電気料金プランを変更しました ~燃料費調整単価のお話~

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UnsplashのSteve Johnsonが撮影

 電気料金が高騰しているため、料金プランを変更しました。
 私は関西電力のエリアに住んでおり、「eおとくプラン」といういわゆる自由料金プランに契約していましたが、従来からある普通の「従量電灯A」というプランに変更しました。
 その理由が「燃料費調整単価」の高騰です。

 「従量電灯A」などの従来からあるプランは「燃料費調整単価」に上限が設けられているのに対して、電力の自由化に伴って生まれた自由料金プランには上限がありません。
 また、他の電力会社やいわゆる新電力なども、もともと上限を設けていないか、設けていても撤廃されている状況です。

 このため、このところの燃料費の高騰によって、燃料費調整単価が上限を突破しており、「従量電灯A」のプランの方が安くなりそうなので、プラン変更をしました。

 今回はこの点について少し調べてみたことや実際のやり方などを説明しますので、何かの参考にしていただければと思います。


(2024.7.6)この記事は、2023年1月の状況をもとにしています。その後、全国的には大きな改定がありました。この点を含めその後の状況については、「電気料金(燃料費調整単価)のその後を調べてみた 「規制料金」「自由料金」どっちがお得?」を参照ください。


電気料金の算定方法

 電気料金はざっくり言うと下の図のように算定されます。
 細かくは、電力量料金単価が段階的であったり、新電力などによってはそもそも基本料金が無い(その分単価が高額)場合があったり色々ですが、今回のお話はおおまかに下の図を理解していればOKです。

(関西電力ホームページより)

 このように、1ヶ月の電気使用量に応じて「燃料費調整額」というものがオン(場合によってはオフ)されているわけです。

燃料費調整額とは

 燃料費調整額とは、その名の通り、燃料費(原油、天然ガス、石炭)の調達コストを電気料金に反映させるためのもので、関西電力のホームページでは、為替や燃料価格などの影響を大きく受ける調達コストを迅速に料金に反映させるための制度と説明されています。

 燃料費調整額ついては、具体的な額、算定方法は電力会社によって異なりますが、電力自由化前からある「従量電灯A」などのプランの場合は上限が定めらています。
 一方、自由料金プランの場合は、冒頭にも書いたように、そもそも上限がなかったり、上限が撤廃されたりしています。

 例えば、下の図は関西電力の例です。 

(関西電力ホームページより)

 ゴチャゴチャしていますが、要するに「平均燃料価格」が27,100円を下回ればマイナス、上回ればプラスの調整をし、上限である40,700円を超えても「平均燃料価格」を40,700円として計算しますよ、ということです。
 つまり、燃料費調整額が青天井で上がっていくことはないということです。

 これは、従来からある電気料金プランが国の規制を受けており(料金設定に国の許可が必要)、簡単に値下がりもしないかわりに値上がりも限度がある比較的安定した料金ということです。

 一方で、関西電力のホームページの同じページですが、このような記載があります。

燃料費調整の上限値について

 電気供給条件(低圧)および料金表によりご契約のお客さまについては、燃料費調整における上限値はございません。
 詳細につきましては、お客さまのご契約内容(電気供給条件・料金表)をご確認ください。
<ご契約の例>
なっトクでんき、なっトクでんきBiz、はぴeタイム、はぴeタイムR、はぴeセット、eおトクプラン、eスマート10、時間帯別電灯、withポイントでんきd、withU-NEXTでんき、ふるさとECOプランfrom飛騨市 等

関西電力ホームページより

 分かりにくい日本語ですが、要するにここの例に挙げられているような自由料金プランについては、燃料費調整額の上限はありません、ということです。

燃料費調整単価の推移

 実際に燃料調整額はどの程度上昇しているのでしょうか。
 下の図は、「新電力ネット」というサイトに記載されている燃料費調整単価の推移です。
 電力会社によってバラツキはあるものの、全体として右肩上がりで上昇しているのがわかると思います。

実際にどのくらい差があるのか

 燃料費調整単価については、各電力会社がそれぞれ公表していますので、実際にお使いの電気使用量をかけて計算すればよいのですが、たぶん分かりにくいと思います。

 こちらの「新電力比較情報 NPCプラン」というサイトに、電気代シミュレーターがありますので、これで計算してみると良いと思います
 あちこちのシミュレーターを試してみましたが、そもそも燃料費調整額を考慮してなかったりだとか、基にしているデータが古かったり、あまり参考にならないものが多い中で、私が試した中ではこちらのサイトが一番正確でした。
2024.6.26 いつの間にかシミュレーターの利用が有料になっていました。購入をおすすめするわけではありません。個人で利用するにはやや高額かとも思いますので、利用するかどうかは個人の御判断でお願いします。)

 例えば、私が変更前に契約していた自由料金プラン「eおとくプラン」に比べて、「従量電灯A」は300kwの使用量で(時期にもよりますが)1か月の電気代が2,000円以上安くなる計算です。
バカにならない差だと思います。

プラン変更のやり方

 関西電力の場合、「はぴeみる電」という会員サイトに登録していれば、色々な手続きをオンラインできますし、プラン変更も一部のプランにはオンラインで手続きができるようでしたが、「従量電灯A」への変更手続きは、電話で申し込むようになっていました。

 ですので、コールセンターに電話をかけました。
 ただいま混み合っているという旨のアナウンスが流れて少し待たされましたが、そう時間がかからずにオペレーターに繋がり、「お客様番号」などいくつかの確認事項があった後、あっさりと「では、次回の検針日以降従量電灯Aに変更させていただきます」と、非常に愛想良く手続きが終了しました。

 プラン変更する理由も聞かれましたが、正直に「燃料費調整額」云々と答えると「分かりました。ありがとうございました。」という感じでした。

最後に

 一時期進んでいた円安もこの記事を書いている時点ではかなり円高にふれきてますし、原油価格が今後どうなるかによっても、燃料費調整単価自体どうなっていくか分かりません。プラン変更しても思ったほど安くならないかも知れません。
 また、上限設定されているプランであっても、上限そのものを改訂して料金が上昇していくことも十分予想されます。

 ですが、今のところ変更して大きく損することはないかなと思います。むしろ、変更するならもう少し早くやっておくべきだった、少し遅きに失したかな、という思いもあります。

 いずれにしても、あくまでも関西電力の場合の事例ですので、お使いの電力会社によってそれぞれ状況も異なると思いますので、もし何か検討される際には、御自身でよく確認されるようにお願いいたします。
 この記事が何か少しでも参考になれば幸いです。

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