共通ポイントのdポイントは提携店舗などのお買い物やd払いでも利用できますが、現金化もできます。以前の記事でも、dポイントの現金化について簡単に触れましたが、実際に日興フロッギーでdポイントを使って投資、現金化をしてみました。
日興フロッギーでのdポイント投資のやり方にはいくつかあるので、それぞれについて説明していきます。
また、同じようにdポイントで投資ができるサービスとして大和証券「CONNECT」がありますが、その比較にも触れたいと思います。
いずれも期間限定ポイントを使うことのできるサービスです。
共通ポイントの現金化全般については、こちらの記事をご覧ください。
また、共通ポイントではありませんが、PayPayポイントの現金化については、こちらの記事をご覧ください。
日興フロッギーとは
日興フロッギーは、SMBC日興証券が運営するサービスの一つです。
日興証券では「キンカブ」という100円単位で株を買うことができるサービスがあり、日興フロッギーではdポイントを使って100ポイント単位で株を買うことができます。
フロッギーを利用するには日興証券の口座を開設する必要があります。
ポイントサイトでお得に開設する案件などはありませんでしたが、特に難しいこともなく、普通に開設できます。
フロッギーのログインには、日興証券と同じID、パスワードを使います。
また、dポイントを使って投資するためには、dアカウントとの連携が必要です。
日興フロッギーはサブタイトルに「記事で株が買える」とあるように、普通の証券会社のサイトとは違う、独特のつくりになっていますが、具体的な使い方はdアカウントとの連携なども含めて、公式ページに詳しい説明がありますので、これから始めてみようかと思われる方は、こちらの記事や口座を開設するまでのFAQなどに一度目を通しておくと良いでしょう。
特に注意が必要な点などは、都度説明したいと思いますが、まず、注意が必要なのは、取引時間と価格です。
注文が可能な時間帯は下の図の通りですが、リアルタイムの価格で取引されるわけではなく、注文時間帯に応じて、平日午前中(前場)の始値か、午後(後場)の始値で取引されることになります。
フロッギーでの株の買い方については、こちらのFAQが参考になります。
日興フロッギーの手数料
株(ETF)の売買にかかる手数料ですが、日興のキンカブの場合、100万円以下なら購入は無料、売却に0.5%の手数料が必要です。dポイントを使った場合も同じです。
なお、キンカブの売買500円につきdポイントが1ポイントもらえるというキャンペーンが今のところ継続されているようなので、これをうまく活用すれば0.2%分のポイントが返ってくるので、実質の手数料は0.3%ということになります。
こんな感じで、売却価格の0.2%分のdポイント(通常ポイント)が付与されます。dポイントクラブで確認できます。
注意が必要なのは、売却価格500円につき1ポイントなので、例えば、500円で購入した株(ETF)が売却時に499円になるとポイントはもらえません。
この点を気にする場合には、500円単位きっちりではなく、少し多めに買うのが良いかもしれません。
dポイント投資で現金化する方法
dポイント100ポイント以上100ポイント単位で株(ETF)を買うことができます。ポイントで買った株を売ることでポイントを現金化することができますが、日興フロッギーの場合、リアルタイムでは取引きできない(注文後の次の午前や午後の始値での取引きとなる)ので、適当な株を買っても売るまでの価格変動リスクがありますので、できるだけリスクを避けて、コストを極力小さくする方法が必要です。
大きく3つの方法があります。
国内債券ETFを買う
一番簡単な方法です。国内債券は値動きが少なく、外国株のような為替リスクもありませんので、価格変動リスクが小さくて済みます。
具体的には、NF国内債券(NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA‐BPI総合連動型上場投信)というETF、もしくは、iS日国債(iシェアーズ・コア 日本国債 ETF)というETFを買って、売却可能なタイミングですぐに売る、という方法です。
ただし、価格変動が少ないとは言え、下落のリスクはあります。特に債券利率が上昇したりすると債券価格が下落するのでその影響を受けます。とは言え、逆に価格が上昇する可能性もありますので、細かいことは気にしない、と言う場合には、一番簡単です。
NF日経225とNF日経インバースを同時に買う
NF日経225(NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信)という日経平均に連動するETFと、NF日経インバース(NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信)という日経平均とは逆の動きをするETFを同時に同額買う、と言う方法です。
このようにすれば、片方が下落してももう片方は上昇して、損益を打ち消しあうので価格変動リスクはゼロということになります。
少しでも価格変動リスクがあるのは気持ちが落ち着かない、という場合には、こちらの方法が次に簡単です。ただし、値上がりによる利益も期待できないので、コストとして手数料(スプレッド)が固定的にかかることになります。
また、価格変動に伴う端数処理の関係があったり、そもそも2つのETFが完全に誤差なくピッタリと真逆の動きをするわけでもないようで、両方の差額が必ずしもゼロになるわけではありません。
とは言え、価格変動そのもののリスクに比べれば小さなものです。
下の例は私が両ETFを500円ずつ合計1000円購入した例ですが、ご覧のように、2円差額が出て評価額が合計998円となっています。
単元株化&信用売りの組合せ
取引きにかかるコストは一番安くて済みますが、複雑な手順ですし、株の取引きに慣れていない方にはとっつきにくい方法ですので、簡単に手順だけ、こんなやり方もあるという紹介程度にします。
フロッギーでは、100円から株の購入が可能ですが、一般の証券会社では100株単位(単元株)での取引きが基本です。そして、フロッギーで購入した株も100株まとまると単元株となり(単元化)、フロッギーではなく日興証券イージートレードで扱うことになります。
一方、日興証券イージートレードでは、現物取引だけではなく、信用取引と言って株や資金を借りて売買することも可能です。
これらを利用し、まず、フロッギーで100株の株式をdポイントで購入し、同時に日興証券で同じ株100株を信用売りします。その後、フロッギーで購入した株が単元化されたものを信用売りしていたポジションに渡し、相殺します(現渡と言います)。これで取引終了で、現金が口座に残ります。
ただし、日興証券で信用取引を行うには、別途手続き・審査が必要で、また、一定の現金(最低30万円以上)を保証金として入金しておく必要があります。
この手法の利点は、売りと買いを同時に出していますので株価の変動によるリスクを負わないということと、イージートレードでは信用売りの手数料が現在のところゼロ円なので、全体のコストを非常に安く抑えられるということです。
ただ、100株を購入するので、選ぶ銘柄は低位株と呼ばれる安い株を選ばないと、大量のポイント(資金)が必要になりますし、貸株料という信用売りにかかる利息も嵩んでしまいます。
また、フロッギーでの買い注文は、株数単位ではなく金額単位なので、注文から約定までの変動もあり、100株ピッタリ購入するのは難しいので、足らずの追加や余りの処理などの手間も発生します。
このような感じですので、最初に述べたように普段株の取引きをしていない方が「ともかくポイントを現金化したい」と言う場合の手法としてはお勧めはしません。
大和証券CONNECTとの比較
期間限定ポイントを含めてdポイントを使って株を買うことができるのは共通です。
CONNECTにも「ひな株」という商品があり、1株から取引が可能で、少額の取引、少額のポイント利用が可能です。
CONNECTの手数料(スプレッド)は、買い・売りともに0.5%、合計1%必要であるのに対して、フロッギーの場合は売りの0.5%(ポイント還元を含めると実質0.3%)です。
また、CONNECTのひな株の対象銘柄にはETFがありませんので、国内債券や日経平均のようなインデックスファンドのETFではなく、個別株を購入する必要があります。
一方で、CONNECTはリアルタイムでの取引ができますので、株価の動きを見ながら購入・売却のタイミングをはかることができます。とは言え、買った株の価格がどんどん下がっていってしまうとどうしようもないので、価格変動リスクそのものを回避できるわけではありません。
株の取引に慣れている、詳しい方に向いていると言えるでしょう。
CONNECTでは、不定期に「株のタイムセール」という割引価格で株が購入できるイベントがありますので、これを利用できれば、株価の変更リスクを抑える(場合によっては儲かる)ことができます。
ただし、非常に人気なので、目玉商品は取り合いですぐに売り切れることも多いようです。
なお、株のタイムセールは不定期なのですが、例えば、2023年9月は、19日、26日にされているようです。 株のタイムセールの情報はこちらから見ることができるようです。
ちなみに、CONNECTでdポイントを使う場合、一旦現金で発注を行い、約定されてからdポイントに振り替えるというやり方ですので、一定額の現金をあらかじめ入金しておく必要があります。
フロッギーの場合は、現金が無くともdポイントの残があればそれだけで購入が可能です。
また、CONNECTには「まいちに投信」という投資信託の積立にdポイントを使うことができますので、これを利用して現金化することも可能だと思います。
100円(100ポイント)から積み立てできますし、国内債券ファンド(eMAXIS Slim国内債券インデックス)も対象銘柄にあります。
ただ、積立て停止や再開はできるようですが、基本は毎日の積立ですので、扱いは面倒な気がします。
実際にやってみて
ここで紹介した、日興フロッギーでの国内債券ETFの売買、NF日経225とNF日経インバースの両建て、どちらの方法も特に難しいことはありません。
コスト分の目減りはありますが、無事に現金にして出金することができました。
ちなみに日興フロッギーはサイトの構成が普通の証券会社と全く異なるのでどこから株を買うのか、戸惑うかも知れませんが、検索窓に買いたい株を入力して探すのが簡単です。
無事に、購入売却できて現金化できれば、指定の銀行口座に出金できますが、出金は最低1000円以上でないとできませんので、御注意ください。
紹介した2つの方法のうち、NF日経225とNF日経インバースの両建ての方が個人的には気分的に楽です。価格変動のリスクが(ゼロというわけではないが)ほとんどありませんから。ただし、0.5%(実質0.3%)のコストは必ず発生することになりますので、その辺はお好みで。
株の取引をやったことがないという方でも、上記のどちらかの方法なら簡単ですので、コスト分の目減り(債券ETFを買って値上がりすればコストを相殺できますが)をどう考えるかですが、dポイント(特に期間限定ポイント)の使い道に困っているならやってみられてはどうでしょうか。
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