投資信託などへのポイント利用 ~ポイントの現金化~

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 以前の記事で、メジャーな共通ポイントの使い勝手について書きましたが、そこではあまり触れなかった、投資信託などを活用したポイントの現金化について整理してみました。

 この記事はポイントの現金化に焦点を絞っていますので、投資や投資信託そのものについては、詳しく解説はしません。
 また、証券口座の開設方法なども詳しい解説がネット上に沢山ありますのでお調べ下さい。

 2023.4.15 共通ポイントではありませんが、PayPayポイントでETFや投信信託を購入できるサービスが始まりました。PayPayポイントの現金化については、こちらの記事をご覧ください。

 2022.12.03 CONNECT(2023年5月1日に大和コネクト証券に社名変更しましたが、本記事の表記はCONNECTのままとしています。)のサービスが拡充された(ポイントでも投信積立が可能となった)ので、記事を修正しました(dポイントの項目)。


なぜポイントを現金化するのか

 別にポイントを現金化しなくても、買い物などの時にポイントを使えば、現金と同じ価値で使えるのだから、わざわざ手間をかけて現金化する必要はないように思えます。では、現金化するメリットは何でしょうか。

 ざっと以下のようなメリットがあると思います。

 ただし、現金化が必ずしも「お得」とは限りません。「注意点」で書いたようなデメリットもあります。この点も踏まえて、他の利用方法も頭に入れておいた方が良いでしょう。

汎用性が高まる

 ポイントは現金と等価とは言え、提携店舗でないと使えませんし、スマホ決済の中で使おうと思っても、そのスマホ決済に対応しているお店以外では使えません。

 普段利用している店舗・サービスが貯めているポイントや決済手段に対応していれば、実質的に不便はないのかも知れませんが、現金にして持っておいたり、決済の引き落とし口座に現金として入れておく方が利用範囲が広いのは間違いありません。

ポイントの期限切れを回避

 ポイントを現金化することによって、ポイントが期限切れになるのを回避することができます。
 通常ポイントにも期限はありますし、期間限定ポイントはなおさら期限が短いので、無理やり使うくらいなら現金化して必要な時に必要なものを買った方が無駄がありません。

ポイントがさらに貯まる

 ポイントを使って買い物をした場合、ポイント利用分に対してはポイントが付与されません
 例えば、1000円の買い物で200円分のポイントを使った場合、買い物で付与されるポイントは800円に対してです。(ポイントの利用方法にもよりますが)

 これが、200円分をポイントのままでなく、現金化して使ったとすると、1000円分にまるまるポイントが付与されます。わずかかも知れませんが、貰えるポイントが増えることになります。
 しかも、現金化しておけば、お得な決裁方法を選ぶこともできます。

 ただし、下に書いているように、期間限定楽天ポイントを現金化する手段がないので、期間限定ポイントは、楽天ペイや楽天の関連サービスで使うことになります。


具体的な手法

ポイントで投資信託などに投資

 証券会社によって、ポイントで株や投資信託、ETF(※)を買えるところがあります。一般的に「ポイント投資」と呼ばれます。ポイントと現金を足して使える場合もあります。

 そのようにして購入した投資信託などを即売却することによって、現金化するわけです。

ETFとは
 あまり聞きなれない言葉かも知れませんが、ETFとは、株と同じように上場されている投資信託です。つまり中身は投資信託と同じですが、上場されているため、リアルタイムで取引価格が変動します(投資信託の場合は一日に1回、価格(基準価格)が決められます)。
 また、商品の数、種類はETFの方が圧倒的に少ないです。ですが、dポイントのところで解説するように、ポイントでETFは購入できるけれど投資信託は購入できないと言う場合があります。

 ポイント投資のできる主な証券会社と使えるポイントは次のとおりです。

  楽天証券 ー 楽天ポイント
  日興フロッギー(SMBC日興証券) ー dポイント
  CONNECT(大和証券グループ) ー dポイント、Pontaポイント
  SBI証券 ー T(V)ポイント、Pontaポイント
  auカブコム証券 ー Pontaポイント

  Pontaポイントはこのような方法でなく、auPAYとauじぶん銀行を使って現金化できます。
   後で番外編として説明します。

ポイント投資とポイント運用

 ポイントを現金の代わりに使って投資することを一般的に「ポイント投資」と言いますが、似たような言葉で「ポイント運用」というものがあります。
 ただ、用語は統一されているわけではなく、dポイントでは、ここで言うポイント運用のことをポイント投資と呼んでいます。

 この「ポイント運用」は、ポイントをポイントのまま疑似的に運用するサービスのことで、払い戻しをしても返ってくるのは現金ではなくポイントです。

 今回の記事の現金化とは関係ないので詳しくは書きませんが、ポイント運用のメリットとしては、普通の投資では利益が出た場合に約20%課税されますが、ポイント運用の場合は現金化したときに一時所得となり、合計で50万円以下であれば課税されません。

 一方、デメリットとしては、あくまでも疑似的な投資であるため、選べる投資対象が非常に少なく、アクティブコース、バランスコースなどせいぜい数種類の中から選べる程度です。

注意点(価格変動リスクと取引コストなど)

 投資信託や株式、ETFを購入し、それを売却するという手法ですので、価格変動によるリスク取引コストの発生があります。
 つまり、現金化することでポイントの価値が減ってしまうこともある、ということです。

 価格の変動については、下がることもあれば上がることもありますが、ポイントの現金化が目的であれば、できるだけリスクは小さくすべきです。値上がりを狙うのであれば、本気の投資で頑張りましょう。

 ですので、対象の商品としては、価格変動の少ない「国内債券」を内容とする投資信託やETFが良いと思います。
 また、株式は通常100株以上の単位でないと売買できないので相当高額になります。少額取引をするには、単元未満株(1株単位など)の取引が可能な証券会社が必要です。

 取引コストについては、株やETFの場合、購入や売却に伴う手数料や、手数料と明記していなくても買値と売値に差が設けてあって(スプレッドと呼ばれます)、実質的な手数料が発生する場合があります。

 投資信託の場合は、購入手数料が無料のものも沢山ありますが、それとは別に、信託報酬信託報酬留保額というものがあります。信託報酬は、投資信託を運用するのに伴う手数料で1年で何%と定められているので、購入後すぐに売却するのであれば、日割りにすれば、ごくわずかな金額となります。
 一方で、信託報酬留保額とは投資信託の売却に伴う費用で保有期間に関係なく一定率で何%とかかってきますが、これがゼロというものも多いので、そうした商品を探しましょう。

クレカの利用代金にポイント充当

(2024.4.26)クレカによる投資信託積み立てを即売却するという方法を紹介していましたが、証券会社からするとやってほしくない、あまりお勧めできない方法ですので、その部分は削除いたします。

 なお、本来の意味での現金化ではありませんが、普通にクレジットカードで投信積立をしたり、普通に買い物等でクレジットカードの利用があれば、単純にその代金にポイントを充当するだけでも実質的な現金化にはなります。

 どのみち銀行口座から現金が引き落とされるので、そこにポイントを充当できれば、現金として使ったのと同じことです。買い物で直接ポイントを利用するよりもカード利用のポイント還元があるので、その分お得です。

 今回紹介している共通ポイントに限らず、カード利用で貯めたポイントをカードの支払い代金に充当することができるクレジットカードは結構あります。
 こちらの記事「ポイントのお得な使い方と注意点」を参照ください。


それぞれのポイントごとの注意点

楽天ポイント

 楽天証券の豊富な商品に対してポイントを使って投資できるので、現金化を狙うにあたっても使い勝手は良いと思います。

 ただし、欠点としては、期間限定ポイントが使えないということです。
 以前の記事でも書いたように、楽天はキャンペーン等で沢山ポイントをくれたりするのですが、そのほとんどすべてが期間限定ポイントです。

 期間限定ポイントは基本的に買い物、サービスの購入で使うしかないですし、楽天市場や楽天ペイなどで使うことになるのですが、利用期限も短いことが多いので、何だか買い物を急かされているような気になってしまいます。楽天関連サービスをガッツリ使っている人は違うのでしょうけれど。

 ちなみに、期間限定ポイントはポイント運用でも使うことができません

(2023.4.19) 4月17日から楽天証券でも単元未満株を扱うようになりより使いやすくなりました。(楽天証券のお知らせページ
 対象銘柄は限定されていますが、銘柄によってはリアルタイム取引も可能です。手数料、スプレッドについてはお知らせページをご覧ください。

 ここまで書いておいて何ですが、楽天ポイント場合、楽天市場での楽天カード利用にポイント付与の特典があったりしますし、投資で無理に現金化しなくても楽天カードの利用分に充当しておくのが一番無難な気がします。
 ただし、いずれにしても期間限定ポイントは使えないので買い物等で使うしかありませんが。

dポイント

 dポイントが利用できるのは、日興フロッギーCONNECTです。
 そして、2024年9月27日からマネックス証券でもdポイントが使えるようになりました(公式サイトのお知らせ)。

 なおSBI証券では、dポイントを貯めることはできますが、現時点では使うことは出来ないのでご注意ください(そのうちにサービスが始まるとは思いますが)。

 dポイントで購入できるのは、CONNECTの場合、「ひな株」「ひな株USA」と言う1株以上の単元未満株もしくはETF(ETFはひな株USAのみ)、「まいにち投信」という投信積立です。
 日興フロッギーの場合は、100円以上の単元未満株もしくはETFになります。
 マネックス証券の場合は、投資信託の買い付けです。ただし、連携するポイントをマネックスポイントからdポイントに変更することが必要です。

 手数料については、CONNECTは、ひな株の場合は売買往復で実質1%、投信の場合は信託財産留保額など一般的なものと同じです。日興フロッギーは0.5%かかります。

 dポイントについて、日興フロッギー、CONNECT、マネックス証券を利用する最大のメリットは、期間限定ポイントでも利用できるという点です。
 dポイントも、キャンペーン等でもらえるのは期間限定ポイントであることが多いので、ここで使えるというのは大きなメリットだと思います。

2023.2.16 日興フロッギーを使って実際にdポイントを現金化してみました。こちらの記事も参考にしてみて下さい。


 ちなみに、まったく違う話になりますが、dポイントの場合も期間限定ポイントはポイント運用には使えません。念のため。

Vポイント

 Vポイントが利用できるのは、SBI証券です。

 国内債券を内容とする投資信託を購入するのが良いように思います。

 注意点としては、TポイントとVポイントの統合に伴い、これまでVポイントをメインポイントに設定していた場合は、設定をしなおす手続きが必要です。
 詳細は、こちらの「Tポイント・Vポイントの統合に伴うお手続きのご案内」を参照してください。

 ただ、T(V)ポイントも、現金化するなら次の番外編で現金化する方が確実ですし、クレジットカードの利用代金に充当しても良いと思います。

Vポイント(番外編)

 2025年8月でJRキューポからPontaポイントへの交換サービスを終了する旨の発表がありました。(プレスリリース2ページ目の最下段を参照)
 ですので、以下の方法はそれまでとなります。
 Vポイントは、WAON POINTに交換しても良いし、三井住友カードの利用料金に充当することもできますが、選択肢が減ってしまうのは残念です。

 T(V)ポイントは、「JRキューポ」というJR九州のポイントを経由することで、Pontaポイントに交換することができます。(いずれも500ポイント以上で交換可能)
 そしてその後、次項で説明するようにそのPontaポイントを現金化すれば良いわけです。
 以下のような流れです。

 T(V)ポイント → JRキューポ → Pontaポイント → 現金化 


 JRキューポは、Gポイントや永久不滅ポイントなど他のポイントにも交換可能なのですが、その場合対応するクレジットカードが必要です。
 Pontaポイントであれば、JRキューポのサイトに会員登録するだけで交換可能です。

 ちなみに、TポイントとVポイントが統合したので、ちょっとややこしいですが、Vpassのアプリやサイトからではなく、Vポイントサイト(旧のTポイントサイト)から交換申請します。
 また、交換にはV会員番号が必要ですが、「スマートフォン専用のV会員番号では、JRキューポへのポイント交換をご利用いただけません」とあるので、モバイルVカードの発行で取得した会員番号ではダメで、リアルカードが必要ではないかと思いますので、ご注意ください。

 JRキューポからPontaポイントへは、JRキューポのサイトから申請します。

 auじぶん銀行やauPAYを利用しているのであれば、この方が簡単だと思いますが、三井住友カードを利用しているのであれば、カードの利用代金に充当する方が手っ取り早いです。

Pontaポイント(番外編)

 Pontaポイントは、証券会社でも利用することはできますが、現金化するにはそのような面倒な方法は必要ありません。
 各種ポイントの中でも、現金化するのが最も簡単と言えます。
 ただし、auじぶん銀行に口座を持ち、auPAYを利用するのが前提となります。

 auPAYにはチャージした現金をauじぶん銀行に払い出す機能がありますが、個別に指定して払い出すと手数料が必要なところ、自動払い出しの設定をして自動的に払い出される場合には無料となります。
 また、現金だけでなく、auPAYの残高にチャージしたPontaポイントも払い出しの対象となります。

 ですので、auPAYの自動払い出しを「毎日、全額」と言うように設定しておき、auPAY残高にポイントをチャージすれば、翌日にはauじぶん銀行の口座に現金として払い出されます。


最後に

 最初の方で、なぜポイントを現金化するのか書きましたが、ただ、現金化するには証券口座などを持っておく必要があったり、それなりに手間がかかったりします。

 自分が良く利用するお店、サービスでポイントが利用できたり、該当のスマホ決済が使えるのであれば、少額のポイントならそれで使ってしまうのが簡単ではあります。

 証券口座を開いて投資信託などを購入するのは、経験のない人には敷居が高いかも知れませんし、投資商品の購入には多かれ少なかれリスクが伴うものではあります。
 そうではありますが、少額であったり、ポイント利用であれば、損失もそう痛くないと思いますので、投資商品の購入を経験してみるのも良いかと思います。

 ただし、本格的な投資をされる場合には、しっかりと投資のことを学び、リスク等を理解した上で行ってください

 なお、証券口座の開設には、ポイントサイトで案件が出ていないか調べて、ポイントサイトを経由するのをお忘れなく。
 ポイントサイトとはなんぞやということについては、こちらの記事も参考にして下さい。

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