あおぞら銀行BANK支店 ~使い勝手は?~

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UnsplashのFloriane Vitaが撮影

 預金金利の高い銀行を検索すると名前の上がってくる「あおぞら銀行BANK支店」ですが、実際に口座を開設しましたので、メリットやデメリット、注意点、使い勝手などをお伝えしたいと思います。

あおぞら銀行BANK支店とは

 「あおぞら銀行」は、前身が長期信用銀行3行の一つ「日本債券信用銀行」(通称:日債銀)で、名前ぐらいは聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。1990年代のバブル崩壊に伴って経営破綻に陥り、特別公的管理下に置かれた後、「あおぞら銀行」に行名変更し、普通銀行として再スタートしました。

 そんな「あおぞら銀行」ですが、普通の有人店舗もありますが、BANK○○支店という店舗や窓口を持たないインターネット上の支店があります。
 これらのいわゆるBANK支店が、預金金利が有利です。

 ちなみに、似た名前の銀行で、「GMOあおぞらネット銀行」というのがありますが、関連会社ではありますが、別の銀行ですので、注意してください。
 こちらも「ハビト支店口座」という特定の口座で普通預金100万円以下に限って、0.3%という高金利のようです。

メリット

普通預金金利が0.2%

 あおぞら銀行BANK支店の最大のメリットは、普通預金金利0.2%など、金利の高さです。
 5年物の定期預金ですと年利0.25%となります。
 ちなみに、BANK支店ではなく、有人店舗で口座を開設すると、普通預金金利は0.001 %となってしまいます。

 auじぶん銀行でも0.2%の金利とすることは可能ですが、auPAYとの連携やauカブコム証券証券との連携など一定の条件をクリアする必要があります。

 一方のあおぞら銀行BANK支店では、ただ口座を開設して預けるだけでこの金利が得られます。この点が他の銀行、ネット銀行などと比べて、ほとんど唯一に近い、しかし大きなメリットかと思います。

ゆうちょ銀行ATMが無料

 ゆうちょ銀行ATM入金、出金とも無料で利用できます。しかも、回数制限なしです。
 提携ATMの利用が無料という銀行は他にもありますが、回数制限を設けている銀行が多い中で、この点も結構大きなメリットと言えるでしょう。

 ただし、時間制限があり、8:00~21:00までの利用となります。さらに、ゆうちょ銀行のATM自体が18:00までとか19:00までとか時間制限を設けている場合もありますので、注意が必要です。

 まだ、入金だけなら、セブン銀行のATMでも無料で利用できます。ただし、同じく8:00~21:00という時間制限があり、出金には手数料が必要です。

デビットカードの利用で1%還元(キャンペーン期間のみ)

 口座を開設する際に、最近の銀行ではポピュラーになった、キャッシュカードとデビットカードが一体になったカードを発行してもらえます。

 基本的な還元率は0.25%で、利用額に応じて還元率がアップするというのが本来のサービス内容ですが、現在は、2024年7月31日までの期間限定で、1%のキャッシュバックを受けることができます。

 さらに、2024年4月30日までは、特定加盟店で利用すると2%のキャッシュバックがあります。具体的には、セブンイレブンローソンミニストップセイコーマートデイリーヤマザキが対象です。

スマホ用アプリが使いやすい

 スマホアプリが使いやすい銀行が増えていますが、あおぞら銀行BANK支店のアプリも使いやすいです。デザインも悪くないですし、生体認証によるロックがあったり、デビットカードの利用をアプリからオンオフできたり、となかなか良いと思います。

デメリット

 一方で、デメリット、注意点も色々あります。

他行あて振込手数料

 他行あての振り込みは、基本的に有料です。
 銀行の利用内容に応じた優遇措置もあるにはありますが、非常にささやかです。

 具体的には、
1 デビットカードの利用が1回以上
2 預金残高が500万円以上
3 投資信託残高が有ること
4 NISA口座を保有していること
5 「給与振込」による入金が10万円以上あること

 という5つの場合に、それぞれで1回だけ無料になるというものです。全部クリアしたとしても5回です。
 しかも要件を満たした月の翌々月の振り込み手数料が優遇されるという流れなので、使い勝手もあまり良くありません。

 この点が、他の多くのネット銀行に比べて大きなデメリットかと思います。
 例えば、auじぶん銀行は最大15回、住信SBIネット銀行は最大20回、しかも要件も比較的クリアしやすいです。

 なお、「pring(プリン)」という送金アプリ対応していますので、pringに対応した自分名義の銀行との間であれば、無料でやりとりできます。ただし、月に1回、50万円までです。また、この1回分を使ってセブン銀行ATMからお金をおろすことも可能です。
2024年1月24日提携を終了してしまいました。さらに使い勝手が下がりましたね。)

モアタイムシステムに非対応

 金融機関同士の振り込みにおいて、365日24時間、即時入金に対応する「モアタイムシステム」というサービスには非対応となっています。

 つまり、あおぞら銀行から他行への振り込みも、他行からあおぞら銀行あての振り込みも、平日15:00以降、土日祝日に手続きしたものは翌営業日扱いになってしまいます。

 ネット銀行だけでなく、多くの銀行が「モアタイムシステム」に対応している中、非対応というのは中々に不便です。特に土日や連休を挟む場合などは注意が必要です。

 もっとも、このところ、「モアタイムシステム」に対応している銀行でも不正送金防止のためということで、営業時間外の送金を制限しているところが一部ありますが。

「モアタイムシステム」とは
 銀行間のお金のやり取りは、「全国銀行データ通信システム」、通称「全銀システム」を通して行われますが、このうち、平日日中の営業時間内取引に対応するものを「コアタイムシステム」と言い、これに加えて、平日夜間、土日祝日に対応したシステムが「モアタイムシステム」です。
 つまり、「モアタイムシステム」に対応した銀行同士であれば、24時間365日即時決済・送金ができることになります。(双方が対応している必要があります。)
 多くの銀行がこの「モアタイムシステム」に対応しています。
 ただし、「モアタイムシステム」に対応していると言っても、銀行によっては独自に曜日や時間の制限を設けている場合もあるので、この点は注意が必要です。

デビットカードの基本還元率が低い

 メリットのところでデビットカードが高還元であることを上げましたが、あくまでもキャンペーン期間に限った話なので、本来の還元率はかなり低めです。

 基本還元率は0.25%で、そこから利用額に応じたステージ制になっているのですが、利用額15万円以上でやっと0.5%、還元率を1.0%にしようと思えば、月に60万円も利用しないといけません。

 一般的にクレジットカードに比べてデビットカードの還元率は低い傾向にありますが、もう少し頑張ってほしいところです。 

デビットカードがGoogle ウォレットに非対応

 Googlウォレットにクレカなどを登録しておけば、タッチ決済に対応した支払いの場合、現物のカードを持ち歩かなくて済むのですが、あおぞら銀行のデビットカードは、「このカードではタッチ決済を設定できません」と表示され、Googleウオレットに登録することができませんでした。

 キャンペーン期間終了後はあまり使わなくなると思いますが、そうすると余計にカードは持ち歩きたくないので、ちょっと不便です。

どんな使い方が良いか

 ざっと、あおぞら銀行BANK支店のメリット、注意点などを上げてきましたが、あおぞら銀行BANK支店は、結局どんな使い方をするのが良いのか考えてみると、近々使うかも知れないけれど、具体的に使い道まではっきりと決まっていないお金を預けておくのが良いと思います。

 他行への無料振り込みがほとんど無いに等しい、モアタイムシステムに非対応、ATMの無料取扱いに時間制限がある、ことなどを考えると、お金の出し入れややり取りが頻繁にあるような普段使いには向きません

 ちょっと置いておいて何かあった時に使うと言うような余裕資金を置いておくのに丁度よいと思います。
 投資に回したり、定期預金にしたりするとすぐには動かしづらいですが、普通預金ならいつでも動かせますから。ただし、営業時間、ATM稼働時間などには注意を。

 単に口座を開設するだけで普通預金利が0.2%あるというのが強みです。
 ですので、例えば、auじぶん銀行の金利優遇条件をクリアするのが苦にならないという場合には、そちらの方が使い勝手は良いでしょう。

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