「paypay資産運用」~ポイント現金化も可能?~

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 2023年4月8日から、paypay証券のサービスの一つ「paypay資産運用」において、paypayポイントを使ってETFや投資信託の買付けができるようになりました。(プレスリリース
 paypayポイントで、これまでの「ポイント運用」に加えて、「ポイント投資」ができるようになったということです。
ポイントの現金化全般についてや、「ポイント運用」と「ポイント投資」違いなどについては、こちらの過去記事もご参照ください。)

 これによって、これまで私が散々「使い勝手が悪い」と言ってきたpaypayポイント現金化の道が開けるのでしょうか。少し調べてみました。
 結論としては、少しだけ使い道が広がったという感じでしょうか。

なぜpaypayポイントは使い勝手が悪いか

 私が「paypayポイントは使い勝手が悪い」と考える理由ですが、一言で言うと、paypay残高の一部という扱いだから、ということに尽きます。
 PayPay残高はいくつかの種類に分かれますが、詳しくはこちらをご覧ください。

 paypay残高の一部であるがために、他の共通ポイントのようにポイント加盟店で使うという使い方ができません。すなわち、paypay以外の支払い手段と組み合わせることができません

 また、paypayで利用する場合も「残高払い」以外の方法では使えません。paypayの「残高払い」は、あまりお得な支払い方法ではありません。残高へチャージしてもポイント付与がありませんので、もらえるポイントは基本還元率の0.5%だけです。
 還元率を上げるpaypayステップという仕組みもハードルが非常に高いです。

(ただし、Yahoo!ショッピングに限っては、paypay残高とクレジットカードの併用が可能ですので、Yahoo!ショッピングをよく利用されている方ならpaypayポイントも使い出があるでしょう。併用についてはこちらを参照ください。)

 さらに、これまではポイントを現金化することも、クレカ利用の引き落とし額に充当するようなこともできませんでした。

「paypay資産運用」の概要

 「paypay資産運用」概要は、こちらの公式の紹介ページの通りです。

 これまであったサービスである「paypay証券アプリ」を利用するのではなく、paypayアプリ内の「paypay証券ミニアプリ」を利用します。ややこしいですが、注意してください。
 paypayアプリの機能一覧から「資産運用」というボタンをタップして開始します。

 「paypay証券アプリ」と「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」の違いについては、こちらの公式ページをご覧ください。

 「PayPay資産運用」の特長をいくつか挙げると、

・100円以上1円単位で取引できる
・24時間いつでも取引可能
・現金を証券口座に入金するのではなく、PayPayマネーを使って取引する
・PayPayポイントも利用できる
 (つまりPayPay残高のうち、PayPayマネーとPayPayポイントが利用できるということです)
・出金はPayPayマネーへのチャージとなる
・取引にかかる手数料はETFはスプレッド、投資信託は信託財産留保額などによる
・取り扱い銘柄が少なく(ETFが17、投資信託が9)、中身は海外の株式などが対象

PayPayポイントの現金化

 PayPayポイントを現金化する流れをざっと説明すると

1.「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」で適当なETFや投信信託を購入する
 PayPayポイントを「使う」設定にするのを忘れないように。
 銘柄は、レバレッジのかかったものなど値動きが激しいものは避けましょう。

2.購入した商品(ETFや投信信託)を売却する
 現金化が目的であれば、価格の変動リスクを小さくするため、できるだけ早く売却しましょう。

3.売却代金がPayPayマネーとしてPayPay残高にチャージされるので、これを銀行に払い出す
 PayPayアプリの下部にある「ウォレット」をタップして操作します。
 PayPay銀行以外の銀行に払い出す場合は、100円の手数料が必要ですので注意しましょう。
 なお、払い出しを利用するには、事前に本人確認を済ませておく必要があります。
 具体的な手順はこちらをご覧ください。
 

注意点

 「PayPay資産運用(PayPay証券ミニアプリ)」を利用して現金化するにあたっての注意点は次のようなところです。

購入対象商品のリスクが高め

 「PayPay資産運用」は、対象銘柄が26と非常に少なく、国内債券を対象としたような価格変動の少ない商品を選べません。また、海外の株式などを内容とするので商品そのものの変動に加えて、為替リスクもあります。

 もちろん価格変動は、下落だけでなく上昇の可能性もあるので、損の可能性だけでなく儲かる可能性もあるのですが、ポイントの現金化が目的であれば、リスクは小さい方が良いです。

ETFのコストが高め

 ETFの手数料(スプレッド)ですが、買い、売りそれぞれで、日本時間23:30 ~ 6:00(夏時間:22:30 ~ 5:00)は0.5%、これ以外の時間帯の場合は0.7% です。
 つまり、売り買いあわせて1%から1.4%の手数料がかかることになり、少々高めです。

スプレッド
 投資商品によって、手数料と言う形で別に取られるのではなく、売値と買値に差を設けてあり、それが実質的な手数料となる場合も多いです。PayPay資産運用のETFにおいても、提示される価格(売値、買値)と基準価格との間に上記のような差が設けられています。

PayPay銀行以外への払い出しには手数料が必要

 売却代金はPayPayマネーとして、PayPay残高にチャージされますが、これをPayPay銀行以外の銀行に払い出す場合には、100円の手数料が必要になります。
 普段からPayPay銀行を利用されてい方なら問題ないのでしょうが、他の証券会社に比べて使い勝手は悪いです。

その他

 ポイントの現金化とは直接関係ありませんが、「PayPay資産運用」に使えるのは、PayPay残高のうちPayPayマネー、PayPayポイントです。PayPayライトマネーやPayPayボーナスライトは利用できません。
 つまり、PayPayカード、PayPayあと払いでチャージした残高やキャンペーンなどでもらった期間限定の残高は利用できないということです。

最後に

 「注意点」で書いたように、国内債券ETFなどの変動リスクの小さい商品が選べない、コストが高め、PayPay銀行以外の銀行への払い出しには手数料が必要、など日興フロッギーでdポイントを現金化する場合などと比べて注意する点があることを考えると、現金化するメリットがあるかどうか、よく考えた方が良いと思います。

 普段の買い物でPayPayで使ってしまうのが簡単なのですが、残高払いでしか使えない点は不満なところです。d払いや楽天ペイなどのように残高以外の払い方でもポイントが使えれば良いのに、と思います。若しくは、カード利用分の支払いに充当できれば。

 そう考えてくると、無理にポイントを使ったり、現金化したりせず、適当な商品、例えば、VTやVTI、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などに普通に投資しておくのが無難な気もします。
 (ちなみに、「PayPay資産運用」の投資対象のうち特にETFは「○○コース」という独自の名称で分かりにくいですが、プレスリリースの方を見れば具体的な中身がわかります。)

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