小さなお葬式 利用してみました

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UnsplashのMayron Oliveiraが撮影した写真

 少し前に身内に不幸があり、葬儀を「小さなお葬式」にお願いしました。

 テレビで宣伝をよく見るとけど、実際にどうなんだろうなどと思っておられる方もいらっしゃるんじゃないかとと思います。

 そこで、実際にお願いする際の流れや近隣の葬儀社に直接お願いする場合との違い、良かった点、注意点などについて、お伝えしたいと思います。

小さなお葬式のしくみ、依頼方法など

 「小さなお葬式」はTVでもよく宣伝しているのでご存じでしょうが、小規模な葬儀をリーズナブルな価格で提供するのを売りにしている葬儀サービスです。

 ただし、葬儀そのものを行うのは提携している各地域の葬儀社になります。
 これは、いわゆるフランチャイズとは違い(実際の契約はどうなっているのか分かりませんが)、それぞれの葬儀社は、直接(小さなお葬式とは関係なく)葬儀の依頼を受けることもある(各社それぞれのサービス内容と料金で)し、小さなお葬式経由で依頼を受ける場合もあるという形のようです。

 つまり、小さなお葬式に依頼した場合でも、実際には、近隣の葬儀社の方が遺体の搬送(引き取り)から具体的な打合せ、葬儀、役所への届出や火葬の手配など一連のことを担当することになります。

依頼の仕方

 実際に小さなお葬式へ依頼する方法は、ホームページにも掲載されているフリーダイヤルに電話をするだけです。 365日24時間対応、ということです。

 そうすると、電話で応対したスタッフの方が、遺体のある(病院や施設などの場合が多いと思いますが)の住所や一旦自宅へ搬送するのかどうするのか、希望のプランなど必要なことを聞き取って、近隣で空きのある式場、葬儀社を手配し、どこの式場か決まれば、折り返し連絡が来るというような流れです。

 ホームページには全国のどこに提携の式場があるのか載っていますので、希望があれば、最初に電話で依頼する際にここの式場でお願いしたいと伝えると良いと思います。
 特に希望していなくとも、あるいはどこが良いのか分からないという場合でも、小さなお葬式の方で近隣の式場を手配してくれますが、空き状況などによってちょっと遠いところを案内されるケースもあるらしいので、希望があれば伝えた方が良いと思います。

その後の流れ

 その後は、普通に葬儀を依頼した場合と同じです。
 担当する葬儀社の方と細かな打合せをし、その流れで進めていきます。葬儀はいつ何時に開始するか、参列者は何人かなどなど。

 小さなお葬式は、通夜式をするかしないかなどの違いでいくつかのプランがありますが、細かなバリエーションやオプションはほとんどありません。
 ですが、葬儀社との打ち合わせの中で希望すれば、オプションで、例えば、生花や祭壇を増やすなどもっと華やかにするようなことも可能です。当然、別料金が発生しますが。


良かったところ

分かりやすい

 葬儀社にもよると思いますが、普通に葬儀を依頼した場合、祭壇の大きさや生花の数・種類、遺影の飾りなどにはじまって、決めなければならない事項が本当に沢山あって、どんな内容でどの程度にすれば良いのか迷ってしまいます。

 その点、小さなお葬式は、プランによってパッケージ内容がほぼ固定されています。パッケージに含まれている内容もホームページやパンフレットに具体的に記載されており、明快です。もちろん、オプションでさらに追加や変更をすることも可能ですが、基本の内容で何かが無くて困るということはありません。
(ただし、この辺は個人の考え方で、もっと豪華な方が良かったという場合もあるとは思います。また、例えば、地域の風習などで必要なものがパッケージに含まれていない場合もあるかもしれませんが、その場合は、葬儀社の方から提案があると思います。)

 なお、葬儀社の方も、小さなお葬式を頼むお客さんだから簡素な式を希望しているのだろうと考えているのか、オプションを強く進めてくることはありませんでした(葬儀社によるかもですが)。

リーズナブル

 故人が亡くなる前から、近隣の葬儀社数社に相談をしていましたが、そもそもそんなに簡素なプランが無かったり(強く望めばやってくれたのかも知れませんが)、同じような内容でも価格が高かったりという感じで、小さなお葬式は豪華ではありませんが、価格的には安いと思いました。
 ただし、必要最小限の内容ですので、それでも良いと思うかですし、もっと豪華にしたいと思ってオプションを追加すれば、当然価格は上がっていきます。

 ちなみに、これはホームページにも記載がありますが、葬儀を依頼するよりももっと早い段階であらかじめ資料請求を行っておくと5万円の割引が適用されます。
 資料請求は、電話でもWEBからでもできます。請求すると小さなお葬式に関する分厚いパンフレットや葬儀の流れなどについて解説した資料などが送られてきます。

寺院の手配も依頼できる

 葬儀社によっては、寺院との仲介をすべてやってくれて、お布施などの金額もこれで、と言ってくれるようなところもありますが、私が近隣の葬儀社に相談した中では、寺院の紹介はするけれど交渉は直接やってくれ、と言うところばかりでした。(地域にもよるのかも知れません)

 普段、寺院と全く付き合いの無い身としては、どうすれば良いのか、結構不安です。

 小さなお葬式の場合は、最初に葬儀を依頼する際に、併せて「寺院の手配もお願いします」と言えば、宗派などを確認して、手配してくれます。
 しかも、固定料金で、戒名の授与も含めて一通りやってもらえますので、あれこれ心配する必要はありません。金額面も割とリーズナブルだと感じました。

 最近は、寺院の方も現代的になってきているので、そこまで気を使わなくても、直接交渉してもフランクに対応してもらえるようですし(地域にもよるでしょうが)、特に問題は無いとは思いますが、やることがあれこれある喪主などとしては、心配ごとは少ないにこしたことはありませんから。


注意する点

 私自身は、家族も含めて、簡素な葬儀で良いと思っていましたし、特に不満に思うようなことは無かったので、あくまで可能性、あるいは聞いた話、ちょっと注意する点、ということですが。

離れた式場になる可能性

 最初の方で書いたように、小さなお葬式の会社に連絡、依頼をして、それから担当する葬儀社、式場が決まりますので、空き状況によっては、離れた式場になる可能性もあります。
(実際にそうなったという話も聞きました)

 提携式場は、全国で4,000あるということですが、日本の式場総数の数からすればごく一部でしょうし、その中から選択されるので近いところにならない可能性は当然あります。

 ですので、提携式場の中で希望の場所などがあれば、最初に伝えた方が良いですし、仮に日程的にそこが埋まっていた場合、日程をずらすなどの交渉をしてみても良いと思います。(参列者の都合が良ければですが)

 私は、小さなお葬式以外の家族葬を売りにしている会社(最近色々な会社がテレビコマーシャルをやってますが)も考えましたが、近隣の式場が使えそうなのは小さなお葬式だけだったので、こちらにお願いし、式場の希望も伝えました。

当たりはずれのある可能性

 これは、あくまで可能性です。
 上で書いたように、小さなお葬式に依頼した場合に、実際に葬儀を行うのは、提携している葬儀社です。ですから、担当する葬儀社によっては、思っていたのと違った、というような対応になることが、もしかするとあるかも知れません。

 当然、小さなお葬式の方からは、同一の内容、クオリティーを保つように各葬儀社にはあれこれ言っているとは思いますが、一つの法人、組織ではないという部分での懸念はあります。

 ですが、今回、何か問題があったわけでもありませんし、他で小さなお葬式を利用した方から何か不都合があったという話を聞いたわけでもありません。小さなお葬式のスタッフの方も、葬儀社の方も非常に丁寧に対応していただきました。
 繰り返しますが、あくまで、可能性の話です。

費用の支払先が分かれる

 小さなお葬式で決まっているパッケージの料金は、小さなお葬式へ支払うのですが、葬儀社との打ち合わせで依頼したオプションの料金については、その葬儀社に支払います。

 別にこれで何か問題が生じるというわけではありませんが、そういうものだということは理解しておきましょう。
 おそらく、オプションの内容や料金については、各葬儀社でそれぞれ異なるのではないかと思います。それぞれの葬儀社が対応できる中で用意されているものでしょうから。

クレジットカードの手続きが特殊

 「特殊」と書きましたが、私自身が経験していないだけで、他でもあるのかも知れませんし、状況によって私の場合とは異なる手続きになることもあるのかも知れませんが。

 小さなお葬式への費用の支払いは、クレジットカードか現金どちらかを選べますが、クレジットカードを選んだ場合、小さなお葬式から電話がかかってきて、そこから自動音声案内に従って、クレジットカード番号などを電話で入力する形でした(私の場合は)。

 今まで経験したことのない方法だったので、ちょっと大丈夫かと不安になりましたが、無事に支払いは済みましたし、その後特にトラブルもありません。

 一瞬、本当に小さなお葬式からの連絡なのかという疑問も頭をかすめました。そんなドンピシャのタイミングで詐欺の電話が来ることも無いとは思いますが、やはりこのまま払って大丈夫かと不安になります。 かと言って、メールを送ってもらってそのリンク先から入力するというのも、不安は残りますし。 もう少し良い方法がないかとは思います。

 現金を選んだ場合どんな方法になるのか分かりませんが、おそらく指定の口座に振り込むというような方法になるんだと思いますので、こちらの方法なら不安はなかっただろうと、今にして思います。

関連サービスのPRがある

 小さなお葬式は、葬儀だけでなく、四十九日の法要の手配や、香典返しの受注、仏壇・お墓のあっせん、相続手続きの相談など、人の死亡後に発生する様々な出来事に対応するサービスも提供しています(本当に手広くやっています)が、それらのサービスについて、タイミングを見計らって、数回、種類ごとにPRの電話がかかってきます。

 とは言え、しつこいものではなく、必要がなければ、お断りすれば以後それについて電話がかかってくることはありません。


どんな人に向いているか

 小さなお葬式に対する私の印象は、全体として、簡素で分かりやすく合理的、というものです。
 昭和、平成のお葬式を知っている者からすると、寂しいと感じる部分があるかも知れませんが、葬儀が全体として仰々しくない方向に向かっていますし、参列者も限られるでしょうから、時代の流れには沿っているような気がします。
 また、近隣の葬儀社が葬儀の段取りや当日の進行をするので、式の流れや誘導、お寺さんの案内、役所の手続きなどは抜かりなくやってくれたと思います。
 ですので、故人の思いや家族、身内の考えとして、それで不満が無いのであれば、問題ないと思います。

 とは言え、葬儀はかくあるべし、身内だけの葬儀でもできるだけ賑やか送ってやるべきと考える人も当然いるでしょうし、これは普通はこうだろうなどの思い入れや考えを持つ人もいるかも知れません。 親戚、参列者の中にそうしたことに拘る人がいるのであれば、あまり向かないかも知れません。

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