2025年6月26日からイオン系列のスマホ決済「AEON Pay」が新しくなったということで、キャンペーンや宣伝が行われています。
こちらがそのプレスリリースで、「AEON PayとWAONが統合」となっていますが、今一つ具体的な内容がわかりにくいです。
また、AEON Payの公式サイトを見ても、これまでのAEON PayやWAONとどう違うのかについてははっきりしません。
とうことで、結局、「新」AEON Payは、何がどう新しくなったのか調べてみましたので、その内容を解説します。
なお、AEON Payや電子マネーWAONの基本的なことについては、下の過去記事を参考にしてください。
「WAON」の迷宮に踏み入ってみる その4 - AEON Pay -
「WAON」の迷宮に踏み入ってみる その2 - 電子マネーWAON -
機能面で新しくなったこと
WAONタッチ?

まず機能面で新しくなったことの一つは、AEON Payに電子マネーWAONの機能が加わったことです。
そして、どうやら、このAEON Payで利用する電子マネーWAONのことを「WAONタッチ」と呼ぶようです。
つまり、「新しいAEON Payは、コード決済にもタッチ決済にも対応しました」、ということのようです。
(ただ、お願いだから、これ以上新しい名前で混乱させないでほしい)
AEON Payに電子マネーWAONを登録する方法は、すでにモバイルWAONやApple PayのWAONなどスマホのWAONを持っている場合はそれを紐づけることができます。
ですが、クレカに付帯するWAONなど、一部の物理カードのWAONについては、少なくとも現時点では紐づけできないようです。(公式サイトFAQ)
ですので、そのようなWAONしか持っていないという場合は、アプリ上で新たにWAONを発行する必要があります。
なお、AEON Payは、iAEONアプリのほか、イオンウォレットアプリでも利用できますが、イオンウォレットアプリはもともとがイオンカードの管理用アプリだったので、iAEONアプリの方が機能が豊富だと思います。
具体的な手順などは、公式ページをご覧ください。
ということなのですが、新機能が追加されたと言っても、これだけだと、これまで別々のアプリやカードで利用していたものが、一つのアプリで利用できるようになったというだけのこと。なのですが、実質的な新機能が一つ加わりました。それが次の残高移行です。
残高の相互移行

AEON Payと電子マネーWAONが統合されたことで、新しい機能として、AEON Payの残高と電子マネーWAONの残高を相互に移行できるようになりました。
AEON Payの残高を電子マネーWAONの残高に移行できる、その逆も可能、ということです。
残高移行の具体的な手順は公式ページをご覧ください。
実質的には、これが、唯一と言ってよい、新機能です。
便利ではあります。とは言え、Androidユーザーにとっては、特に大きな恩恵があるわけではありません。
iPhoneユーザーならば、少し恩恵はあるかと思います。この点は後ほど。
利用可能店舗
AEON Payのコード決済、WAONタッチ(つまり電子マネーWAON)は、イオン系列の店舗以外でも利用できますが、使える店舗は分野ごとにそれぞれ多い少ないがあるようです。
例えば、ざっと見た限り、飲食店はAEON Payのコード決済が使えるお店の方が多く、ドラッグストアはWAONタッチの方が多い、というような感じです。
毎月10日はポイント10倍

機能面の話以外では、AEON Payのリニューアルにあわせて、「毎月10日にイオングループの対象店舗でAEON Payのスマホ決済を利用すると、WAON POINTが基本の10倍」という新特典を開始、と謳っています。
基本のポイント付与は0.5%なので、10倍つまり5%のポイント付与、ということです。
(イオン系列の店舗で1%のポイント付与というのは基本ではなく特典の一つなので、10%付与にはなりません)
と言っても、その内容は、これまでイオンの「ありが10デー」で実施されていたものと同じです。
「ありが10デー」では従来のAEON Payに加えて、モバイルWAONやApple PayWAONもポイント10倍の対象でなので、実質的にこれまでと変わるところはありません。
下記のとおり一見すると対象店舗に違いがあるように見えます。
「ありが10デー」の対象店舗は、「本州(東北を除く)、四国のイオン、イオンスタイル直営売場」となっていますが、「新特典」では、一例として「全国のイオン、イオンスタイル、イオンモール、ダイエー、ダイエーグルメシティ、マックスバリュ、イオンスーパーセンター など」としており、今後拡大予定、となっています。
なのですが、例えば、ダイエーやマックスバリュでもそれぞれ「ありが10デー」として、同じ内容の特典を付与していましたので、どこまで違いがあるのかはよく分かりません。
新特典は、今後拡大予定、と公式に謳っているのでさらに拡大していく方向だとは思いますが。
もう一つ、「ありが10デー」では、イオンカード、物理カードの電子マネーWAONなどで支払った場合は、ポイント5倍という特典があるのですが、新特典にはそれがありません。
AEON Payの特典なので当たり前ですが。
そして、多くの店舗では「ありが10デー」も継続しているようですが、「ありが10デー」を終了し、AEON Payの10倍ポイントのみに変更している店舗も一部あるようです。
ちなみに、公式のFAQでは、AEON Pay以外のポイント5倍付与のことを「ありが10デー」と言っているようですが(AEON Payのポイント10倍は「ありが10デー」とは別になったということ?)、うーん、ややこしい。
なお、「ありが10デー」の「WAON POINTカード」を提示しての現金払いについては、2025年8月10日からポイント5倍の対象外になります。
「新」AEON Payのメリット
これまで見てきたように、Apple Pay残高と電子マネーWAONの残高の相互移管ができるようになったこと以外、実質的な変更点はなさそうです。
この相互移管も便利ではありますが、そこまで大きなメリットとも言えません。
唯一、iPhoneユーザーだけは、少し恩恵があります。
Android(モバイルWAON)の場合、電子マネーWAONにチャージできるクレジットカードはイオンカードのみ、しかもチャージによるポイント付与はありません。
ですが、iPhoneならば、イオンカード以外のクレジットカードからApple PayのWAONにチャージして、これをAEON Pay残高に移管して利用できるようになります。そして、クレジットカードによっては、チャージによるポイント付与があります。
これによって、AEON Pay(コード決済)しか利用できない店舗やAEON Payのキャンペーンなどで利用する際に、還元率を少しでもアップさせることが狙えます。
その位でしょうか。お得な決済方法は他にもいろいろありますし、イオン系列のポイント10倍の日は、WAONタッチも対象(これまでのApple PayのWAONと同じ)で実質的に変わりありませんから、新機能による恩恵は少しだけありそうという感じでしょうか。
その他
付与されるポイントは、これまでと同じ、WAON POINT もしくは WAONポイント です。
2つのポイントの違いや、どのような場合にどちらのポイントが付与されるのか、などについては、過去記事「WAON」の迷宮に踏み入ってみる その1 - WAONポイントとWAON POINT -をご覧ください。
サービスを新しくするなら先にこの辺を整理してほしいというのが正直なところですが。
結局
Androidユーザーの私にとっては、さしたる恩恵の無いリニューアルでした。
一つのアプリでコード決済とタッチ決済両方の切り替えができる、というのが便利かと言うと、同時に提示する場面もありませんし、どちらを使うかはだいたい決まっているでしょうし、そもそもイオン系列以外でAEON Payを使うことはあまり無いと思いますし。
残高の相互移管は便利と言えば便利ですが。
それよりも、私が「迷宮」と称している、色々な仕様の複雑な部分を少しずつでも解消していってほしいものです。
コメント