投資について ~今すぐやるべき? それとも危険?~

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UnsplashのMathieu Sternが撮影

 少し前から、さあ投資をはじめよう、という掛け声をよく聞くようになった気がします。曰く「低金利の日本で預金だけに頼るのは貧困への道」「少子高齢化社会で年金だけでは心もとない、老後資金を投資で確保」「預金ばかりして全く投資をしない日本人は情弱」「物価上昇の中では現金(預金)のまま持っていること自体がリスク」などなど。

 一方で、知識も無くてよく分からないし、投資なんて危ないんじゃないの、と思う方もいらっしゃると思います。また、米国が景気後退入りするんじゃないかと言われている今のタイミングは止めておいた方がよい、と言う意見もあるでしょう。

 私自身はそんなに投資経験が豊富というわけではありませんが、投資についての私の考えや注意点などを総論としてまとめてみました。投資ってやった方が良いんだろうか、と考えている方の参考に少しでもなればと思います。
 個別のはなしについては、今後記事にしようと思います。

(2022.10.11) 投資の第一歩として、長期積立投資について記事を書きました。どんな銘柄を選ぶか、注意点は何かなどについて書いてます。ぜひご覧ください。

投資は必要か

 結論から言うと、余裕資金があれば、やった方が良いと思います。

 現在の日本では預金していても利息はほんの少しですし、将来必ず必要になるであろう老後資金のことを考えても、資産形成の手段の一つとして、投資も考えておくべきと思います。

 ただし、じゃあ、ということで闇雲に何かの投資商品に飛びつくのは危険です。
 仮に詐欺のようなことに合わず、まっとうな投資をしたとしても、それぞれの商品の特性リスクなどをきちんと理解していないと、こんなはずじゃなかった、ということになりかねません。

 例えば、よく言われる「現金も物価上昇に対しては目減りするリスクがある」というのはその通りですが、では、何かに投資しておけばそれで全てOKというわけではありません。

 ここ1年くらいのアメリカ(現時点は2022.10月)を見ていただければ分かるように、激しいインフレの中ですが、株価は軒並み暴落しています。短期で見ると株に投資をしていたら大きく損をしたということになってしまいます。
 では、物価上昇には株を持っていても意味無いのかと言うとそんなことは無くて、10年20年という長期スパンで見ると(どの期間で見るかにもよりますが)株価全体の上昇は、物価上昇を大きく上回っています。一般的に株は物価上昇に強い資産と言われる所以です。

 つまり、投資の種類ややり方によってどのようなリターンが期待できるか、そしてどんなリスクがあるのかを知ったうえで投資しないと当てが外れたということになりかねないということです。

投資をするときに考えるべきこと

余裕資金でやる

 当たり前ですが、投資にはリスクがつきものです。特に短期的には資産が減ることもあります。生活費など、近々に使い道が決まっている、日々の生活に必要なお金を投資で増やそうとは思わないことです。
 ネットの広告で偶にみるような、「今月お金がなくてピンチなんだけど」「それならこれに投資しなよ、楽勝。」、なんてことは絶対にやってはいけません

 「余裕資金」の中でも、将来必要になるだろうけれど当面必要ないので貯めておくという資金と、万が一無くなってしまったとしてもあきらめがつくという程度の金額(資金)があると思います。
 前者については、比較的リスクの少ないものにじっくり時間をかけて投資し、現金でも持っておきましょう。
 後者については、リスクは高いけれどリターンも期待できるもの、投機※も含めてやっても良いと思います。ただし、きちんと勉強をして少額からリスクを踏まえてやりましょう。

 もちろん、後者の資金の余裕なんてない、と言う人もいるでしょう。そういう人はリスクの高いものには手を出さないことです。

 いずれにしても、余裕資金が無くては投資ははじめられません。資金を貯めることから始めましょう。

投資投機

 色々な商品を広く投資と呼ぶことも多いですが、リスクとリターンを考える際に「投資」と「投機」は分けて考えた方が良いと思います。明確な線引きは難しいかも知れませんが、凡そ次のように考えています。

 何かの事業によって収益を上げ、また事業体が成長することによって、そこに資金を提供した人たちにリターンがある、これが「投資」です。不動産投資株式投資がその例です。
 株は事業成績以外の要因でも値を上げたり下げたりしますが、長期目線でかつ他の環境がととのえば、儲かっている企業の株は上がりますし、配当も増えます。
 また、株式全体で言えば、その国の経済が成長する限り株価もトレンドとして上昇していきます。

 一方で、基本的に市場の需給関係によって値段がきまるもの安い値段で買って高く売ることによってリターンを稼ぐものが「投機」です。例えば、FX(為替)、金などのコモディティと言われるものなどです。
 株も市場の需給関係で値が決まりますが、投機対象商品には事業成績、事業の成長のような確たるものはなく、様々な要因で値が動くので、値動きを予想するのは非常に難しいです。

分散させる(一つのものに一度に投資しない)

 これもよく言われることですが、「分散」はリスクを減らす有効な方法です。

 余裕資金のすべてを何かに投資してしまったら、もしもそれが大きく値下がりしたときに資産を大きく減らしてしまうことになります。何かそれをカバーする別のものに投資しておけば、リスクを下げられます。
 投資対象商品に価格変動はつきものなので、一旦価格が下がっても。我慢していればまた値上がりするかもしれませんが、資産の多くを一つに集中させていると、値下がりしたときの精神的なダメージ、不安というのは並大抵ではないです。

投資対象の分散

 そこで、幾つかの商品に分散して投資しておくというのが推奨されます。投資(投機の対象となる商品も含めると)には、株の他に、債券や不動産、金、外貨など様々なものがあります。
 ただ、初心者があれこれ手を出すのは知識不足もあり却って危険な面もあります。
 ですので、株は株でも、個別の会社の株式に投資するのではなく、その国の株価全体あるいは全世界の株価を表すような指標(インデックス)に連動するような投資信託やETFに投資することで一定の分散を図るやり方があります。つまり、一つの商品を買うことで多数の株に投資するのと同じ効果が得られます。
 これが話によく聞くインデックス投資です。

 インデックス以外にも複数の対象に投資するような投資信託などもありますが(例えば、株に加えて債券や金などを含むもの)、あまり魅力的とは言い難いです。この辺についてはまたあらためて。

 インデックスに連動する商品の中にもいくつか種類がありますが、適切な商品を選べばリスクの分散が図られます。ですが、依然として損失を被るリスクが無くなるわけではありませんので、私はやはり資産として現金も持っておくべきだと思います。つまり、インデックス投資に加えて現金にも分散しておくということです。
 現金ではなく債券をという意見もありますが、初心者としては、現金が簡単で融通がきくと思います。
 ただし、この現金は資産として保有するものなので、簡単に取り崩したり使ったりしてはいけません。生活資金としての預金とは別にしておきましょう。

投資タイミングの分散(時間分散)

 投資対象の価格が下がったところで買うことができれば、その後の値上がりが期待でき、資産形成上有利です。

 ですが、価格が下がってきたところで、そこで下げ止まるのか、さらにどんどん下がるのか、予想することはできても、なかなか予想通りにいかないことが多いです。
 そこで、投資タイミングを分散し、例えば、毎月一定額を購入するなどして購入単価の平準化を図ることによって、一発勝負で失敗するのを防ぎます。
 これがドルコスト平均法です。

 「ドルコスト平均法」は資産形成に時間を要するものの非常に有効な手法と言われます。もちろん万能ではなく欠点もあります。一言で言うと出口(投資終了時)付近での下落に弱い、ということですが、この辺はまたあらためて。
 欠点はありますが、未来のことが分からない以上、少しでもリスクを減らすには効果的な方法です。

コストの問題

 投資は証券会社などの事業者を通じて商品を購入することになります。ですので、事業者の利益として手数料が発生します。

 個別株であれば、購入時と売却時に手数料が発生するだけと言う場合がほとんどですが、投資信託やETFなどは運用会社に資金を運用してもらうので、投資をしている期間中ずっとコストが発生します。(信託報酬というものです)

 信託報酬は一見わずかな金額に見えるかも知れませんが、投資期間中長期にわたってずっと発生するものなので、注意をしましょう。

 一般的な傾向として、事業者については実店舗で対面で取引するのに比べ、ネット事業者の方が手数料が安く、商品としては、複雑な運用をするのではなく、インデックスのように運用するのに手間がかからないようなものの方が安いです。
 ネット証券でインデックス投資をすればコストは安上がりということです。

税金の問題 - iDeCoやNISAの利用

 投資で得た利益には当然税金がかかります

 これを一定の投資額までは非課税にしましょうというのがNISAつみたてNISAです。
 iDeCo(個人型確定拠出年金)についてはこれに加えてさらに投資額について所得税や住民税における所得控除の対象にもしてくれます。(これらについて詳しい説明はたくさんあるので割愛します。)
 投資をするなら使わない手はありません

 これは国も宣伝してますし、多くの識者がしきりと勧めています。天邪鬼な私は最初、こんなに皆が勧めるには何か裏があるんじゃないかと勘繰っていました。
 国は国としての思惑はあるのでしょう(良し悪しは別として)。しかし、この制度単体で見た場合、利用することによるデメリットはほとんど無いと言って良いです。

 ただし、投資対象は限られているのですが、それは比較的リスクが高くないものに絞られているということも言えます。(iDeCoには定期預金まであります)
 また、iDeCoは60歳になるまで取り崩すことができませんが、それは年金という制度趣旨からくるもので、その目的のための投資と割り切りましょう。

長期と短期を分ける

 以上のとおり、分散の効いた商品に長期でコツコツ投資していけば比較的リスクが少ないということなりますが、それでは物足りない、リスクは覚悟でもっと利益を狙いたい、というのであれば、それは長期投資とは別にやりましょう。

 まずは、長期投資を中止に据え、現金も一定確保した上で、リスク高めの投資はこれらとは別の本当の余裕資金でやりましょう。
 資産をコアの部分とサテライトに分ける、よく言われる「コア・サテライト」戦略です。

メンタルコントロール

 個人的には投資で一番難しくかつ重要なのがメンタルコントロールだと思っています。

 投資は、客観的なデータに基づいて一定のルールで行えばかなりリスクを減らせるものだと思います。しかし、人は往々にして感情に左右されて自ら決めたルール外のことをやってしまいます。

 例えば、長期の積立投資なのに価格が下がってきた不安からすべて売却してしまったり、逆に短期投資で思惑が外れたらこのラインで撤退と決めていたのに、きっとまた値が戻ると勝手に決めつけてズルズルと損を拡大させるなど、多くの投資経験者が心当たりがあると思います。私もあります。
 また、皆が買って利益を出しているものに自分も乗らないと儲けそこなってしまう、とあわてて飛び乗り、高値掴みをして逆に損をするなど。

 人は、「損をした」「損をする」あるいは「儲けそこなった」「儲けそこなう」と思った時冷静な判断を失う、と言われています。経験したことがある方なら、あの何とも言えない、抑えがたい焦りのようなものがお分かりいただけると思います。
 こうした感情に左右されてはいけません。冷静になって、事前によく検討して建てた計画、ルールには従いましょう。

 もちろん自分で決めたルールでも状況に応じて変更することは必要です。ですが、それは客観的に分析をして良く調べて検討の上で行うべきです。

他人の話は鵜呑みにしない

 これもよく言われることですが、投資の世界に正解も絶対もありません。誰の言うことであってもそのまま鵜呑みにしてはいけません

 言われたことを理解し、自分で判断しましょう。なるほどと思う話、自分が信頼している人の話でも、投資に関することは必ず裏をとる、根拠は何か、他の人はどう言っているのか、確認しましょう。

 その上で自分で考え、納得した上で動きましょう。

こんな投資話に乗ってはいけない

「必ず儲かります」「リスクはありません」

 リスクの無い投資は存在しません。リスクがあるからこそそれ相応のリターンがあるのです。
 リスクが無い、と言われた時点でその投資は詐欺です。

 また、リスクがあることは明示されていたとしても、どの程度のどんなリスクなのか分からない場合には、手を出すのはやめましょう
 よくあるのが、過去にこんなに実績・利益が出ましたと大きく宣伝し、リスクがあることを小さく申し訳程度に書いてあるようなケースです。どんな場合にどの程度のリスクが発生するのか調べてから、投資を検討しましょう。

「簡単に儲かります」「誰でも儲かります」

 上とほぼ同じですが、難しいことは知らなくても、知識が無くても、簡単に儲かると宣伝しているものもよく見かけます。
 これも危険です。あとから、思っていたのと違うということになりかねません。

 投資は自己責任の世界です。専門的なマニアックなことまでは知らなくても、その商品がどのような仕組みでどのようにリターンを得ているのか、それに伴うリスクは何か、というようなことは理解した上で、それらを納得した上で投資しましょう。

「簡単に儲かるノウハウを特別に教えます」

 有料のセミナーなどでも有益なものは沢山あります。ですが、「このやり方さえ知ればお金持ち間違いないなし、自分だけのものにするのは勿体ないので特別に教えます。」的なものは、ほぼ詐欺に近いです。(中には有益なものもあるのかも知れませんが)

 よく言われるように、そんな良い投資方法があるなら、私なら人には教えず自分でやって儲けます。全くの出鱈目とは言いませんが、自分で投資するよりも投資方法を売った方が儲かると思うから、そのような謳い文句で販売しているのでしょう。

最後に

 今回は総論としての考え方が中心で、具体的なことはほとんど書きませんでしたが、具体的なことは今後記事にしていきたいと思います。

 リスクをできるだけ減らした投資というのは、一度戦略・ルールを決めてしまえば、後は退屈なものです。しかし、それを決めるまでは思い悩むことも多いです。その辺のお話も書ければと思います。

(2022.10.11) 投資の第一歩として、長期積立投資について記事を書きました。どんな銘柄を選ぶか、注意点は何かなどについて書いてます。ぜひご覧ください。

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