI、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式などに普通に投資しておくというもの一つです。(投資に興味があればですが)
 特に、PayPay資産運用で投信積立に利用すれば、「つみたて還元プログラム」で0.5%のポイント還元があるというのは、メリットです。

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