スマホのコード決済のauPAYに関わるポイント付与制度が2つの点で大きく改悪されました。
(それぞれ、2022年11月1日、12月1日から)
auPAY(プリペイドカードを含む)を便利に使って、少しでもお得に買い物したいと考える者にとっては、痛い改悪です。
今回は、その改悪への対応策を調べてみました。
(2024.5.16)auPAYにチャージしてポイントが付与されるクレジットカードなどの内容を更新しました。
auPAYを含めて、4つのコード決済を比較した記事にまとめています。こちらもご覧ください。
改悪の内容
その1 auPAYカードからのチャージがポイント付与対象外に
auPAYカードは年会費無料で基本還元率1.0%のクレジットカードですが、これまでauPAYへのチャージでも1.0%のポイント還元(Pontaポイント)がありました。
つまり、auPAYカードでチャージしてauPAYでコード決済すれば、1.0% + 0.5% の合計1.5%の還元が受けられました。
これが2022年12月1日より、チャージによるポイントが付与されなくなりました。auPAYカードからチャージしてもコード決済の支払いによる0.5%の還元だけになってしまったわけです。
auPAYゴールドカードであれば、還元率が2.0%から1.0%にダウンするものの、ポイント付与自体はされます。ただし、年会費が11,000円かかります。auの回線契約者であれば、携帯料金のポイント還元に10%上乗せという特典がありますが、そうでなければ、あまりメリットは無いと思います。
auPAYへのチャージについては、クレジットカードによってはポイント付与が無かったり、国際ブランドによってはそもそもチャージできないものがあったりする中、自社ブランドのauPAYカードでチャージするのが一番無難、と言われていたのですが、それが還元率ゼロ、ということになってしまいました。
その2 電子マネーへのチャージがポイント付与対象外に
auPAYプリペイドカードを発行すれば、コード決済のauPAYとチャージ残高を共有して使え、コード決済に非対応のお店でも、プリペイドカードを使うことで、コード決済と同じ0.5%の還元率を上乗せして買い物ができました。
ただ、このauPAYプリペイドカードは、ICチップが付いておらず、今一使い勝手が悪いので、auPAYプリペイドカードからさらに別のプリペイドカードや電子マネーにチャージして使うという方法が便利、あるいはお得でした。
私の場合は、Revolutというプリペイドカードというか何というか、決済サービスを利用していました。
これが、11月1日から、モバイルPASMO、nanaco、WAON、Revolut へのチャージがポイント付与の対象外となってしまいました。モバイルSuicaはもともとポイント付与対象外でしたが、今回の改訂で非常に使いにくくなりました。
対応策
auPAYカード改悪への対応策
auPAYカードでチャージする代わりに、ポイントの付与される他のクレジットカードでチャージするという方法です。
ここで注意が必要なのは、auPAYは、国際ブランド、具体的にはVISA、JCBカードについては、発行会社によってそもそもチャージができないものがある、ということです。
そして、チャージはできるけれどポイント対象外、というカードも多い(例えば楽天カードなど)ので、さらに注意が必要です。
ざっと、調べたところ、以下に紹介するカードが、現時点(記事執筆時点)で、auPAYにチャージできてポイントが付与されるクレジットカードです。(他にもあるかも知れません。また、いつルールの改訂あるかも分かりませんので、その点ご注意ください。)
なお、2023年4月1日からauPAYカード以外のクレカからのチャージ上限が5万円/月に引き下げられましたので、その点は御注意を。これにより使い勝手の低下とともに、(三井住友カードなどの)ゴールドカードの特典を得るために取りあえずチャージして利用額を稼ごうとされていた、いわゆる「修行」のためにauPAYを利用されていた方には影響が大きいと思います。
Orico Card THE POINT (Mastercardブランド)
年会費無料、基本還元率1%で、しかも付与ポイントは、月額利用合計に対して計算されますので、ポイントの取りこぼしが少ないというメリットもあります。
少し調べてみると、電子マネーなどへのチャージでポイント対象外となることが少ないです。対象外と明記されている電子マネーは、Edyとnanacoのみです(公式のQ&A)。
ただし、次にあげる欠点のため、お勧めはしにくいです。
欠点は、オリコポイントから他社ポイントへの交換が1000ポイントからとなっているところが多く、利用額が少ないとなかなかポイントが利用できないこともありますが。
さらに、Pontaポイントなどへの交換レートが下がってしまい、等価交換できるものがあまり無くなってしまいました(WAONポイントくらいでしょうか)ので、実質的に1%還元とは言いにくくなりました。
PayPayカード (Mastercardブランド)
年会費無料、基本還元率は1%です。PayPayにチャージできる唯一のクレジットカードですが、PayPayへのチャージに対するポイント付与はありません。
一方、auPAYへのチャージではポイントが付与されるようです。チャージ系でポイント付与対象外とされているのは、PayPay残高のほか、nanaco、Tマネーだけです。
その意味では優秀なカードかも知れません。
このカードの欠点は、貯まるポイントがPayPayポイントということで、現時点では他の共通ポイントに比べ使い勝手が悪いです。
このブログでは、「PayPayポイントは使い勝手が悪い」としつこく言ってますが、それについてはこちらやこちらの過去記事を参照ください。
dカード (Mastercardブランド)
年会費無料、基本還元率1%です。d払いに紐づけるとポイント上乗せされたり(d払いも改悪がありポイント還元率が下がりましたが)、ドラッグスアのココカラファインで3%のポイント付与があるなどのメリットもあります。
ライバルのdカードからauPAYへのチャージでポイント付与されるというのも何だか皮肉な感じもします。
ただし、電子マネーへのチャージは軒並みポイント付与対象外とされているので(公式のQ&A)、auPAYへのチャージもいつ対象外となってもおかしくありません。
エポスカード
年会費無料のスタンダードカードですと、ポイント還元率は0.5%です。インビテーションを受けてゴールドカードに昇格すれば、年会費5000円のゴールドカードを無料で持つことができ、なおかつ年間100万円の利用でボーナスポイントが貰えるので、実質1.5%還元も狙えます。(ただし、ボーナスポイントは10000ポイント固定なので、100万円を超えて利用額が増えるほど還元率は落ちます。)
このカードもチャージ系でポイント付与対象外となることが少ないようです。基本還元率が0.5%なので、あまり旨味はありませんが、100万円利用が可能な方や少しでも確実にポイントを貰いたい方には良いかも知れません。
ポイ活界隈では有名なカードですので、お持ちの方も多いかと思います。
三井住友カード(NL) (Mastercardブランド)
こちらも年会費無料のスタンダードカードですと、還元率は0.5%ですが、年会費5,500円のゴールドカードの場合は、年間100万円利用のボーナスポイント込みで1.5%還元となります。(100万円を超えていくと還元率が落ちるのはエポスゴールドカードと同じです)
また、年間100万円以上利用することで、ゴールドカードの翌年度以降の年会費が無料になります。
公式のQ&Aでは、auPAYへのチャージはポイント付与対象外とはなっていませんが、Edy、WAON、nanacoやモバイルSuicaなどの電子マネーへのチャージが付与対象外となっていますので、auPAYへのチャージもいつ対象外になってもおかしくありません。
こちらもポイ活界隈では有名なカードですね。
Likeme by saison card
あまり名前を聞かないカードですが、年会費無料で、基本還元率は1%、ポイント付与ではなくキャッシュバックされる方式です。情報によれば、auPAYへのチャージでも1%のキャッシュバックがあるようです。
デジタル版のカードもあり、物理カード版はMastercard、デジタル版はJCBのブランドになります。
ちなみに、楽天Edy、nanacoへのチャージなどはポイント付与対象外ということです。そのほか、他のセゾンカードであればポイント付与(永久不滅ポイント)の対象となる(単純な付与ではありませんが)大和コネクト証券での積み立ても、このカードの場合は、キャッシュバックの対象外とされています。(公式のFAQ)
永久不滅ポイントを貯めたいとか、特別な用途でなければ、セゾンカードの中では使い勝手の良いカードのように思います。
Tカードプラスpremium (Masutercardブランド)
実質年会費無料(1年に1回の利用で翌年無料)、基本還元率は1.0%ですが、申込月を含む最初の4か月間は2.0%還元となります。
公式のFAQページでは、auPAY残高へのチャージはポイント付与対象外とはなっていませんが、楽天Edy、nanacoなどの電子マネーに加えて、2023年11月からはモバイルSuicaなどへのチャージもポイント付与対象外となりましたので、auPAY残高へのチャージもいつ対象外になってもおかしくありません。
なお、似たようなカードとして、TカードPrimeというカードがありますが、こちらのカードの場合、auPAYへのチャージではポイントが付与されない旨明記されています。
TカードPrimeの発行元JACCSのクレジットカードでは、EdyやモバイルSuicaなどの電子マネーへのチャージに加えて、auPAY残高へのチャージもポイント付与対象外とされています。(JACCSのお知らせページ)。(Tカードプラスpremiunの発行会社はアプラスです)
Amazon Mastercard
年会費無料、基本還元率は1.0%ですが、Amazonでの買い物は1.5%(プライム会員なら2.0%)のAmazonポイントの還元を受けられます。
auPAYへのチャージでも1.0%の還元を受けることができるようです。
ただし、発行元が三井住友カードですので、ポイント付与対象外の状況は、上で記載した三井住友カードと同じかと思います。
また、Amazonポイントは汎用性があるわけではありませんが、Amazonでこのカード利用する場合は、還元率がアップしまし、Amazonでよく買い物をするという方ならメリットがあるでしょう。
イオンカード(Mastercardブランド)
年会費無料、基本還元率は0.5%で、イオングループの対象店舗での利用では1.0%です。ですが、毎月10日は「AEONCARD Wポイントデー」となっており、どこで利用しても基本ポイントの2倍のポイントがもらえます。
つまり、毎月10日にauPAYにチャージすれば、1.0%のポイント還元を受けることができます。
その他のクレジットカード
Mastercardブランドのライフカード(公式のQ&A)やセゾンカードでも、auPAYチャージでポイントが付与されるようですが、0.5%と還元率は高くありません。
セゾンカードは、基本還元率は0.5%ですが、2024年7月11日から、auPAYへのチャージ、Suicaなどの電子マネーへのチャージは、0.25%(2000円で1ポイント)の還元率に下がるようです。(セゾンカードのFAQ)
JAL Pay
クレジットカードではありませんが、参考までに。
JALマイレージバンクアプリで利用できるJAL Payからも、今のところ、auPAYへのチャージができ、0.5%のポイント(マイル)の還元もあるようです。
クレジットカードからJAL Payにチャージできるようになったということもあり、このルートは高還元が狙えるルートとされています。
ただし、JAL Payにチャージできるのは、Mastercard、JCB、Dinersのブランドですが、ポイントが付与されるクレジットカードは限られているようです。
また、ファミペイバーチャルカードからJAL Payへのチャージも可能なようで、JAL Payの利用部分ではポイントは付与されませんが、ファミペイへのチャージの部分でポイントは稼げそうです。
ただ、いずれにしても、手間がかかるので、個人的にはそこまでしてauPAYにチャージするのは面倒なように思います。
auPAYプリペイドカード改悪への対応策
(2024.4.13) auPAYプリペイドカードがリニューアルされようかという今となっては、この項目自体があまり意味が無いですが、すでにauPAYプリペイドカードをお持ちの方などの参考にしばらくはそのままにしておきます。
(2024.4.17)2024年4月23日から、リニューアルしたauPAYプリペイドカードの申込受付を開始するというお知らせがありました。(auPayからのお知らせ)
新しいカードは、ICチップ搭載、タッチ決裁にも対応ということで、現在のカードの欠点を解消するものです。
ただし、発行手数料が600円必要とのこと。新規発行やカード更新の場合は、一定の条件の下で、600円が還元されるとのことですが、すでにカードを持っている者が再発行する場合は還元の対象となるのかどうかは不透明。
手数料無料のバーチャルカードもありますが、公式ページの書きぶりでは、Apple Payには登録できても、Google Payには登録できなさそうで、Android民の私は実店舗ではバーチャルカードは使えなさそうです。
(リニューアルされたカードについても説明、申込ページ)
auPAYプリペイドカードから他のプリペイドカードや電子マネーへのチャージについての改悪ですが、個人的には「Revolut」へのチャージがポイント付与対象外になったのが一番不便です。
ICチップが無く、3dセキュアにも非対応なauPAYプリペイドカードを便利に使うために、一旦「Revolut」にチャージするという方法を使っていました。Revolutは利用してもポイントの付かないプリペイドカード、あるいはデビットカードのようなサービスですが、auPAYプリペイドカードからチャージすることで、実質的に1.5%還元の受けられる使い勝手の良いカードになっていました。それがauPAYプリペイドカードからのチャージによるポイント付与対象外となってしまったので、「Revolut」の代替となるサービスがあるのか、調べてみました。
× B/43
(2023.3.12 明日3月13日利用分からポイント付与対象外となりました。公式ページにも明記されています。出口としては一番使いやすそうでしたが、残念です。)
家計簿アプリとプリペイドカードが一体となったサービスであると謳っています。
ICチップ付きのカードと付いてないカードがあり、ICチップ付きの方は発行手数料が必要です。どなたかから招待コードをもらえれば、300円分の残高は返ってきますが。
なお、ICチップのないカードでも3dセキュアには対応しているとのことです。
△ MIXI M (iPhone限定)
使い方としてはプリペイドカードの一種ですが、こちらも決済サービスだけでなく+αのサービスを提供すると謳っています。
これについては、auPAYプリカでのチャージでもポイントが付与されたという情報と、そもそもチャージ自体できない、という情報があります。どうやらチャージするにはApple Payを介する必要があるようで、Androidでは不可のようです。
なお、MIXI Mは、しばらくリアルカードは発行されていなかったのですが、2023年5月16日から発行が再開されました。(リアルカードについて詳しくはこちら)
ただ、発行手数料が1,000円必要なので、正直そこまでしてリアルカードが必要かなと思います。特にiPhoneユーザーの方は、MIXI Mを出口にすることも少ないでしょうから、バーチャルカードで事足りるのではと思います。
× VANDLE CARD
注:auPAYプリペイドカードからVANDLE CARDにチャージすることができなくなった、という情報が多数ですので、対象外と考えた方がよいです。(2023.2.17)
プリペイドカードです。ヴァーチャルカードとリアルカードがあり、リアルカードは発行手数料が必要です。
なお、リアルカードもICチップ非登載、どちらのカードも3dセキュア非対応、と、使い勝手としては今一つです。
× Kyash
ちなみに、こういった内容で良く話題に出てくる「Kyash」ですが、プリペイドカードからチャージすることができないので、残念ながらauPAYプリペイドカードの出口としては使えません。対応策ではありませんが、念のため書いておきます。
Suicaについて
auPAYプリペイドカードの改悪のところで説明したように、auPAYプリペイドカードからモバイルSuicaへのチャージはポイント付与対象外となっています。
ですが、auPAYのSuicaであればポイントが付与されます。
私は、auPAYからSuicaへのチャージは一切ポイントが付与されないものと、すっかり勘違いしていたのですが、Suicaにはいくつかのアプリがあり、その一つ(というかメイン)がモバイルSuicaであり、auPAYのSuicaもまたいくつかあるアプリの中の一つで、両者は別物です。
モバイルSuicaにしかできないこともありますが、普通に使う分には不都合はなさそうです。
Suicaで決済できるお店であれば、別のプリペイドカードにチャージしなくとも、auPAYのSuicaにチャージして使うことで、これまでと同じ0.5%のポイント還元を受けることができますし、一旦チャージして使うことで、ポイントの取りこぼしも無くなります。
ただし、auPAYのSuicaは、Androidユーザー限定です。公式ページでもiOSでは利用できないとあります。 iPhoneユーザーの場合はauPAYプリペイドカードを使ってSuicaにチャージすることはできますがポイントはつかない、ということになります。
ということなのですが、Suicaを使うのであれば、iPhoneであれAndroidであれ、もっとお得な方法があります。こちらの記事を参照ください。
結局
色々調べてみましたが、私の手持ちのクレジットカードでは、auPAYへのチャージではポイント還元を受けることができないようなので、上に挙げた中から何か考える必要がありそうです。
ただ、そこまでしてauPAYを使う必要があるかというとどうかなという気もします。私の生活圏では、auPAYしか使えないというお店、サービスはほとんどありません。何かのキャンペーンの時に使うくらいでしょうか。
auPAYプリペイドカードに至っては、今や完全にお蔵入り状態です。
ポイント還元率を考えても、あまり手間をかけなくとも、簡単に高還元率を得られる決済方法があります。(簡単に高還元を得られるキャッシュレス決裁 5選(実店舗編))
(2023年6月22日 auPAYプリペイドカードの出口として使っていたRevolutも色々あって、解約しました。解約の経緯や解約方法については、こちらの記事をご覧ください。)
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