糖質制限の功罪 ~何事もほどほどに~

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UnsplashのAnastasiia Chepinskaが撮影

 ダイエットなどでよく聞く「糖質制限」ですが、本当に効果があるのか
 また、アンチエイジングの関係でも「糖化」という言葉を聞くことがあると思いますし、「糖化」を防止するために糖質を制限するというような話も聞きますが、糖質制限にデメリットは無いのか

 これらについて、私自身の経験を含めて、お伝えしたいと思います。
 ちょっと気になるけど、実際どうなのと思われる方の参考に一つになれば。

糖質制限のダイエット効果

 糖質制限ダイエットに効果があるのか。
 結論から言うと、ある、と思います。

 ここで言うのは、厳密にカロリー計算をして、糖質の割合を減らす、というようなことではなく、ざっくりと、糖質を多く含むものをできるだけ減らす、というそんな感じです。
 私自身、諸事情によりかなり体重多めになってしまったことが一時期あったのですが、糖質を制限することで、すっきりした体形に戻すことができました

 同じカロリーで糖質をタンパク質に置き換えたらどうなるか、ということではありません。
 基本的には体重の増減は、よく言われるように、摂取カロリーと消費カロリーの差によると考えます。(消費カロリーがそのときに体の状態で変動しますけれど)

 ただ、私たちの周りには、糖質・炭水化物を多く含む食品があふれています。おにぎり、パン、ケーキ、清涼飲料水、お菓子、などなど。
 糖質を摂取するのは簡単ですが、糖質の代わりにタンパク質を摂取するというのはなかなか簡単ではありません。つまり、糖質を制限すれば自然と摂取カロリーも抑えめになるわけです。
 最近では、糖質をカットした食品も売られていますが、成分表示等を見ていただければ分かりますが、そうした食品の多くもカロリーは低くなっています。

糖質制限とGI値

 GI値というのもよく聞く言葉だと思います。その食品を食べた時の血糖値の上がりやすさを示す数値です。
 健康的な食生活のためにはGI値の低い食品を選びましょう、とよく言われます。

 私も糖質制限をしていた時には、GI値の低い食品を積極的に選んで採るようにしていました。

 GI値とは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、その食品を食べた時の血糖値の上がりやすさを示す数値です。ブドウ糖を100としてどの程度の上がりやすさかを食品ごとに定めています。
 55~60が目安でそれよりも低い食品を選びましょうと言われます。ちなみに、野菜は全般的に低GI値ですが、根菜類とくに人参などはGI値が高いので取り方に注意しましょう。

 ただし、GI値が低い = 糖質が少ない ではありません
 例えば、普通のパンよりも低GI値と言われるライ麦パンですが、成分表示などを見ていただければ分かりますが、糖質の量は低いわけではありません。

 では、GI値の低い食品を選ぶ意味は無いのかと言うと、全然そんなことは無くて、血糖値が急上昇すると今度はインシュリンが分泌され、その働きで血糖値が急下降します。これは血糖値スパイクと言われ、動脈硬化、糖尿病につながると言われています。

 つまり血糖値が急上昇しないように、できるだけGI値の低い食品を選んだ方が良いことになりますし、GI値の低い食品は腹持ちが良く、ダイエットにも効果があると言われます。

糖質制限のデメリット(危険性)

 糖質制限そのもののデメリットというよりも、糖質制限で注意するのは、糖質が不足するような状態は避けるべきということです。過度な制限はやめましょう、ということです。
 特に、標準体重以下の体形であれば糖質制限はしない方が良いと思います。もちろん採りすぎは良くありませんが。

 炭水化物・糖質は人間の体に必要な栄養素です。体を動かす一番のエネルギー源で、運動はもちろんのこと、糖の必要な体の器官は多数あり、特に脳は大量の糖(しかもブドウ糖)をエネルギー源とします。

 糖質が不足すると、体内で代替物質が使われることになります。筋肉中のタンパク質や脂肪細胞中の脂肪酸などです。脂肪酸からケトン体という物質がつくられ、これを利用したケトジェニックダイエットという言葉を聞いたことがあるかも知れません。また、医療の分野でも、ある種の病気の治療に使われるようです。

 ただし、ケトン体の増加には副作用もあり、吐き気、気力の低下、LDLコレステロール値の増加、尿結石、その他が言われています
 専門家の指導なしに見よう見まねでケトジェニックダイエットを行うのは危険だと思います。

 私自身、標準体重以下に落ちた後に、また、しばらく糖質制限を続けたところ、体脂肪率が10を切るまでになりましたが、体全体に張りも無くなり、肌つやも悪くなり、LDLコレステロール値が跳ね上がり、何も良いことは無かったなと思います。(糖質だけでなく摂取カロリー全体が減ってしまったこともあると思います)
 今は続けていません。

糖質制限と筋トレ

 上で書いたように、糖質が不足すると筋肉中のタンパク質も分解されてエネルギー源として使われるので、筋肥大のためには糖質制限は良くないという意見や、逆に糖質が不足してもタンパク質、脂質を十分にとることで逆に効果がるという意見など、色々な意見があります。

 少なくとも、健康づくりのために筋トレをするのであれば、栄養不足に陥るようなことは避けるべきです。筋トレは大量のエネルギーを消費します。すぐにエネルギーになるのは糖質であり、筋肉を作るのはタンパク質ですから、バランスの良い食事やエネルギー補給を心がけるべきでしょう。

 専門家からアドバイスを受けながら糖質制限+筋トレをするのであれば問題ないと思いますが、見よう見まねで生半可な知識でやるのは良くないです。トレーニングの効果が出ない、場合によっては怪我などの危険もあると思います。

 何か特別な目的があれば別ですが、普通に筋力アップを目指すなら、特殊なことはせずに、(糖質を含めた)栄養をしっかりと採って、トレーニングに励むのが良いのではないかと思います。

中年太りについて

 ちょっと話題が逸れますが、中年になってくるとお腹周りに肉がついて、少々運動したくらいではなかなか取れない、トレーニングして筋肉はついてもお腹周りが気になる、ということを感じている人もいるかと思います。

 人間は余った栄養を皮下脂肪として貯めこみます。いざと言うときのための貯蔵庫です。そして、貯蔵場所として一番邪魔にならない(人間が活動する上でと言う意味で)場所がお腹周りというわけです。
 ですので、ダイエットしてもお腹の脂肪が減っていくのは最後の方、ということになります。

 あるトレーナーの方も仰ってましたが、筋肉隆々でがっしりしていて、なおかつお腹が完全に絞れている体形を維持するには、本当にハードなトレーニングと想像以上にストイックな生活が必要なので、普通の人は目指さない方が良いと。

 いくらお腹を絞っても、体全体が萎んでしまってはみすぼらしだけなので、お腹の肉もある程度は許容した方が良いと思います。ある程度ですよ。ある程度を超えている方はダイエットしましょう。

糖化と糖質制限

 冒頭の方で書いたように、糖化抑えるために糖質制限をしましょう、というような話もありますが、むやみに糖質の摂取を抑えるのも問題があります。

 糖化とは、調理などでも起こる反応ですが(メイラード反応と言う言葉を聞いたことがあるかも知れません)、体内で起こる反応を指す場合は、血液中の余分な糖が、タンパク質や脂質と結合してAGEという老化促進物質を作り出すこととされています。動脈硬化やアルツハイマー病などにも関連するとして、注目されています。

 糖化自体はやはり良くないことのようですが、糖化を抑えるには、糖の摂取量だけでなく、血糖値の上昇を抑えるのが重要であると言われています。
 つまり、必要な量の糖質は採りつつも、血糖値の上昇しにくい食品、GI値の低い食品を選んだり食べ方を工夫すること(食べる順番やゆっくりよく噛んで食べるなど)が大切ということです。

 もちろん普段から糖質を採り過ぎているというような方は、甘いものを控えるようにしましょう。
 よく言われるように、清涼飲料水などの甘い飲み物には大量の糖質が含まれていることが多いです。おまけに甘い飲み物は吸収されるスピードも速いです。
 つまり、血糖値が急激に大きく上昇するということです。
 まずはこういったものを控えることから始めましょう。

最後に

 バランスの良い食事を(できるだけGI値の低いものを選んで)よく噛んで、ゆっくり食べるようにしましょう、というようなある意味当たり前の結論なのですが。

 何かのコマーシャルに「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」というのがありましたが、糖質制限はつらいものです。ですが、逆にそれだけ頑張った感があり、人によっては必要以上に頑張ってしまうことにもなりかねません。

 筋トレしていても栄養が足りない、逆に弊害が出る、なんてことでは何をやっているのか、ということになってしまいます。
 過ぎたるは猶及ばざるが如しですし、必要な場合でも急にむやみやたらとやるのではなく、無理せず少しずつ継続することが大事かと思います。

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