イオンモバイルのブランドで通信事業も展開しているイオンですが、少し以前にこんな記事がありました。
イオンモバイルが「既存ユーザー最優先」に取り組む理由とは
長い記事ですが、ざっくり言うと、既存ユーザーに料金の安いプランを提案するサービスをはじめとして、ユーザーあたりの利用単価を下げるようなサービスを提供する、その狙いは? というような記事です。
もともとイオンモバイルは、スマホの不調時の相談だけでなく、他社への乗り換え相談に乗ったりするなどのサービスを無料で行っていましたが、一見儲けに繋がらないようなサービスをさらに拡充するということです。
記事の中で「商人が作った通信プラン」という言葉が使われていますが、比較的安い料金で対面サポートなどの手厚いサービスを提供し、既存ユーザーの満足度を上げて、イオングループ全体のブランド価値を上げようとされているように見受けられます。
他の通信会社とは一味違う「志」は非常に好感が持てますが、実際のところ利用者にとって使い勝手はどうなのか、というところが問題です。
そこで、今回は、イオンモバイルを2年近く利用している私が、イオンモバイルの実際の使い心地やメリット、デメリットなどをお伝えしようと思います。
イオンモバイルの概要
イオンモバイルは、当然ですが、MVNO(いわゆる格安SIM事業者)の一つです。
au回線とdocomo回線に対応しています。
多くのMVNOがオンラインでの手続きのみであるのに対して、イオンモバイルはイオンモールやショッピングセンターのイオン店舗内で、対面での手続きやサポートを提供しているというのが特徴です。
また、数は豊富というわけではありませんが、端末の販売も行っています。
イオングループということで、キャンペーンなどではWAONポイントによる特典付与になります。
イオンモバイルの公式HPはこちらです。
イオンモバイルのメリット
比較的安く豊富な料金プラン
基本使用料は、MVNOの中にはもっと安いものもありますが、まあまあ比較的安い部類だと思います。
3GBで月額980円(税込み1078円)です。
また、1GBから10GBまでは1GB刻みでプランが選択でき、そこから50GBまでは10GB刻みで選べます。
容量の変更も自由で、毎月変更するということもできます。
さらに、一つの容量を複数人(5人まで)で使えるシェアプランというのもあります。
一人で複数回線シェアするというのもOKです。
通話料についても、30秒11円と大手キャリア(MNO)などの半額です。
分かりやすい料金プラン
プランの内容は豊富ですが、その内容は基本的には細かい単位でギガ数が選べるというもので、非常にシンプルでわかりやすいです。
大手キャリアによくあるような、いわゆる「○○割」など特定のオプションや関連サービスとの組合せで料金を下げて「実質○○円」という実態の分かりにくいような料金プランではありません。
この点は、個人的には非常に好感が持てる点です。
以前はMVNOの料金プランは須らくシンプルでしたが、一部ではありますが複雑なものが増えてきたような気がします。大手キャリアは言わずもがなですが。
対面サポート
多くのMVNOがオンラインでの手続きのみで、対面での手続きやサポートを行っていない中、対面で手続きができたり、サポート(有料、無料があります)があるという点も特徴です。
もちろん、実店舗での手続きは面倒という人は、WEBでも様々な手続きが可能です。
例えば、無料サポートとしては、「スマホメンテナンス」という名称で、簡単な端末の使い方の見直しや料金プランの見直しなどについて相談できます。
ただし、データ移行やアプリのダウンロードなどの「設定サポートサービス」は有料です。(こちらを参照)
イオンカードでポイント4倍
イオンマークのクレジットカードで月額料金を支払うと、WAON POINTが通常の4倍もらえます。
200円につき4ポイントと言う計算です。
通常は0.5%還元なので、2%還元と言うことです。dカードゴールドの10%ほどではありませんが、こちらはノーマルカードでOKなので。
その他
他のMVNOでもよくあるサービスなので特別メリットとは言えませんが、こんな点もありますよ、というのを列記すると。
契約期間縛り・契約解除料金無し 今は大手キャリアでも縛りルールはありませんので
余った容量を翌月末まで繰越し 翌月までですが、余った容量を繰り越せます
高速通信オン・オフ機能 低速時は200kbpsです
イオンモバイルひろば 利用者同士で相談や情報交換ができます
イオンモバイルのデメリット
通信速度の落ち込み
通常時はそれなりの速度(下り40~50Mbps前後)が出ていますが、平日の昼休みの時間帯はぐっと落ち込みます。 体感でも、重いWEBページなどは遅いなと感じます。
ただ、これは多くのMVNOが同じようなもので、大手キャリアやサブブランドには適わないところ、致し方ないかと思います。
イオンモバイル自身がデータも公開していますので、参考までにこちらを。
参考速度の計測結果(2022年)
ちなみに、資料中の「タイプ2」というのはデータ通信専用SIMなので、音声通話が必要無いなら、落ち込みも無く快適に利用できそうですけれどね。
対面サポート店舗の数は限られる
対面サポート等は、すべてのイオン店舗が窓口となるわけではありません。契約手続きだけをやっているところ、「エントリーパッケージ」の販売だけのところなどもあります。
(対応店舗はこちらから確認できます)
公式では全国200店舗以上と謳っていますが、「全国で」ですので、この点も大手キャリアやサブブランドには適いません。
とは言え、対面サービスがあるというのは、それはそれでメリットかと思います。
eSIMには非対応
物理SIMが必要なく、設定変更だけで使えるeSIM。物理SIMを受け取ったり、入れ替えたりする手間をかけずに、通信事業者の乗り換えや機種変更の際もオンラインの手続きだけで済むので便利です。
eSIMを利用するためには、端末と通信事業の両方がeSIMに対応している必要がありますが、残念ながらイオンモバイルは対応していません。
MVNOでも、mineoやIIJmioなどは対応していますので、イオンモバイルも将来的に対応してくれれば、と思います。
利用明細の内容がそれほど詳しくない(詳しい内容もありました)
(2024.3.30)すいません、私の勘違いでした。確かに利用明細のところでは端末ごとの利用内容を詳しく確認することはできないのですが、マイページのトップ画面、「SIMカード」という項目に契約している端末の電話番号一覧がありますので、そこをクリックすれば、各端末の詳細なデータを確認することができます。
もちろんイオンモバイルの利用明細も必要なことはちゃんと書いてあります。
ただ、以前に使っていたmineoの場合は、(複数端末でも)端末ごと内訳(このときも親子回線で利用)など割と細かいデータが分かったのですが、イオンモバイルの方が詳細データは少ないです。
独自メールアドレスが無い
MVNOでも独自メールアドレスが付帯しているところもありますが、イオンモバイルにはありません。
ただし、MVNOの場合は、キャリアメールとは違いWebメールと同じ扱いなので、GmailやMicrosoftなどのメールアドレスと大した違いはありません。
以前は、キャリアメールでないと信頼性が低い、相手に弾かれるというようなケースも多くありましたが、環境も変わりつつあるように思います。
むしろ、通信事業者ごとの契約に付帯するメールアドレスは、事業者を乗り換えたときに面倒なので、最初から使わない、という場合もあると思います。
私自身、mineoでは独自メールアドレスが付与されましたが、全く使いませんでした。
最後に
イオンモバイルを使い出してかれこれ2年近くになりますが、今のところ、大きな不満はありません。
一番の不満と言えば、平日昼休みの時間帯の通信速度の落ち込みです。
ですが、多少の違いや一時的な差はあったとしても、これは多くのMVNOで似たり寄ったりな状況だと思います。
この点を重視するのであれば、大手キャリア本ブランドかサブブランドにするべきかと思います。
サービスの内容や訴求の仕方を見ても、イオンもバルのターゲットは比較的高い年齢層かと思います。スマホの設定等が苦にならず、対面サービスなんて必要ないよ、むしろマニアックなところを攻めたい、という向きにはあまり興味を引かないかも知れません。
ですが、分かりやすい料金体系など基本的なスタンスにはとても好感が持てます。
私自身はしばらくはイオンモバイルを使い続けようかと思っています。
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