SBI新生コネクト(SBI新生銀行の使い勝手が格段に上がる)

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 SBIホールディングスの傘下となった、SBI新生銀行ですが、口座は持っているもののあまり大きなメリットもないので、ほとんど使っていませんでした。

 ですが、SBI新生銀行とSBI証券を連携するサービス「SBI新生コネクト」申し込むことで、格段に使い勝手が良くなるようなので、実際に申し込んでみました。
 申し込むと言っても、両方に口座があれば、オンライン上でポチポチとやれば、即座に完了します。

 そのメリットがとても大きいので、両方の口座を持っているのであれば、やらない手はないと思います。
 また、必要な連携の内容も、他の銀行と証券会社の連携とはちょっと違うところもありますので、今回はその辺も含めて、ご紹介します。

 2025.1.31 昨年からメガバンクをはじめ多くの銀行が普通預金金利を上げてきました。
SBI新生銀行も普通預金金利が改訂され、「ダイヤモンドステージ」なら年0.3%になりましたが、さらに、2025年3月3日から「ダイヤモンドステージ」の金利が0.4%に引き上げられます。
 島根銀行スマートフォン支店が2025年2月3日から普通預金金利が0.5%となるので、それには及びませんが、それでもなかなかの高金利です。 

 ちなみに、60歳以上の人なら、「Bright60」という無料の会員サービスに入会することで、SBI証券の口座を持っていなくても、同じく「ダイヤモンドステージ」の特典を受けることができます。
 SBI新生銀行 Bright60

SBI新生銀行とは

 1952年に日本長期信用銀行、略して「長銀」として設立、戦前の特殊銀行の流れを汲む銀行でしたが、いわゆるバブル崩壊に伴って巨額の不良債権を抱えて破綻、一時的な国有化の後、米国の投資組合への売却を経て、2000年に新生銀行として再出発しました。
 その後、様々な金融機関との提携・統合の動きがあり、紆余曲折を経て、最終的にはSBIホールディングスが敵対的TOB(株式公開買い付け)を行い、SBIホールディングスの傘下となり、2023年1月にSBI新生銀行と名称を変更しました。

 このようにかなりゴタゴタした経歴であり、バブル崩壊時に国から注入された公的資金の返済も残っているなど、経営面で順風満帆とは言えないかもしれませんが、預金保険機構の保護対象でもありますので、利用者として普通に使う分には大丈夫かと思います。

 新生銀行として再出発した当初は、インターネットバンキングが中心である代わりに、コンビニのATMが無料で使えるなど、手厚いサービスでしたが、徐々にサービスが低下していき、いわゆる優遇プログラム(ステップアッププログラム)の適用がなければ、他行への振込みが月に1回のみ無料でATMの利用含め手数料が基本有料ということなってしまいました。

 そのステップアッププログラムの要件も結構厳しく、私自身、口座はあるけれどもほとんど利用していないという状態でした。

 それがここへ来て(と言っても2023年4月の開始ですが)、SBI証券の口座さえ持っていれば、簡単にステップアッププログラムの最上位ランクになれるというサービスを打ち出してきました。
 それが、SBI新生コネクトです。


SBI新生コネクトとは

 SBI新生銀行のHPの説明では
「SBI新生コネクトは、SBI新生銀行の円普通預金口座とSBI証券の証券総合口座を連携させる、手数料無料の自動入出金サービスです。」
 とあります。

 具体的な連携の中身ですが、「投資信託の積立資金の自動入金」「SBI証券の預り金の自動出金」、この2つです。
 SBI証券で投資信託の積立をする場合に、SBI証券に入金しなくともSBI新生銀行の口座から自動で入金されます。(あくまで投信の「積立」が対象です。スポット購入の場合はSBI証券へ事前に入金が必要です)
 また、SBI証券の預り金で利用していない残高があれば、SBI新生銀行の口座に自動で出金されます。

 よくある証券と銀行との連携よりも連携内容が限定的と言えます。

 例えば、同じSBI証券との連携で良く使われる住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」では、投信積立だけではなく、株式、ETF、FXの購入資金も自動で入金されますし、ハイブリッド預金口座の資金がSBI証券の買付け余力として反映されます。

2025.3.25 証券会社への不正アクセスで多額の損害を被った事例が話題となっていますが、連携内容が限定的というのは、逆に言うと、証券口座への入金操作が無ければ、銀行側の資金が勝手に使われることはないと言えます。
 しかしながら、新生コネクトはSBI新生銀行の口座振替登録が必須、すなわち「リアルタイム入金」が可能な状態です。つまり比較的簡単にSBI新生銀行の預金を証券側に入金することができるので、安全とは言い切れないでしょう。どこまで心配するかという話ではありますが。
 また、実際の事例では、保有している株を勝手に売られて、その資金が使われているようですし、いずれにせよ、証券会社に不正アクセスされないようにできるだけの対策をするのがまず重要です。


ダイヤモンドステージの特典

 SBI新生コネクトに申し込むことで、翌々月からステップアッププログラムの最高ランク、ダイヤモンドステージの特典を受けられます
 しかも、単に申し込むだけでよく、自動入金や自動出金をしない設定にしておいても、ダイヤモンドステージになることができます。

 ダイヤモンドステージの特典は以下のとおりです。

円普通預金金利が0.4%

 2024年8月9日から円普通預金金利の改訂があり、ダイヤモンドステージの場合は、2025年3月3日からは0.4%に引き上げらました。(お知らせ「円普通預金金利の改定について」)
 ダイヤモンドステージの金利は現在のところ最高水準だと思います。他のステージの金利も改訂されましたが、これらはやや平凡なので、ダイヤモンドステージを狙いましょう。

 なお、2024年10月1日から、auじぶん銀行も金利を改定しましたが((auじぶん銀行「重要なお知らせ」)、auじぶん銀行場合「マネ活プラン」の部分を除けば、0.41%なので、差はほとんどありません。

 冒頭に少し書いていますが、島根銀行スマートフォン支店が0.5%の金利となりますが、他行への振込手数料などの優遇が弱い気がします。

 ただ、ここへ来て、多くの銀行が普通預金金利を上げてきており、競争が激しくなってきている印象です。各行の動向には注意しておいた方が良さそうです。

他行あて振込手数料が10回無料

 インターネットによる他行宛振込手数料が、月10回まで無料です。
 以前は、50回まで無料だったのですが、10回に改訂されました。
 10回というのは、他行でもネット銀行なら条件次第である内容なので、ある意味平凡ではありますが、10回あれば大体事足りると思います。

 複雑な条件がなくとも、SBI新生コネクトだけでこの優遇というのは、そういう意味では、メリットと言えると思います。

 なお、SBI新生銀行は、あおぞら銀行BANK支店とは異なり、モアタイムシステムに対応していますので、24時間、365日、即時振込、即時入金が可能です。(対応している銀行同士なら)

 モアタイムシステムについては、あおぞら銀行BANK支店について解説したこちらの記事で説明していますので、ご参照ください。

コンビニATM手数料が何回でも無料

 セブン銀行ATMやローソンATM、イオン銀行ATMなど、提携コンビニATMの手数料が、入金・出金とも24時間何回でも無料です。

 これも回数制限を設けている例が多い中、何回でもというのなかなかです。
 実際に現金を下ろす機会はそんなに無いかも知れませんが、これも多いに越したことはありません。

キャッシュプレゼントプログラム

 ダイヤモンドステージだけの特典ではありませんが、ダイヤモンドステージになっておくと有利というサービスです。

 以前のポイントプログラムに代わってキャッシュプレゼントプログラムというサービスがスタートしています。

 以前のポイント付与(Tポイント、dポイント、nanacoポイント)ではなく、口座に直接キャッシュバックがあるというものです。
 プログラムへのエントリー、他行からの振込み、口座振替、外貨積立の利用に応じてキャッシュがプレゼントされます。
 なお、エントリーはスマホのアプリから行う必要があります。

 これもステージに応じて、もらえるキャッシュの額が変わりますので、ダイヤモンドステージになっているとお得です。
 ただし、この特典内容も2024年8月1日から改訂され改悪・改善あり、キャッシュプレゼントプログラム自体は全体として魅力は薄れてしまったと思います。ちょっと残念。

 詳しくは、こちらの公式ページをご覧ください。

その他

 SBI新生銀行のHPでは、ダイヤモンドステージの特典として、「外貨預金の為替手数料がおトク(米ドルなら1米ドルあたり、片道7銭)」と謳っていますが、もともと銀行の為替手数料は高いですし、銀行の中でももっと手数料の低いところもあります。

 ですので、他のステージよりも優遇はされていますが、あまりメリットとは言えないように思います。


SBI新生コネクトの注意点

 以上のとおり、さすが最高ランクの特典を受けられるだけあって、SBI新生コネクトに申し込むことで大きなメリットが得られますが、注意点もあります。

 それは、住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」と併用できない、ということです。
 すでに、SBIハイブリッド預金を利用されている方は、特に注意が必要です。

 「SBI新生コネクトとは」の項で説明したように、「SBIハイブリッド預金」の方が連携内容が豊富ですし、何より、「SBIハイブリッド預金」の利用が住信SBIネット銀行の優遇措置「スマートプログラム」の要件の一つになっているということです。

 つまり、「SBIハイブリッド預金」をやめて、「SBI新生コネクト」を申し込んだ場合、そのままだと、住信SBIネット銀行の優遇措置「スマートプログラム」のランクが下がってしまう可能性があります。

 ですので、SBIハイブリッド預金を利用されている方は、新生コネクトではなく後に説明する「口座振替契約」を利用するのが良いと思います。


実際に申し込んだところ

 SBI新生銀行、SBI証券、両方の口座をすでに持っているのであれば、申し込みはオンラインで簡単にできます。

 SBI証券の口座にログインして、手続きを進めます
 具体的なフローは、SBI証券のこちらのページを参照ください。

 いろいろと書いてありますが、基本的には規約等を確認して、次々と示されるボタンをクリックしていけばOKです。
 この中で、自動入金、自動出金の設定画面が出てきますが、どちらも「利用しない」にしておいても、SBI新生銀行のダイヤモンドステージの特典を受けることができます
こちらのQ&Aも参照ください)

 私は6月にSBI新生コネクトに申し込み、8月から無事にステップアッププログラムのダイヤモンドステージになることができました。

 ただ、多くの銀行は、ランクアップ制度について、「来月は○○ですよ」とか「来月のステージが確定したのでログインして確認してね」とか、何かの通知をメールで送ってくるのですが、SBI新生銀行はうんともすんとも言ってきません。自分でログインして、ああダイヤモンドになってる、と分かる感じです。

 それ以外でも、口座に他行からの振込みなどがあった場合にもメールの通知等はありません。
 もしかすると私の設定がそうなっているのかも知れませんが。

 あと、SBI新生コネクトとは関係ありませんが、SBI新生銀行になってから、たまに商品のセールスの電話がかかってきます。私は丁重にお断りしていますが。


SBI証券の口座振替契約

 上記の注意点であげた「住信SBIネット銀行のSBIハイブリッド預金と併用できない」という点については、新生コネクトではなく、SBI証券の口座振替契約をすることで回避でき、新生コネクトと同様にダイヤモンドステージの特典を受けることもできます。
2024年10月から口座振替契約をするだけでダイヤモンドステージになれるようになりました)

 こちらも契約をするだけでOKで、実際に取引をする必要はありませんし、他の金融機関の口座振替を解除する必要もなく、簡単です。
 新生コネクトよりも連携は薄くなりますが、SBIハイブリッド預金との併用ができますので、SBIハイブリッド預金をメインで使うという方にはこちらの方が良いでしょう。

 具体的な設定の方法などはこちらの公式ページを参照ください。
 手続きは、SBI新生銀行の方ではなく、SBI証券のウェブサイトから行うことになりますのでその点はご注意を。

 証券会社への不正アクセスの関係で言うと、新生コネクトだけでなく、SBIハイブリッド預金もそうですし、口座振替契約でも、銀行側の資金が割と容易に証券口座に流れる状態です。
 証券会社に不正アクセスされないように、ログインセキュリティーの強化やフィッシングへの注意など、対策はしっかりしておきましょう。


結論

 メリットの金利のところで上げたように、ダイヤモンドステージになれば普通預金金利が0.4%になります。
 この先の金利動向は分かりませんし、他行がどう動くのかにもよりますが、ちょっとした余裕資金があるけど投資に回すほどの余裕はないという場合なら、簡単に最高水準の金利が得られるSBI新生銀行は非常に使い勝手が良いと思います。

 SBI証券の口座さえ持っていれば、ダイヤモンドステージの条件をクリアするのは簡単ですし、他行への振込手数料も10回まで無料になりますし、非常に便利だと思います。
 ただし、証券へのログインのセキュリティ対策はしっかりしておきましょう

 ライバルになりそうなのは、auじぶん銀行ですが、auじぶん銀行の優遇サービスを最高ランクにあげるにはちょっとだけ手間がかかりますし、金利優遇と手数料優遇が別のプログラムになっていながら重なる条件があったりして、複雑ではあります。
 詳しくはこちらの記事「auじぶん銀行をメインで利用する理由」「auじぶん銀行「じぶんプラス」のランクを上げる」をご覧ください。

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