auじぶん銀行をメインで利用する理由

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 私は複数の銀行口座を使い分けていますが、メインとして利用しているのはauじぶん銀行です。
 なぜ、私がauじぶん銀行をメインにしているのか、使い勝手やメリット、デメリットなどについて、説明したいと思います。

 ここで言う「メイン」とは、すべての取引をここに集中させているという意味ではなく、使い分けているそれぞれの口座との資金のやりとりの中心となる「ハブ」であり、そのための資金はここに置いておくとともに、他の口座で取引する必要やメリットの無い諸々の取引をここで引き受けるというようなそんなイメージです。

 2025.8.20 2025年10月1日から、「プレミアム金利優遇」という新しい金利優遇がスタートします。
 これによって、普通預金金利0.55%が上限なしに比較的簡単に得られます。
 詳しくは本文をご覧ください。


auじぶん銀行とは

 auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立されたインターネット銀行です。
 2025年7月1日時点で口座数約689万口座、預金残高4.8兆円を超え、R&Iの格付けではAA ということです。

 ネット銀行ですから、実店舗も預金通帳も無く、インターネットブラウザやスマホのアプリで取引し、現金の入出金は提携ATMを利用します。この点を「便利」と考えるか「不安」と考えるかです。
 ただ、従来型の銀行もメガバンクを中心にコスト削減のためか、できるだけ店舗は減らし、通帳もなくしていこうという方向にあります。

 また、多くの銀行(特にネット銀行)がそうであるように、一定の条件を満たすことで、金利や手数料の優遇を受けられるようになっています。

 この点が、各社特徴を出そうとしている所で、auじぶん銀行の特徴について、順番に見ていきます。


メリット

 auじぶん銀行のメリットとして、私が特に感じている点は以下の点です。

普通預金金利が高い

 ほとんどの銀行が普通預金の基本的な金利を0.2%(又は0.21%)としているのと同じように、auじぶん銀行も普通預金の基本の金利は0.21%です。

 ですが、一定の条件を満たすことで、通常の普通預金金利0.21%に金利が上乗せされます。

 普通預金の金利が高いと、定期預金のように資金拘束されることがないので、とりあえず現金を置いておくという使い方をするのに適しています。
 つまり、冒頭で述べた「ハブ」として資金を置いておくにはうってつけです。

 金利にの上乗せには大きく分けて3つの種類があります。
 (正直、2のプレミアム金利優遇だけで充分かなと思いますが)


1.まとめて金利優遇

 詳しくは、auじぶん銀行のHPの「auまとめて金利優遇」の説明をご覧いただきたいのですが、マネーコネクトの設定 auPAYカードの引き落とし auPAYとの口座連携 の3つについて、クリアするごとにそれぞれ 0.05%、0.05%、0.1% 普通預金の金利に上乗せがあります。
 「まとめて」とありますが、条件ごとにそれぞれ上乗せされます。すべてクリアすると合計で普通預金金利が0.41%(税引き前年利)になります。

 それぞれについて簡単に説明します。

 ・auマネーコネクト(三菱UFJ eスマート証券との口座連携

 auマネーコネクトとは、三菱UFJ eスマート証券で株式や投資信託を購入する資金について、自動的にauじぶん銀行の口座から証券口座に入金されたり、逆に証券口座の余剰資金が自動的に銀行口座に出金されたりする仕組みのことです。
 証券口座を開設してマネーコネクトの設定をしておくだけでOKです。実際に株や投資信託の取引をする必要はありません
 この条件を満たすだけで、0.1%の金利上乗せがあります。

 2025.3.26 証券会社への不正アクセスで多額の損害を被った事例が話題となっています。
 マネーコネクトを設定していると、万が一、三菱UFJ eスマート証券に不正アクセスされてしまうとauじぶん銀行に預けている預金まで使われてしまう可能性があります。
 この点を心配するのであれば、金利の上乗せはあきらめてマネーコネクトの設定はやめておきましょう。

 ・auPAYカードの口座引落とし

 auPAYカードの引き落とし口座として、auじぶん銀行を設定しておき、実際に引落としがあれば、この条件を満たします。
 ですので、auPAYカードの引落とし口座を設定するだけでなく、実際にいくらか利用することが必要です。
 この条件を満たすことで、0.05%金利が上乗せされます。
 ちなみに、auPAYカードは、ポイント還元率1.0%(100円につき1ポイント)、Pontaポイントが付与されます。

 ・auPAYとの口座連携

 スマホのコード決裁アプリ、auPAYにおいて、auじぶん銀行との口座連携が設定されていればOKです。
 auPAYアプリから連携の操作を行います。
 口座連携ができていれば、auPAY残高へのオートチャージやauPAY残高からの出金を利用することがきます(実際に利用しなくとも、連携できていれば条件達成となります)。
 この条件を満たすことで、0.05%の金利が上乗せされます。

 ちなみに、これまでauPAY残高からauじぶん銀行へ出金する場合、手動で行う場合は手数料が必要でしたが、2025年5月27日から手数料が無料となりました。


2.プレミアム金利優遇

 2025年10月1日から新しくスタートする金利優遇です。
 こちらがプレミアム金利優遇の公式PRページです。

 auじぶん銀行には、条件の達成内容に応じて手数料やポイント付与倍率が優遇される「じぶんプラス」という優遇制度があります。
 その最高ランクである「プレミアムステージ」になることで、普通預金金利が0.34%上乗せされるというものです。

 これによって、普通預金金利は0.55%というほぼ最高水準となります。
 しかも、適用上限金額がありません。 銀行によっては、100万円まで金利優遇など上限を設定してる場合がありますが、プレミアム金利優遇に関しては上限がありません。

 さらに、プレミアムステージになるのは難しくありません。 さきほどのPRページでは「1000以上預けて」というような記載がありますが、預金残高が1000万円無くとも、いくつかの条件をクリアすることでプレミアムステージ達成は割と簡単です。

 ただし、残念ながら「まとめて金利優遇」と「プレミアム金利優遇」の両方の優遇を重ねて受けることはできません。「プレミアム金利優遇」の条件を達成すれば「まとめて金利優遇」受けられない、ということです。

 じぶんプラスの仕組みやランクを上げる方法などについては、こちらの記事「auじぶん銀行「じぶんプラス」のランクを上げる」をご覧ください。


3.au「マネ活」金利優遇

 auマネ活金利優遇とは、auの回線契約について、対象となる料金プラン(auマネ活プラン+、auマネ活バリューリンクプラン)に加入し、auPAYゴールドカードの利用などの条件を達成することで、金利が0.05%または0.1%上乗せされます。

 対象の料金プランは、いわゆる容量無制限のプランで、元となる料金はかなり高額です。また、auPAYゴールドカードは年会費が11,000円かかります。

 私自身は、auの回線契約はしていないので何とも言えませんが、容量無制限が必要であるなど特定の条件に当てはまる人以外は、あまりメリットは無いのではないかと思います

 ただ、この「auマネ活金利優遇」は、他の金利優遇と重複が可能です。つまり、1のまとめて金利優遇、2のプレミアム金利優遇のどちらかに加えて、金利の上乗せが可能です。

 

他行あて振込みが最高15回まで無料など

 メリットの2つ目です。

 プレミアム金利優遇のところで説明した「じぶんプラス」のステージをあげることで、他行あて振り込み手数料やATM利用手数料の優遇を受けることができます。

 個人的には、最高ステージになることで、他行あて振込み手数料が15回まで無料というのが便利です。これによって、自分の持っている他の銀行へ資金を振り分けるハブとしての役割が十分果たせますし、単発の取引で業者などへ振込みが必要になった場合でも、遠慮なく利用できます。

 「じぶんプラス」については、こちらの記事「auじぶん銀行「じぶんプラス」のランクを上げる」をご覧ください。

 ちなみに、「じぶんプラス」とは関係なく、三菱UFJ銀行との間での振り込みのやり取りは、どちらからでも手数料無料です。
 ただし、三菱UFJ銀行の方でインターネットバンキングの利用を設定しておく必要があります。


24時間365日での振込みに対応

 24時間365日の振込みが可能「モアタイムシステム」に対応しています。

 モアタイムシステムに対応した銀行同士でしたら、24時間365日、即時に振込みをすることができ、非常に便利です。この点も「ハブ」としての役割には有用です。

 フィッシング詐欺等のセキュリティー対策のため、一時的に制限がかかったり、振込金額の上限が下げられたりしている部分もありますが、基本的にはモアタイムシステムに対応しています。

 2023年7月10日現在の制限の状況はこちらを参照ください。

 また、モアタイムシステムについては、こちらの過去記事でも説明しています。

 また、地味に便利なのが、新規で振込みをする場合にも、銀行名、口座番号などを入力すると相手の口座名義人が表示されるので、安心して振込みができます。


スマホATMが便利

 スマホのアプリ(じぶん銀行アプリ)は、生体認証でログインできますし、なかなか使い勝手が良いです。

 なかでも「スマホATM」と言って、キャッシュカードではなく、スマホのアプリでATMでの入出金ができるというサービスが便利です。

 現金の出し入れは、めったにしませんが、だからこそ余計にキャッシュカードを持ち歩く必要が無いというのは、とても便利です。

 ちなみに、auじぶん銀行と提携しているATMは、セブン銀行、ローソン銀行、イーネットATM、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行 です。

 なお、これは余談ですが、ローソン銀行ATMのサービスで、auじぶん銀行(以外も対象銀行はありますが)でローソン銀行ATMを利用すると、毎月1回だけですが、Pontaポイントがもらえるというサービスもあります。(ATMスタンプカード


その他

 これら以外にも、いくつか特徴がありますが、例えば主なものとして、

セキュリティ

 振り込みなどの際にスマホで認証する「スマホ認証サービス」(これまでよくあった乱数表による数字の入力などが不要)、スマホのアプリからインターネットバンキングへのログインやATMの利用をロックする「インターネットバンキングロック」と「ATMロック」など。
(→詳しくは、こちら

Pontaポイントがたまる

 上の方でも少し触れましたが、一部の銀行取引については、その内容に応じてPontaポイントがたまります。この点は、「じぶんプラス」というステージ制の話にかかわるので、注意点なども含めて、別記事で説明しています。

メール通知

 他行から振込みがあった場合や、口座から引き落としがあった場合など、何らかの取引きがあればその都度メールで通知があります。特に、予約や自動で設定している取引などは、ちゃんと実行されているのが分かるので安心です。

 銀行によっては、ほとんど通知してくれないところもあります。(私の設定が悪いのかもしれませんが)


デメリット

 私自身は、実際に使っていて、今の所デメリットらしいデメリットは感じていないのですが、はじめて利用する方だと、いくつか気になる点はあると思います。

金利優遇を受けるには条件がある

 すでにメリットの所で述べた通りですが、金利優遇を最大限に受けるためには、三菱UFJ eスマート証券の口座開設や、auPAYカードの発行・利用、auPAYアプリの登録・設定が必要になります。

 三菱UFJ eスマート証券は、証券会社の中ではあまり取扱商品が豊富でないなど、SBI証券や楽天証券ほど人気はなさそうですが、別に取引はせずとも口座を開設していればOKなので、あとは手間の問題でしょうか。

 auPAYカードも、auPAYへのチャージでポイントが付与されなくなったので、魅力は下がってしまいましたが、利用金額はいくらでも良いので、この条件をクリアするのは簡単です。
 auPAYアプリの設定も簡単です。

手数料の優遇を受けるには条件がある

 どの銀行でも手数料の優遇を受けるには条件がありますが、auじぶん銀行の場合は、金利優遇の条件、手数料優遇の条件、ポイントの付く取引、これらの条件が微妙に重なり合ったりしていて、ちょっとややこしいです。

 ただし、最高ランクになった場合の優遇は大きい方だと思いますし、最高ランクにするのもそこまで難しくはないと思います。

 この点は、「じぶんプラス」についての別記事「auじぶん銀行「じぶんプラス」のランクを上げる」で説明しています。

 なお、注意点として、最低ランクの「ノーマル」の場合、ATMで入金するのも3回目からは有料になります。つまり、無料で入金できるのは2回まで。
 提携ATMでも入金は無制限に無料という銀行もある中で、この点は注意しましょう。
 といっても、一つ上のランクなれば無制限に無料となるので、回避するのは簡単ですが。

定額自動振り込みサービスが無い

 決まった金額を、決まった日に、決まった銀行の口座に振り込むサービス、いわゆる「定額自動振り込み」というようなサービスは、auじぶん銀行にはありません。

 このため、例えば、毎月一定額を他行の自分名義口座に振り分けることを決めている場合でも、その都度、手動で手続きをしなければなりません。

 個人的には、この点が一番のデメリットでしょうか。

 逆に、毎月一定額を他行から入金する「定額自動入金」というサービスはあるのですが。

スマホに頼るリスクがある

 多かれ少なかれネット銀行共通の問題ですが、スマホ認証やスマホATMなど、セキュリティの強化や利便性についてスマホに頼った形になるので、スマホが故障したりすると対処が結構面倒なことになると思います。
 これはauじぶん銀行に限った話ではありませんが。

 以上が私の感じるデメリットです。


まとめ

 他行への無料での振込み回数を多数確保できる銀行は他にもあります(住信SBIネット銀行やSBI新生銀行など)し、普通預金金利の高い銀行も他にあります。
 これまで総合的にみて他を一歩リードしている感のあったauじぶん銀行ですが、日銀がゼロ金利政策を離れて以降、他の銀行も金利やサービスの向上をしてきており、特に最近は競争が激しくなってきているように思います。
 そんな中で、2025年10月1日から普通預金の金利を従来よりもアップできる優遇策を打ち出してきました。

 ただ、auじぶん銀行でメリットを享受するには、少々ややこしい手順が必要です。そんなにハードルが高いわけではありませんが、面倒は面倒です。それに、「じぶんプラス」のランクも毎月注意しておく必要があります。

 他の銀行でライバルとなるのは、SBI新生銀行でしょうか。
 SBI証券と連携する(SBI新生コネクト、または口座振替契約)だけで、0.4%の普通預金金利が得られ、他行への振込手数料も月に10回まで無料という優遇が受けられます。
 auじぶん銀行のように毎月何かをする必要はなく、最初に1回設定するだけでOKです。
 60歳以上であれば、口座連携の必要もなく、会員登録のみで同じ優遇が受けられます。

 今のところ、auじぶん銀行から他の銀行に乗り換える必要まではないと思っていますが、他の銀行の動向には注意しておく必要がありそうです。

 なお、SBI新生銀行の「SBI新生コネクト」については、こちらの記事で説明していますので、ご覧ください。

 また、蛇足ながら、三菱UFJ eスマート証券の口座を新規に開設するのであれば、いわゆる「ポイントサイト」を利用するのがお得です。auPAYカードについては、現在はほとんど案件がなさそうですが。
 ポイントサイトとはどんなものか、についてはこちらの過去記事をご覧ください。

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