三菱UFJカードの2024年7月31日まで還元率「最大」19%というキャンペーンは終了しましたが、2024年8月以降も最大15%還元という高還元率でキャンペーンを継続しています。
2025年1月まではこの内容で継続し、その後も、内容を変更してキャンペーン自体は継続するということのようです。
15%というと非常に大きな還元率ですが、「最大」とあるように15%を得るためには色々な条件がありますし、他のカードとはちょっと異なった仕組みだったり、注意点が色々ありますので、その辺りを紐解いてみました。
また、2024年8月1日から、高還元を得られる対象店舗が追加されています。
これまでのセブンイレブン、ローソンなどに加えて、くら寿司、スシロー、14のスーパーマーケットが追加されています。(プレスリリース)
色々な条件をクリアしなくとも、対象店舗で利用するだけで少なくとも5.5%の還元率は得られるので、対象店舗をよく利用される方にとっては、お得なカードと言えると思います。(ただ、この場合でも注意点はありますが)
ちなみに15%の内訳として、「いつものお店でポイント優遇」と「条件達成特典」となっていますが、「もれなく」なのか「条件達成」が必要なのかによる区分けです。
本稿では、こちらの区分けをもとに解説します。
なお、キャンペーンページはこちらです。エントリーが必要なキャンペーンとなっていますので、利用する場合には、エントリーを忘れないようにしましょう。
「いつものお店でポイント優遇」の部分に関しては、エントリー不要なようです。
三菱UFJカードの基本情報
2024年8月発行分より年会費永年無料となりました。これまでに発行された分についても、永年無料に改定する予定とのことです。これまでは、年会費1,375円ですが、初年度無料で年1回以上の利用で次年度以降も無料、いわゆる「実質年会費無料」でしたが。
ポイント還元率は、通常利用で0.5%。ただし、正確には、1,000円の利用につきグローバルポイント1ポイント付与と言う内容で、1ポイント5円相当で利用した場合0.5%になるということです。
さらにキャンペーン期間中は、対象店舗の利用でもれなく+5.0%、条件達成でさらに上乗せがあり合計で最大15%をうたっていますが、この辺りは後ほど詳しく説明します。
国際ブランドは4種類ともあり。 タッチ決裁にも対応しています。
また、公式のキャンペーンページでは、Apple Payへの対応は記載されていますが、Google Payについては記載がありません。ネットの情報ではGoogle Payにも対応しているようです。
ポイント上乗せの対象になるのは、通常のクレカ支払い、クレカのタッチ決裁、Apple Payでの利用、となっていますので、たとえ対象店舗で利用したとしても、Google Payに登録して支払うと、ポイント還元は基本還元率の0.5%のみという可能性が高いので注意しましょう。
キャンペーン狙いなら、Android民はスマホではなく現物のカードで決済するのが確実です。
「対象となるご利用方法」についてはこちらのページ中段下寄りを参照ください。
キャンペーンの対象店舗
対象となる店舗は、セブンイレブン、ローソン、コカ・コーラ自販機、ピザハットオンライン、松屋、松のや、マイカリー食堂、くら寿司、スシロー、OKなど14のスーパーマーケット です。
ただし、カードの国際ブランドがAmerican Expressの場合は、対象店舗が少なくなって、くら寿司は対象外、スーパーマーケットも4つだけとなります。
対象のスーパーマーケットは下図のとおりですが、くわしくはキャンペーンページをご覧ください。
なお、コカ・コーラは自販機、ピザハットはオンライン注文が対象、など、それぞれに注意点がありますので、キャンペーンページの「対象店舗についての注意事項」を確認してください。
キャンペーンページ内の対象店舗のロゴが並んでいる下にあります。
いつものお店でポイント優遇(5.5%)
15%というポイント還元は、「いつものお店でポイント優遇」という5.5%のポイント還元(基本還元率0.5%+スペシャルポイント)に、「条件達成特典(最大9.5%)」という複数のポイント上乗せが合計されたものとなります。
「いつものお店でポイント優遇」は、キャンペーンページで「もれなく全員」と記載されているように、対象店舗で利用すればそれだけで、基本還元率0.5%に加えて、スペシャルポイント5.0%、合計で5.5%のポイント付与があります。
もちろん注意点がありますが、あとで、全体をまとめて記載します。
条件達成特典(最大9.5%)
次に、条件達成特典(最大9.5%)の内訳ですが、
「楽Pay」or「分割払い」or「カードローン」(5.0%)
利用金額に応じて(最大1.5%)
携帯料金or電気料金(0.5%)
スマホでの支払い(0.5%)
アプリへのログイン(0.5%)
これらの条件のうち4つ達成でさらに(1.5%) です。
ちなみに、こちらの「条件達成特典」については、項目によって対象店舗以外での利用も判定に含まれますが、ポイント還元の対象となるのはあくまで対象店舗での利用なので、いくら条件を達成していても対象店舗以外での利用で付与されるのは、基本還元率の0.5%だけと言う点に注意して下さい。
また、「条件達成特典」のポイント付与の計算方法は、Q&Aによると「各ご利用期間中の対象店舗ごとのご利用分を集計のうえ付与」とあります。この文面だけでは、どう計算されるのかどうもはっきりしませんが、Q&A全体の書き方をみると、どうやら店舗(各社)ごとで計算され、支払方法については合算される、ように読めます。
「いつものお店でポイント優遇」のように利用方法ごとにそれぞれ集計されるということは無いようです。
ともかく、各項目を順番に見ていきましょう。
「分割払い」or「楽Pay」or「カードローン」(5.0%)
利用期間中に、「楽Pay」というサービス(リボ払いの一種)に登録する、もしくはカード利用分の支払いを3回以上の分割払いにする、もしくは、カードローンを1万円以上利用する、これらのいずれかを行うことで条件達成となります。
対象店舗以外での利用も対象になります。
ただし、分割払いやリボ払いには高額の手数料がかかります。(楽Payは設定と利用金額によって手数料が発生しない場合があるようですが)
登録、利用する場合にはよく注意する必要があると思います。
利用金額に応じて(最大1.5%)
1か月の利用金額が、3万円、5万円、10万円となるにつれ、ポイント還元率が0.5%ずつ上乗せされる仕組みです。
利用期間中にひと月でもこれらの金額を超えればOKということです。
また、この利用金額の計算には、対象店舗以外の利用も合算されますが、ポイントの付与の計算は対象店舗のみの利用金額で計算されます。
携帯料金or電気料金(0.5%)
携帯料金もしくは電気料金を三菱UFJカードで支払うことで条件達成です。利用期間中に1回以上売り上げが計上されていればOKというです。
ただし、対象となる携帯会社は、大手三社の本ブランド、サブブランドなどで、楽天は対象外ですしMVNOも対象外です。
電気料金も大手電力会社とauでんき、グローバルポイントでんきに限られています。
また、携帯料金や電気料金を三菱UFJカードで払ったとしても、対象店舗での支払い分のポイント還元率は上乗せされますが、携帯料金や電気料金の支払い分のポイント還元率は0.5%だけという点は注意して下さい。
この条件をクリアしてアップする還元率は0.5%なので、対象店舗での利用頻度によっては、あまり得にならないかも知れません。
スマホでの支払い(0.5%)
利用期間中に、Apple Pay(QUICPay)、Apple StoreなどのAppleサービス、Google Play これらのいずれかについて1回以上売り上げが計上されている場合、条件達成となります。
iPhoneユーザーなら、対象店舗でApple Payに登録した三菱UFJカードで決済すればそれでOKなのですが、Androidユーザーは、Google Payの利用ではダメなので、Google Playで何か購入(アプリ、書籍、動画など)しないといけないということになります。
アプリへのログイン(0.5%)
利用期間中に「MUFGカードアプリ」へ1回以上ログインすればOKなので、これは簡単です。
上記の条件4つ達成(1.5%)
上記の条件5つのうち4つ以上をクリアすることで、1.5%がさらに上乗せされます、というものです。
リボ払い・分割払いやカードローンの条件をパスすると、残り4つ全部をクリアする必要があるので、はちょっと厳しいかも知れません。
注意点
ポイントの計算方法
ポイントの計算は、1か月の利用金額で計算されるのですが、利用額1000円単位で計算されます、ということなので、1000円未満(例えば999円)の利用では、ポイントの付与はありません。
1999円の利用では、1000円に対してポイント付与され、999円分は切り捨てられます。
そして、特に注意が必要なのが、「各社単位でのご利用金額に応じて」あるいは「対象店舗ごとのご利用分を集計」とされていることです。
これは、例えば、セブンイレブンとローソンの利用額は合算しない、セブンイレブンならセブンイレブンだけで1000円単位で計算されるということだと思います。
松屋フーズのデリバリーは、国際ブランドによって合算の仕方が異なるようです。
加えて「いつものお店でポイント優遇」の部分については、各社においても各利用方法ごとのご利用金額に基づきポイント付与」と注書きがあります。通常のクレカ利用、タッチ決裁、Apple Payでの利用がポイント付与対象なのですが、ここで言っているのは、それぞれの決済方法ごとに利用額を集計をする、ということのようです。
さらに細かな計算ルールもあるようなので、公式ページをよくご確認ください。
「条件達成特典」については、利用額の集計は店舗ごとにされますが、決済方法が異なってもそれは合算されるようです。
ポイント付与上限
キャンペーンの注意事項として、「本特典の最大15%還元となるご利用金額は、各ご利用期間中の対象店舗合算金額29,000円が上限です。上限を超えるご利用分については5.5%還元となります。」とあります。
あわせて、「いつものお店でポイント優遇」についてはポイント付与の上限は無いと記載されています。
つまり、対象店舗での利用合計金額が29,000円を超えると、「いつものお店でポイント優遇」分の5.5%還元だけになりますよ、ということです。
付与されるポイントが29,000円分ではなく、利用額集計の対象が29,000円が限度ですよということなので、ご注意ください。
なお、ここで「各ご利用期間中」とあるのは、キャンペーン期間が、2024年8月1日~10月31日と2024年11月1日~2025年1月31日の2つに分かれているので、それぞれで、ということです。
対象店舗以外の利用は基本還元率0.5%のみ
繰り返しになりますが。
条件達成に必要な利用に関しては、対象店舗に限りませんが、ポイント還元に上乗せがあるのは、あくまで対象店舗での利用のみです。
苦労して15%還元の条件をクリアしても、対象店舗以外で使えば、0.5%の還元しかありませんので、注意しましょう。
ポイントの利用方法によって還元率が変わる
これまで、何%還元と言ってきましたが、あくまで1ポイントあたり5円相当で利用した場合の計算、ということです。
ポイント利用の仕方は色々ありますが、正直、1ポイントあたり5円相当という利用方法は多くありません。
この点は、次の「ポイントの利用方法」の項目をご覧ください。
その他
このキャンペーンは、あれこれ注意事項が多すぎて、私も一通り見ましたが、全部拾い切れているか自信がありません。
このページの最下段に「キャンペーンのご注意事項」というのがあるので、このキャンペーン目当てに三菱UFJカードを作ろうかと思っておられる方は、注意事項の内容をよくお読みください。
ポイントの利用方法
この点も非常に重要な点です。
キャンペーンページの注書きにもあるとおり、ここで示されている15%や5.5%などのポイント還元率は、「1ポイント=5円相当の商品に交換した場合」です。何に交換するかによって1ポイントの価値が変わります。
三菱UFJカードで貯まるポイントは「グローバルポイント」というポイントです。
いわゆる共通ポイントである他社ポイント(dポイント、Pontaポイントなど)に交換できますが、その場合は交換レートが5円相当ではなく、4円や3円相当に下がります。
最低交換単位は200ポイントです。
カードの利用代金に充当することもできますが、こちらも1ポイント4円相当にレートが落ちます。
1ポイント5円相当で使えそうなのは、Amazonギフト券(現物ではなく電子ギフト券の方)かビックカメラのビックポイントくらいでしょうか。
ということで、ポイント利用の面では、ポイント還元率のことを考えると、使い道は限られてきます。
結論
以上の通り、条件が色々あって、最大の15%の還元率を得るのはそう簡単ではなさそうです。
「いつものお店でポイント優遇」(5.5%)は「もれなく」なので、あと簡単に達成できそうな「アプリへのログイン」を足してやっと6%還元です。
ポイント付与の計算方法も複雑で、ライバルとなる三井住友カードに比べると、ポイントの取りこぼしが多そうです。
とは言え、三井住友カードで対象となっていない店舗(松屋系列、ピザハットオンライン、コカ・コーラ自販機、スーパーマーケット)の利用が多いのであれば、お得なカードだと思います。
最後に、余談になりますが、個人的には、高還元率を大きく打ち出して実は条件が色々複雑、というのはあまり好きにはなれません。何となく、大手携帯会社の利用料金やそのPRを思い出してしまいます。
多くのサービスでよくあることですが、見かけと実態が乖離しているというよりも、自分にあったサービスなのかどうなのか利用者が判断しずらい点が問題だと思います。いろいろなサービスについて分かりやすい仕組みにして欲しいものです。
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