三菱UFJカードが2024年7月31日までの期間限定ですが、還元率「最大」19%というキャンペーンを行っています。
19%というと非常に大きな還元率ですが、「最大」とあるように19%を得るためには色々な条件がありますし、他のカードとはちょっと異なった仕組みだったり、注意点が色々ありますので、その辺りを紐解いてみました。
19%の内訳は、キャンペーンページによると「恒常特典(15%)と期間限定特典(4%)を合算した還元率」となっています。
今回のキャンペーン終了後も「恒常特典」とされている部分は継続する見通しですが、こちらの方がむしろ気をつけるべき点が多いので、内容をよく確認しましょう。
なお、今回のキャンペーン終了後に具体的にどのような形になるのかはあらためて告知がなされるようです。
ちなみに19%の内訳として、「いつものお店でポイント優遇」と「条件達成特典」という分類も出てきますが、これは「もれなく」なのか「条件達成」が必要なのかによる区分けです。
本稿では、どんな「条件」をクリアする必要があるのかがポイントなので、こちらの区分けを中心に解説します。
なお、キャンペーンの適用にはエントリーが必要で、エントリーは前半後半に分かれていますので、キャンペーンに参加される方はエントリーをお忘れなく。
キャンペーンページはこちらです。
三菱UFJカードの基本情報
年会費1,375円ですが、初年度無料で年1回以上の利用で次年度以降も無料、いわゆる「実質年会費無料」というカードです。
ポイント還元率は、通常利用で0.5%、さらにキャンペーン期間中は、対象店舗の利用でもれなく+5.0%、条件達成でさらに上乗せがあり合計で最大19%をうたっていますが、この辺りは後ほど詳しく説明します。
国際ブランドは4種類ともあり。 タッチ決裁にも対応しています。
また、公式のPRページでは、Apple Payへの対応は記載されていますが、Google Payについては記載がありません。ネットの情報ではGoogle Payにも対応しているようです。
ただし、ポイント上乗せの対象になるのは、通常のクレカ支払い、クレカのタッチ決裁、Apple Payでの利用、となっていますので、Google Payで使えたとしても上乗せは無く、ポイント還元は基本還元率の0.5%のみという可能性が高いので、メリットはなさそうです。
キャンペーン狙いなら、Android民はスマホではなく現物のカードで決済するのが確実です。
「対象となるご利用方法」についてはこちらのページ中段下寄りを参照ください。
いつものお店でポイント優遇(5.5%)
19%というポイント還元は、「いつものお店でポイント優遇」という5.5%のポイント還元に、「条件達成特典(最大13.5%)」という複数のポイント上乗せが合計されたものとなります。
(「条件達成特典」のうち一部が「期間限定特典」で、その他が「恒常特典」という扱いです。ややこしい。)
そこでまず、「いつものお店でポイント優遇」について見ていきます。
対象となる店舗は、セブンイレブン、ローソン、コカ・コーラ自販機、ピザハットオンライン、松屋、松のや、マイカリー食堂 です。
コカ・コーラは自販機、ピザハットはオンライン注文が対象、と言う点に注意です。
ポイントの計算方法に注意
ポイントの計算は、1か月の利用金額で計算されるのですが、1000円につき5.5%相当の還元、ということなので、1000円未満(例えば999円)では、ポイントの付与はありません。
1999円の利用では、1000円に対してポイント付与され、999円分は切り捨てられます。
そして、特に注意が必要なのが、「各社単位でのご利用金額に応じて」とされていることです。
これは、例えば、セブンイレブンとローソンの利用額は合算しない、セブンイレブンならセブンイレブンだけで1000円単位で計算されるということだと思います。
松屋、松のや、マイカリー食堂は同じ系列ですが、これらも合算されずに、個別に計算されます。
加えて、「また、各社においても各利用方法ごとのご利用金額に基づきポイント付与」と注書きがあります。これは、通常のクレカ利用、タッチ決裁、Apple Payでの利用がポイント付与対象なのですが、それぞれの方法ごとに利用額を集計をする、ということのようです。
一方で、このあと説明する「条件達成特典」については、利用額の集計は店舗ごとにされますが、利用方法が異なってもそれは合算されるようです。
さらに細かな計算ルールもあるようなので、公式ページでよくご確認ください。
ということなので、結構ポイントの取りこぼしが多そうです。
条件達成特典(最大13.5%)
次に、条件達成特典(最大13.5%)の内訳ですが、口座指定(4.0%)、利用金額に応じて(最大1.5%)、アプリへのログイン(0.5%)、「分割払い」or「楽Pay」(5.0%)、スマホでの支払い(0.5%)、携帯料金or電気料金(0.5%)、口座指定以外の条件4つ達成(1.5%) です。
ちなみに、こちらの「条件達成特典」については、項目によって対象店舗以外での利用も判定に含まれますが、ポイント還元の対象となるのはあくまで対象店舗での利用なので、いくら条件を達成していても対象店舗以外での利用で付与されるのは、基本還元率の0.5%だけと言う点に注意して下さい。
また、「条件達成特典」のポイント付与の計算方法は、Q&Aによると「各ご利用期間中の対象店舗ごとのご利用分を集計のうえ付与」とあります。この文面だけでは、どう計算されるのかどうもはっきりしませんが、Q&A全体の書き方をみると、どうやら店舗(各社)ごとで計算され、支払方法については合算される、ように読めます。
「いつものお店でポイント優遇」のように利用方法ごとにそれぞれ集計されるということは無いようです。
ともかく、各項目を順番に見ていきましょう。
口座指定(4.0%)
三菱UFJカードの引落し口座を三菱UFJ銀行にしていれば、条件達成です。
新規に設定しなくとも、すでに設定していてもOKです。
三菱UFJ銀行の口座を持っていれば、これは簡単です。
この特典だけが、2024年7月31日までの期間限定となっています。
利用金額に応じて(最大1.5%)
1か月の利用金額が、3万円、5万円、10万円となるにつれ、ポイント還元率が0.5%ずつ上乗せされる仕組みです。
利用期間中にひと月でもこれらの金額を超えればOKということです。
また、この利用金額の計算には、対象店舗以外の利用も合算されますが、ポイントの付与の計算は対象店舗のみの利用金額で計算されます。
アプリへのログイン(0.5%)
利用期間中にMUFGカードアプリへ1回以上ログインすればOKなので、これも簡単です。
「分割払い」or「楽Pay」(5.0%)
利用期間中に、カード利用分の支払いを3回以上の分割払いにする、1万円以上のリボ払いにする、もしくは「楽Pay」というサービス(リボ払いの一種)に登録する、いずれかを行うことで条件達成となります。
対象店舗以外での利用も対象になります。
ただし、分割払いやリボ払い、楽Payの利用には高額の手数料がかかります。やり方によって、手数料を払わないで済む方法もあるようです(楽Payは利用金額によってはそのような設定ができそうです)が、あまりこの辺にはあまり近づきたくないと思っていますので、個人的にはこの項目はパスです。
スマホでの支払い(0.5%)
利用期間中に、Apple Pay(QUICPay)、Apple StoreなどのAppleサービス、Google Play これらのいずれかについて1回以上売り上げが計上されている場合、条件達成となります。
iPhoneユーザーなら、対象店舗でApple Payを使って三菱UFJカードで決済すればそれでOKなのですが、Androidユーザーは、Google Payの利用ではダメなので、Google Playで何か購入(アプリ、書籍、動画など)しないといけないということですね。
携帯料金or電気料金(0.5%)
携帯料金もしくは電気料金を三菱UFJカードで支払うことで条件達成です。利用期間中に1回以上売り上げが計上されていればOKです。
ただし、対象となる携帯会社は、大手三社の本ブランド、サブブランドなどで、楽天は対象外ですしMVNOも対象外です。
電気料金も大手電力会社とauでんき、グローバルポイントでんきに限られています。
また、携帯料金や電気料金を三菱UFJカードで払ったとしても、対象店舗での支払い分のポイント還元率は上乗せされますが、携帯料金や電気料金の支払い分のポイント還元率は0.5%だけという点は注意して下さい。
この条件をクリアしてアップする還元率は0.5%なので、対象店舗での利用頻度によっては、手間と損得は考えた方が良いかもしれません。
口座指定以外の条件4つ達成(1.5%)
上記の、口座指定(4.0%)以外の条件5つのうち4つ以上をクリアすることで、1.5%がさらに上乗せされます、というものです。
Android民の私は、分割払い・リボ払いの条件をパスすると、4つ以上をクリアするのはちょっと難しいかも知れません。
ポイントの利用方法(利用法によって還元率が変わる)
この点も非常に重要な点です。
キャンペーンページの注書きにもあるとおり、ここで示されている19%や5.5%などのポイント還元率は、「1ポイント=5円相当の商品に交換した場合」です。何に交換するかによって1ポイントの価値が変わります。
三菱UFJカードで貯まるポイントは「グローバルポイント」というポイントです。
いわゆる共通ポイントである他社ポイント(dポイント、Pontaポイントなど)に交換できますが、その場合は交換レートが5円相当ではなく、4円や3円相当に下がります。
最低交換単位は200ポイントです。
飛行機を利用する人であれば、JALマイルに交換すればまだ使い出はあるかも知れません。
なお、今回(2024年3月)のdポイント交換増量キャンペーンの対象にグローバルポイントも含まれていますが、dポイントへの交換は、1ポイント4円相当なので、25%増量されないと(今回は最大で15%)5円相当にはなりません。
カードの利用代金に充当することもできますが、こちらも1ポイント4円相当にレートが落ちます。
1ポイント5円相当で使えそうなのは、Amazonギフト券(現物ではなく電子ギフト券の方)かビックカメラのビックポイントくらいでしょうか。
ということで、ポイント利用の面では、ポイント還元率のことを考えると、使い道は限られてきます。
結論
以上の通り、条件が色々あって、最大の19%の還元率を得るのはそう簡単ではなさそうです。
「いつものお店でポイント優遇」(5.5%)は「もれなく」なので、あと簡単に達成できそうな「口座指定」「アプリへのログイン」を足せば、10%還元にはなりそうです。
ただし、「口座指定」の4.0%は2024年7月までの期間限定ですが。
また、ポイント付与の計算方法も複雑で、ライバルとなる三井住友カードに比べると、ポイントの取りこぼしが多そうです。
とは言え、三井住友カードで対象となっていない店舗(松屋系列、ピザハットオンライン、コカ・コーラ自販機)の利用が多いのであれば、お得なカードだと思います。
最後に、余談になりますが、個人的には、高還元率を大きく打ち出して実は条件が色々複雑、というのはあまり好きにはなれません。何となく、大手携帯会社の利用料金やそのPRを思い出してしまいます。
多くのサービスでよくあることですが、見かけと実態が乖離しているというよりも、自分にあったサービスなのかどうなのか利用者が判断しずらい点が問題だと思います。いろいろなサービスについて分かりやすい仕組みにして欲しいものです。
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