e-Taxで確定申告(還付申告)をやってみた

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Image by いらすとや

 毎年、医療費控除、ふるさと納税のために確定申告をしているのですが、はじめてe-Taxでオンライン申告してみました。紙で提出するのに比べてとても楽でした。
 今年は傷害保険の保険金が確定するのを待っていたので遅くなり、確定申告シーズンを随分過ぎてしまいましたが、忘れないうちに、気づいた点、注意点などまとめておきます。

 e-Taxのシステムは、パッと見はともかく、実際の手続きはあまり分かりやすいとは言えないのですが、全体の流れとポイントさえ押さえれば、医療費控除やふるさと納税程度であれば、難しいことはありません。

 と言うことで、個別の細かな点は今回は置いておいて、全体像や気を付けるべき点をできるだけ分かりやすくまとめてみました。

 ふるさと納税の注意点については、こちらの記事をご覧ください。

e-Taxのメリット・デメリット

メリット

 一番のメリットは、税務署(や申告会場)に出向いたり、郵送する手間がなくいつでも自宅から送付することが可能、ということだと思います。

 また、紙の申告であれば必要な添付書類の多くが省略できます。
 ただし、これはものによっては提出は不要ですが、自身で5年間保存することが求められます。

 あと、紙での申告に比べて、還付金が振り込まれるのが早い、ということもありますが、これはそんなに大きく違うわけでは無いので、そう大きなメリットではないかなと思います。

デメリット

 逆にデメリットですが、冒頭に書いたようにシステム全体として分かりにくいということです。
 全体に継ぎ接ぎなな印象で、利用するソフト、システムもややこしい名前のものがいくつかあり、利用できる手続きが違っていたりするので、理解するまではウロウロします。
 ただし、一度理解すれば、例えば「確定申告書等作成コーナー」なども比較的親切に入力内容を順番にガイドしてくれるので、難しくはないのですが。

全体の流れ

 全体の流れについては、こちらの国税庁のe-Taxの「ご利用の流れ」のページに記載されているので、これに沿って説明していきます。 

0 確定申告に必要なもの、環境

 国税庁のページの説明に入る前に、必要なものがあります。
 マイナンバーカードとカードの読み取りに対応したスマートフォンです。
 PCで手続きする場合には、以前はカードリーダーの使用が基本となっていたようですが、カードの読み取れるスマートフォン(NFC登載の比較的最近の機種であれば大抵OKでしょう。対応機種の一覧もあります。)があればカードリーダーが無くとも、代替できます。

 申告だけなら、これらが無くてもできなくはないのですが、事前準備のために税務署に出向く必要があったりするので、必要と思っておいた方が良いです。

 スマートフォンには、マイナポータルアプリをインストールして、ログインできるように登録を済ませておきましょう。

 PCとスマホと連携させる方法については、後ほど説明します。

 また、当然ながら、申告書作成の元となる資料も必要です。
 具体的には、源泉徴収票、ふるさと納税の寄附金受領証明書、医療機関の領収書などなどです。

 さらに、所得税の還付を受けるための金融機関の口座番号なども。

1 利用者識別番号の取得

 では、国税庁の「ご利用の流れ」の記載に沿って説明していきます。

 e-Taxで確定申告を行うためには、利用者識別番号というものが必要です。
 国税庁の「ご利用の流れ」のページには、全部で6つの取得方法が記載されています。どの方法でも取得はできますが、オンラインでの申請なら、即時に番号が交付されます。①か②で良いと思います。

 また、④⑤に「ID・パスワード方式」と言うのが出てきます。⑤の方法ならマイナンバーカードが無くとも確定申告書の作成・提出は可能ですが、こちらの「ID・パスワード方式とは」のページにあるように、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な措置ということです。ですので、この方式ではなく、マイナンバーカードを利用した手続きが基本とされています。
 どの道マイナンバーカードが無いと利用できる手続きも限られるので、e-Taxを利用するのであれば、マイナンバーカードは必要と思っておきましょう。

2 電子証明書の取得

 電子証明書とは、「ご利用の流れ」のページの説明にもあるように、申告書等の送付されたデータが間違いなく本人によって作成されたものであると言うことを証明するために必要なものです。
 電子証明書によって電子署名することで、真正性を担保するということで、何だかややこしそうですが、実際の手続きはそうでもないです。

 電子証明書にもいくつかの種類があるようですが、e-Taxの手続きでは、マイナンバーカードとカードの読み込みに対応したスマホがあれば、それでOKです。この段階で特にすることはありません。

 マイナンバーカードについては、色々なデータを紐づけて便利に使えるよと言われる部分(ミス連発でこの点が色々問題になってますが)もありますが、電子証明書としてオンラインの手続き等で「なりすまし」を防ぐという部分も役割としては大きいと思います。

 で、上で出てきた「ID・パスワード」方式は、例外的に電子証明書なしで申告手続きができるようにしましょうというものです。
 ですので、次に説明するいくつかあるシステムのうち、「確定申告書等作成コーナー」しか利用できません

3 手続を行うソフト・コーナーを選ぶ

 「ご利用の流れ」では、いろいろなシステムがズラッと並んでますが、サラリーマン(には限りませんが)が医療費控除やふるさと納税の申告するのに使うのは、「確定申告書等作成コーナー」です。

 申告書を送信した後に、送信結果や各種通知、お知らせを見るために受付システム又は、e-Taxソフト(WEB版、SP版)を利用します。

 e-Taxソフト(WEB版)はいかにもな名前ですが、これでは確定申告書の作成はできませんので、注意しましょう。別途、会計ソフトなどで確定申告書を作成し、そのデータを送信する場合などに使われるようです。

4 申告・申請データを作成・送信する

 「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、申告書のデータを作成します。
 入力内容について、割と親切にガイドしてくれたり、作成途中でデータを保存して再開したり、何ステップか元に戻ってやり直したりなど、結構柔軟に操作できます。
 最終的に「送信」するまでは何度でも戻ってやり直しができますので、安心して操作しましょう。

 中身については、後ほど説明します。

 なお、「ご利用の流れ」のページには、「電子証明書の登録」や「電子署名及び電子証明書を添付」など、難しそうなことが書いてありますが、画面の指示に従って、その都度マイナンバーカードをスマホで読み取るなどすれば、特に難しいことはありません。

 申告書データが出来上がれば、税務署に送信しますが、これも画面の指示に従えばOKです。
 データの保存は、忘れないようにしておきましょう。これも画面に案内が出ます。
 修正が必要になった場合や来年の申告にデータを活用できます。

5 送信結果を確認する

 確定申告のデータを送付して少しすると、ちゃんと受け付けられたのかどうか、受信通知が送られてくるので、確認しておきましょう。

 PCであれば、ここから「受付システム」又は「e-TAXソフト(WEB版)」にログインして、メッセージボックスというところを見に行きます。
 手続きの際に自分のメールアドレスを登録しておけば、メッセージが来ているよ、ということをメールで教えてくれます。

 所得税の還付について、支払予定日等、還付金の処理の状況などもメッセージボックスで確認できます。

 ちなみに、メッセージボックスを見るためにも、その都度マイナンバーカードが必要になります。
 また、メッセージボックスいくつかの種類に分かれているので、見間違わないように

確定申告書の作成

 確定申告書等作成コーナーを使って、申告書データを作成しましょう。

 国税庁のこちらのページに使い方が乗っていますし、画面の案内に沿って、必要な数値を入力していけば、そんなに難しいことはありません。

 書面で確定申告をする方法も選択できますので、例えばサラリーマンの方で医療費控除やふるさと納税について、書面で申告したい場合も、ここで作成した申告書を紙で打ち出して提出することで比較的簡単に手続きできます。

 以下に、いくつか、注意点、気の付いた点について書いておきます。今回の記事では、e-Taxでオンラインで提出することを前提に説明します。

医療費控除

 医療費控除の内容を確定申告書に入力するには、いくつかの方法があります。
 確定申告書等作成コーナーの途中にこちらの説明もありますが、ごちゃごちゃして読みにくいので、要点をまとめます。
 医療費控除の入力の仕方は、以下の6通りです。

 医療費控除の項目では、通常の医療費控除の他に、二者択一で「セルフメディケーション税制」という選択肢がありますが、後ほど説明します。

1.医療費通知(xmlデータ)を利用して入力する

 健康保険組合から入手した「医療費のお知らせ」のデータ(医療費通知データ)を確定申告書等作成コーナーで読み込みます。(データの入手が可能かどうかは各組合によります)
 1件1件入力する手間がありませんので楽ですが、9月や10月までのデータしか無いことが多いですし、自分で薬局で購入した薬や医療機関までの交通費などは健康保険組合では把握していませんので、足りない分は手で入力する必要があります。

2.医療費通知(書面)を利用して入力する

 健康保険組合から送られてくる「医療のお知らせ」の書面に記載されている金額を入力する方法です。合計金額のみ記載すれば良いので、これも楽です。ただし、足りない分の入力が必要になるのは1と同じです。
 1との違いは、1件ごとのデータを税務署に送付しないので、「医療費のお知らせ」書面を5年保存しておく義務が生じるところです。

3.医療費の領収書から入力する

 確定申告書等作成コーナーで、御自身で保管している領収書等から1件ずつ入力していくやり方です。一番手間がかかりますが、数が多い場合は、1件ごとではなく、受診者ごと、病院ごとにまとめて入力しても構わないとなっています。
 領収等を5年間保存しておく必要があります。

4.医療費集計フォームを読み込む

 「医療費集計フォーム」というエクセルのフォーマットが確定申告書等作成コーナーにありますので、これをダウンロードし、領収書などをもとにエクセルで各項目を入力し、その後このデータを確定申告書等作成コーナーで読み込む方法です。
 一見手間がかかるように見えますが、入力件数が多い場合でも、エクセルの扱いに慣れていれば、コピーペーストなども使えますし、割と楽です。

5.医療費の合計額のみ入力する

 「支払った医療費の合計額」及び「生命保険や社会保険などで補填される金額」の合計額のみを入力する方法です。この場合、e-Taxであっても、別途ご自身で作成した「医療費控除の明細書」を書面で提出する必要があります。

6.マイナポータル連携を利用する

 マイナポータル連携を利用することで、医療費通知情報をマイナポータルから取得して、確定申告書等作成コーナーで作成する申告書に自動でデータを反映させることができます。(マイナポータル連携とは

 手続きの流れ等は、こちらの国税庁の解説ページの下の方にありますので、参照ください。
 事前にマイナポータルで連携の手続きが必要です。

 なお、本人だけでなく、家族の医療費通知情報を取得することも可能ですが、マイナポータルで代理人の設定の手続きをしておく必要があります。

 また、マイナポータル連携の場合は、1,2の「医療費のお知らせ」と異なり、1月から12月までのデータを取得することが可能となっています(医療費情報の更新日について)が、医療費通知情報に含まれない医療費や交通費などは、個別に入力が必要になるのは、これも同じです。

生命保険などで補填される金額

 「生命保険や社会保険などで補てんされる金額」という項目がありますが、これは生命保険の入院特約や健康保険の高額療養費など、支払った医療費に対して補填がなされる場合には、その額を医療費控除の金額から差し引く必要があります。

 ただし、注意点があります。こちらのページにも書かれていますが、差し引きは、対象とされる医療費ごとに行い、その治療等で支払った医療費を上限として、その金額を上回る部分の補てん金の額は、他の医療費の金額からは差し引かない、ということです。

 例えば、ある病気で15万円の入院費がかかり、20万円の保険金がおりた場合でも、差し引くのは15万円までです。入力欄にそのままの金額を入れると5万円分が他の医療費(別の治療費や家族の医療費など)から差し引かれてしまいます。

 自動でやってくれれば良いのにと思いますが、システムではそうなっていないので、注意しましょう。私も最初間違ってました。

セルフメディケーション税制

 健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が(特定検診、人間ドックの受診など列記されてます)、対象医薬品(一覧表になってます)を購入した場合に、所得控除を受けることができる制度です。
 詳しくは、こちらのページから内容を確認ください。

 通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は二者択一になっていますので、どちらか一方しか選べません。
 医療費控除は多くの場合、医療費が10万円を超えないと控除の対象にならないのに対して、セルフメディケーション税制の場合は、12,000円を超えると対象になります。
 御自身の状況にあわせて(医療機関に多くかかったかどうか)得になる方を選びましょう。

 入力の仕方は、領収書から1件ずつ入力していく(薬局ごとにまとめることは可)か、合計金額のみ入力し明細書を提出するか、というやり方になります。

ドラッグストアなどで購入した風邪薬の扱いは?
 風邪薬などは、セルフメディケーション税制の対象医薬品のリストにあがっていますが、では、医療費控除の対象にはならないのでしょうか?
 結論から言うと、対象になります。
 こちらの国税庁のQ&Aにあるように、治療や療養に必要なものについては、医師の処方や指示がなくても、医療費控除の対象となるということです。

ふるさと納税

 ふるさと納税については、寄付金控除という項目から入力していきます。
 入力画面の中に、「都道府県、市町村に対する寄付金(ふるさと納税など)」という選択肢がありますので、これを選んで必要事項を入力すればOKです。

 寄付金1件ごとに入力していきますが、件数が多い場合にはまとめて入力することも可能です。
 入力画面から入力の仕方の説明を参照することができます。

 ふるさと納税についても、マイナポータル連携を利用して入力することが可能です。(ふるさと納税e-Tax連携サービス
 データが自動入力されますし、寄附金受領証明書の提出や保管義務もありません。
(自分で1件ずつ入力した場合、e-Taxでオンライン申告すれば、受領証明書の提出は不要ですが、5年間保存が必要です。)

 ただし、注意点もあります。
 マイナポータル連携は、寄付先自治体のみでなく、特定事業者(いわゆるふるさと納税サイト)と連携が可能です。両方とも連携してしまうとデータがダブって入力されてしまう場合があるので、片方のみの連携とする必要があります。(こちらの国税庁のQ&Aを参照ください)

PCでマイナンバーカードを読み取る方法

 一度やって分かれば難しいことは無いのですが、ちょっと注意する部分もあるので、説明をしておきます。

 PCでe-Taxを利用するためには、基本的にマイナンバーカードを読み取る必要があります。周辺機器としてカードリーダーを持っている人はそう多くないでしょうから、スマートフォンをその代替として使うことができるようになっています。

 具体的には、PCのブラウザ上で表示されたQRコードをスマホのマイナポータルアプリから読み取りマイナンバーカードをスマホで読み取る、という手順になります。(QRコード認証
 ただし、スマホにNFC機能が登載されている必要があります。

 まずはスマホにマイナポータルアプリをインストールし、ログインできるように設定を行っておきます。

 次に、PC側ですが、対応ブラウザが決まっています。こちらあるいはこちらを参照ください。WindowsならEdgeでもChromeでもOKです。

 あと、途中でブラウザに拡張機能「e-Tax AP」をインストールするように求められたり、説明の中でも拡張機能が必要と言う説明があったりしますが、これはカードリーダーをPCに接続して使用するために必要なもので、スマホをカードリーダーの代わりに使う場合には必要ありません

 こちらの事前セットアップの所にも注書きとして記載されていますが、うっかりしていると必要なのかなと勘違いしてインストールしてしまいます。(別に害があるわけではないですが)

 また、利用する際にも、「e-Tax AP」が利用できない状態で手続きを進めていくと、「推奨環境チェック結果」というポップアップが出てきて、「拡張機能が利用できない」と怒られますが、黙ってそのポップアップで出てきたウィンドウを閉じて「マイナンバーカードでログイン」や「スマーフォンで読み取り」という手順を進めていけば、QRコードが表示されるので、そのまま手続きを進めて下さい。

 これがとても分かりにくくて、最初、ウロウロしてしまいました。

最後に

 以上、できるだけ分かりやすく書いていったつもりなのですが、長い記事になってしまいました。いくつかの記事に分けた方が良かったのかも知れません。

 冒頭に書いたように、e-Taxは一つ一つの手続きはそこまで使いにくいとは思いませんが、どうもシステムが継ぎ接ぎな印象で、全体として分かりにくくなっていると思います。
 ポイントさえ分かってしまえばそう難しいことはないので、来年もe-Taxを使おうと思います。

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