以前の記事で書いたように、私は、PCのシステムディスクはSSD、データ保存は外付けのハードディスク(HDD)と言う使い方をしています。
今回は私が外付けHDDをどんな風に選んでいるかを記事にしてみました。
具体的な製品名よりもどんな基準で選んでいるかというような内容です。
少しでも周辺機器選びの参考になればと思います。
完成品かバラ売りか
最初からHDDがケースに収められた完成品として売られているものも沢山あります。
テレビの録画用にHDDプレイヤー対応を謳っているものも多いです。
手軽ですし、買ってきて接続するだけなので簡単です。
ですが、私は完成品は選びません。
どのようなHDDが登載されているかなど、仕様の詳細が分からないものが多いですし、
また、静穏性を謳い、ファンレスでしかも密閉に近いものが多く、そのため、放熱性が犠牲になっている製品が多いように思うからです。
HDDは稼働すると温度が上がるのは避けられません。しかし、高温の状態が続くのはHDDの寿命に大きく影響すると考えます。放熱性が良いかどうかはとても重要です。
ということで、HDDとケースをそれぞれ別に購入して、組み立てる(と言うほど大層なものではありませんが)形の製品を選んでいます。
組み立てやらHDDのフォーマットやら、手間はかかりますが、一度経験すれば苦労するものでもありません。
何より、ケースとHDD、自分の好きなものを組み合わせて使うことができます。
ファン付きかファンレスか
上でも書いたように、熱によるHDDのダメージを考えると、ファンで強制的に排熱するタイプの方が望ましいと思います。
ですが、ファン付きのタイプはファンの音が気になります。
ファンの音にまで気を配っている製品はあまり見たことがありませんし、現行で販売されている商品ではファン付きのもの自体が少ない(特にHDDを1台入れるタイプのものは)です。
やはり、HDDの温度などという普段見ることの無い事柄よりも、静粛性の方を気にする人が多いからなんでしょうね。
そういう私も、普段よく使うHDDは静かな方が良いですから。
ということで、倉庫代わりに保存の時だけ稼働させるような、複数のHDDを取り付けるやや大きめのケースはファン付きのものを。
普段使いの単発のHDDには、ファン付きで気に入ったケースが無いということもありますが、ファンレスで放熱性に優れていそうなものを選んでいます。
放熱性については次の項目で。
放熱性
しつこいようですが、私はHDDの寿命を縮める大きな原因が「熱」だと思っています。
私のこれまでの経験では、故障したHDDの多くが高温下で動作させ続けてきた場合ですし、一般的にも、50℃を超える状態で動作させ続けると故障率が大きく高まると言われています。
50℃と言ってもピンと来ないかも知れませんが、夏場、放熱が不十分あるいは冷却をしない状態でHDDを使っていると、50℃は簡単に達する温度です。
安全を見て、できれば45℃以下で動作させたいところです。
ということで、ファンレスのケースであっても、できる限り放熱性の優れたものを選ぶようにしています。
そして、できれば密閉したタイプではなく、通気孔が空いているようなタイプを選び、季節によって必要なら、外から小型扇風機(USB接続の卓上の小型のもので十分)の風を送るようにしています。
風通しの良いケースはHDDの動作音が漏れるのですが、システムディスクではないので、ずっとアクセスしているわけではなく、さほど気にならないと思います。
逆に、いくらケースが金属製で放熱効果があると謳っていても、ケース内の空気を強制的に逃がすかどうかで温度はかなり違ってきます。
その他
重要な点は以上になるのですが、その他少し気にする点としては以下の通りです。
電源ボタンの有無
最近はPCの電源に連動して電源が入り切りされ、HDD自体には電源ボタンが無いタイプも散見されます。
ですが、データ保存用なので、必要がないとき(例えば、ちょっとウェブを閲覧するだけとか、メールをチェックするだけなど)には、HDDの電源を入れる必要はないので、HDD単独で電源をオンオフできる方が便利だと思います。
接続端子の規格
外付けとPCを接続する規格です。USB3.0とかUSB3.1Gen2とか言うあれです。
上位規格になるほど(数字が上がるほど)、転送速度が速くなります。
USB3.0以上であれば実用上は差し支えないと思いますが、PC側が対応しているなら、より高速な方が良いと思います。値段との兼ね合いもありますが。
現在販売されている製品は、USB3.0以上がほとんどですが、稀にUSB2.0の製品もあるので、注意してください。とても遅いので、大容量ファイルのやり取りには時間がかかって仕方ないです。
ちなみに、USB 3.2 Gen1とUSB 3.1 Gen1、USB 3.0は、同じもので、同じ転送速度です。
また、USB 3.2 Gen2は、USB 3.1 Gen2と同じもので、USB3.0より高速です。
って、なんでこんなややこし名前になっているんでしょうね。
コントロールチップ
外付けHDDの故障は、HDD自体が壊れたという場合だけでなく、コントロールチップなどの回路の故障という場合もあります。
ケースに組み込まれているコントロール回路に使われているチップがどこの会社のどんな製品なのか気にする人もいますし、私もできれば安定した製品を選びたいものですが、こればかりは調べられない場合もありますし、マニアックになりすぎます。
ですので、製品自体の評判があまり悪くないものを選ぶしかないと思います。
実際に、外付けHDDがPCで認識されなくなって、調べてみると中のHDDは無事(データが破損していなかったのは幸い)でケースの回路が故障の原因だろうということが何度かありました。
しかしながら、当たりはずれもありますし、これを選べば100%大丈夫と言い切れないところが難しいところです。
HDD本体
以前は多くのメーカーがHDDを製造していましたが、製造をやめてしまったり、統合されたりと言った具合で、今ではメーカーの選択肢があまりありません。
また、どこのメーカーのHDDが壊れやすい、というような話もありましたが、最近では特にこのメーカーが壊れやすい、このメーカーが頑丈、というようなこともあまりなさそうですので、あとは好みの問題かと思います。
私は、価格や評判その他からWestern Digital製のHDDをよく使いますが、好みの問題です。
容量は、必要とする容量と値段との兼ね合いになるかと思います。
値段は、絶対的な値段だけでなく、容量当たり単価(1Tバイト当たりいくらなど)も参考にしてください。ある程度大容量の方が、容量当たり単価は安くなります。
もっとも、住宅や収納と一緒で、HDDも空きがあればあるだけ野放図に使ってしまって、未整理のフォルダーやファイルが溢れるという事態になりがちです。まあ、これは別のはなしですが。
私が使っているHDDケース
普段使い
私が今のところ普段使いで使っているHDDケースは、inateckという会社の「SA01003」という製品です。これにWestern Digital製のHDDを入れて使っています。

躯体がプラスチック製というのは残念なところですが、上面が全面金属製のメッシュになっていて、通気性は十分です。
冬はそのまま使いますが、夏はUSB接続の小型扇風機の風を当てれば冷却もOKです。
1年以上使っていますが、特におかしな挙動や不具合はありません。
電源スイッチ付きというところも便利です。
inateckは中国のメーカーですが、もともとはドイツの会社だったように記憶しています。
以前は、PCの周辺機器など電子機器が中心だったように思いますが、現在はあまり力を入れておらず(売り切れの製品が目立ちます)、バックパックやラップトップ用ケースの類がメインのような印象を受けます。
inateckの周辺機器は概ね評判は悪くなさそうですが、残念ながらこの製品もメーカーのHPでは売り切れで、Amazonや楽天ではまだ売っていますが、少々値段が高いです。
倉庫用
倉庫という言い方も妙ですが、普段データの出し入れはしないで、専らデータを保管しておくような使い方の場合です。
これには、ファン付きのHDDが2台入るケースを使っています。
こちらも中のHDDはWestern Digitalです。保存用なので、普段使いよりも大容量のものを入れてます。
ファン付きのものはファンの音が気になりますが、データを保存する際や昔のデータをちょっと見るような場合などに使うだけで、普段は稼働させないので、さほど問題にはなりません。
具体的には、Logitec製の LHR-2BNU3 という製品ですが、残念ながらこれも今は販売されていません。LHR-2BRHEU3 というRAID機能を搭載したモデルなら現行品でありますが、値段は少々高くなります。
最後に
この種の製品は最近は新製品があまり出てこず、選択肢があまりありません。
それだけ需要が無いということなのでしょう。
多くの人は、データの保存はどのようにしているのでしょうか。
PCやスマホ等に最初から入っているストレージ? それともgoogle driveなどのクラウド? やはりSSD? はたまたNAS?
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